すみませんが、この仕事辞めていいですか?……ダメですか(ただいま期間未定の休み中です! 作:白桜
世間ではそろそろ年度末に近き今日この頃、学校に通いし者は春休みが近づき心がざわついてるんではないのか?
卒業生は春からの新生活がどうなるのか不安と共に楽しみで溢れてるんではないだろうか。
だがこの部屋にて向かい合ってるふたりにはそんなのとは無関係と言わんばかりだ。
男性が向かい合いの部下から何か報告が聞いてるようである。
「ん?これは本当かい?間違いないの」
「はい。これについては間違いないようです。もうすでに関する手続きは終わってるのことと」
「……そうですか、分かりました。この事については何も言うことがありませんのが何かあれば逐次報告を。戻ってもいいですよ」
「分かりました。ではこれで」
ある事を報告を持って来た部下が居なくなるとため息が。
ここは日本の省庁が集まる霞が関、その中にある文部科学省の学園艦教育局室に立派そうな椅子に座るひとりの男性が居る。
その男性、学園艦教育局長である彼は先ほどの報告に困った表情を浮かべる。
報告で何か思い出したのか、机にしまっていたとある資料を取り出す。
「まさかこうなるとは……いや、あの時にこの資料を渡したのは今でも問題はなかったと確信してる」
「だが、今の状況でこうなると……下手をすればあの師範が怒るぞこれは」
本当に困ってるのか男性は冷や汗と思えし汗を流す。
ハンカチで汗を拭きつつ、もしもの時の対応を考えることに。
「まぁ、でも。これは彼女が選択したんであろう、ならば見守っていくしかないな……」
そうつぶやくと報告時に渡された紙と取り出した資料を見つめる。
この選択が彼女達にすこしでもよき結果につながることを祈るのであった。
―
ここで少し取り出した資料について触れておこう。
この資料は、私が局長になり日本各地にある学園艦巡りを終えてから作成したんだが、はっきり言って表に出さずに私のみが見るつもりだった。
簡単に内容を言うと、統廃合の候補になるのか判断するための生徒数やここ数年の活動実績等である。
この資料をもとに局内用のを作って封印するはずが……とある問題の解決の手助けとなるならと思いそのままにした。
実は私が局長になって間もなくからとても困った事が起きており、それは私にとって放置が出来ないものであった。
雑に言うと伝統の重みがあるところって大変よね、である。
前回の戦車道全国高校生大会が終わってから準優勝校である黒森峰女学園がちとややこしい事になっていた。
敗れた決勝戦含め黒森峰女学園の全試合はどれもとても素晴らしいものであったのはおそらく見ていた皆同じであろう。
あーあのような試合、私もしてみたいと強く感じたな。
あの試合を見ていた全国の子供達は戦車道をしたいときっと心に決めたに違いない!
これでこれからの戦車道は安泰に決まってる、ありがたいことだな!!
……ごほん、話を戻そうか。
未来の戦車道の安泰かはどうかは今は置いといて、負けたけど記憶に残る激戦だったよね悲しく悔しいけど次は勝つぞとなって終わると思ってたんだ。
たんだが、どうもそうはならなかったようで面倒なことが起こっていた。
それに私が気付いたのは大会後のエキシビションマッチ終わり第62回大会に関する仕事が一段落した秋だった。
黒森峰女学園は西住流に深くかかわってる影響か他の高校に比べて少し堅苦しかったり個人より集団が大事的なものがある。
これらについては別に悪いわけではないから気にはしないが、もう少しコミュニケーションをとるべきだと思う。
言葉少なくて誤解されないのか不安になるが。
前回大会は黒森峰10連覇がかかっていたのは皆も知ってるところ、皆のなかには今回も優勝して前代未聞の瞬間を見れるんだろうと期待していただろう。
それは黒森峰でも同じだっただろう、生徒や教職員だけでなく卒業生も期待し確信していたに違いない。
まぁ、選手である生徒達にとってはかなりプレッシャーだったと思うが。
これについては仕方がないな、がんばれ。
期待通りに勝ってたらよかったが結果は皆が知っての通り、黒森峰は負けた。
砲撃戦して負けたとかならまだ状況は違ったかもしれないが、負けた原因は戦車長が居ないフラッグ車が撃破であった。
どんな状況になったら戦車長が居ないフラッグ車が生まれるのかと気になり試合内容の詳細を確認した。
そしたら試合中に味方車両が川に落下、フラッグ車の戦車長が落下した車両の生徒を助けるために降車していたと分かった。
試合中であれば車両に何かあれば日本戦車道連盟によって救助および回収される。
戦車自体も選手保護のため乗員室は連盟公認の装甲材で覆うだけでなく、車内は特殊なカーボンコーティングが施されておりおおむね安全である。
であるが、必ず安全とはいえないのは仕方がないことで救助が必要なら速い方がいいのは当然である。
それに、決勝戦当日はかなり天気が荒れていたようで落ちた先の川は増水と急な流れになっていたと聞く。
これだけを聞くとフラッグ車の戦車長の判断は必ず間違いとは言い切れないと思う、救助に向かった戦車長は安全なのかというのは置いておくが。
落下した車両の乗員は皆怪我もなく問題がなかったことのは喜ばしいこと、だがその結果負けた。
この試合の終わり方に黒森峰内だけでなく他の高校にも少ない影響があったとか、確かに試合中にフラッグ車から降りてる間に撃破だもんな……
ある意味、勝ち負け気にしてないとも思われる危険があるからなー
でも、私にとっては救助のため率先して動けることはいいことなので、その心は大事にしてほしいものだがそうもいかないのが現実。
試合後いろいろとあり結果的には救助された生徒は、ひとりを残し転校した。
そして……
私が知った時にはもう遅いと言っていい状況であった。
役人であり部外者であった私が口を出すなんておかしいが今回は下手したら悲惨な結果が生まれる可能性があったためケアが必要であった。
それに転校していった彼女達は黒森峰に入れて公式戦に出られる、つまり実力がありできれば戦車道から離れて欲しくなかったのも少しはある。
……おそらく戦車道から離れてると思うのは内緒だが。
黒森峰を離れた彼女達がどうなってるのか気になり転校先を調べた。
皆、戦車道から離れた生活しているが特に主だった問題なく過ごしているのが分かった。
戦車道に関しては仕方がないと思えも悲惨な結果にはなって無いこと知り安心した、一応何か起こった時のためにカウンセラーを手配をした。
唯一黒森峰に残った生徒はそのまま変わらずに戦車道を続けている。
その子と後に話しをする機会があった。
―副隊長が自分達にしてくれたことを誰にも否定させないため、それとまたいつか副隊長と戦車道をしたい―
戦車を整備していたのか汗や油で彼女は汚れてたが、笑みを浮かべそう話してくれたのを今でも覚えてる。
―
さて、ここまで話してどこに資料が役に立ったのかと思うだろう。
すでに落下した車両に乗っていた生徒達は転校し問題なく過ごしてる、もしかしてこの先に何か問題でも起こったのか?
残念ながらというのはおかしいがそう言ったことはなかった。
では何の問題で使ったのか、それは黒森峰にて副隊長を務めていた生徒である。
副隊長を務めていた、つまり過去形なのはは簡単で大会後に副隊長を辞したからだ。
決勝戦ではフラッグ車の戦車長であったこの生徒、救助にしたことは後悔しなかったがその事によって負けることになり連覇逃したのことには相当責任を感じた。
まだそれだけなら時間の流れで副隊長に救いがあったんだろうが追い打ちとなることが。
それは自分が救助した生徒の転校である。
あの時に落下したことが負けの原因との結論が黒森峰内にて出た。
それにより、落下した車両に乗っていた生徒と他の生徒と溝ができ周辺から冷たい目で見られることに。
あと、救助された生徒達は自分達のせいで負けた、連覇を逃がしたのは自分達がいたからと日々思いつめていた。
これから重なりあった結果、ひとりを残しての転校につながった。
連覇逃した責任と助けたはずのが結果的には助けることになってない、この事に副隊長は心が折れた。
副隊長を辞して戦車道からも離れるだけでなく黒森峰から去ることを決めた。
ちなみに副隊長であった生徒が助けた生徒達が転校したことを知った理由は、とある生徒の存在があった。
その生徒はクラスメイトで戦車道の仲間であってとても仲が良い子が、最近見かけず疑問に思い聞いたところその数日前に転校したことを知った。
仲がよかった子を助けたのに助けたことになったのか分からない終わりになり、なんと言うか現実は悲しいものだな。
さて、元副隊長の生徒は黒森峰から去ったのはいいがこのあとが大変だった。
黒森峰からこの生徒について相談したいと連絡があり、向こうの担当者を局まで呼んで話しあった。
ちなみにこの相談があったからこそ黒森峰騒動とも言えるこれを知ることができた。
話しあった結果、転校時期はせめて心の傷を癒してからとなり新年度前の春休みと決まった。
だがまだこのときは高校1年生の秋であった。
そして去る者を学園艦内に留めておくほど黒森峰はやさしくは無く、この生徒の仮の生活する場所をどうするかで時間がかかった。
黒森峰のある学園艦で無理なら実家に戻ればいいと思うだろう、だがそれは出来なかった。
黒森峰は西住流と深いかかわりがあると先に述べた、つまり黒森峰とは西住流ともある意味言える。
そして黒森峰から去った者は、西住流師範の娘であった。
あと、西住家特有と言うのか迷うが口下手であり言葉足りずなところがある。
西住家は両親に姉と妹の構成だが、父親と去ることになった妹はまだしも母親と姉は言葉が少なく誤解されやすい。
西住流師範である母親は特に少なく人によっては冷たく厳しい感じがするだろう。
私が局長なってからは当然だがその前から何度か会う機会があり、何度も話したことがある。
今となっては言葉少ないのに慣れて問題ないが、初対面時といった最初の頃は戸惑いさらっと確認したり先輩に不安な点を聞くなど慣れるのに苦労した。
あと、戦車道名門の師範らしく戦車道や西住流に関して特に厳しいものだ。
大会後にかなり厳しい口調で娘に対して叱責したと聞く。
これが原因か知らないが、一応元副隊長に実家に戻るのかと聞いたらかなりびくびくした様子で断った。
私が言うのもおかしいが厳しい言葉だけでなくフォローするような言葉もかけるべきでなかったものか。
元副隊長がどうなってるのか気になり一度、西住家にて師範である母親と話しをした時にそう聞いてみた。
少しは反省してるようで、どうしたら少しでも改善できるかと聞かれたがどう答えるべきかで困った。
困った末にもう少し言葉を増やしてはどうかと、厳しいだけでなくやさしい言葉もどうでしょうかと返すと少し視線を下げて。
「……そうか」
と……
ああ封印しなかった資料はこの西住家で話しをしていた時に母親に渡した。
とは言っても流石にそのままではいらない情報が多いためある程度整理したものであるが。
一般的に調べたら出てくる各高校の情報に加えて、戦車道に関わってるのかどうかや関わる可能性があるかどうかをまとめたもので転校先決めにどうぞと。
ちなみに、同じものを既に元副隊長には渡してはいた。
黒森峰から去った後、転校する春休みまでは熊本市内のホテルにて生活することに決まった彼女。
そのことを知った私は今どんな様子であるかと転校先に何か希望あるか気になり、彼女の母親に会う前に資料見せに会いに行った。
会った時のことはここでは触れないが、転校先は戦車道に関わりのないところがいいと。
彼女の母親もそれについては納得した、おそらくは希望通りになるだろう。
あと彼女のことが気になりその後にも何度か会いに行った、毎度年頃の娘さんが気にいりそうな御菓子を持って行ったため自分の財布が薄くなったのは内緒だ。
御菓子効果か知らないが今では楽しく話しが出来る、そして元気に過ごしてるのか気になってるいる某ふたりがいたのはここだけの話である。
ー
「……ん?入れ」
ちょっとした回想つもりが長くなっていたようだな。
扉をノックする音が聞こえ何事かと思い入るように声をかける、すると先ほどとは違う部下が手に数枚の紙を持って入ってくる。
「ん?それはなんだ何か頼んでいたものがあったか?」
「いえ、これらは大洗が出してきたものですよ。新年度から復活するなら遅くとも3月最初には出すように言ってたじゃないですか生徒会長さんに」
「……あー今、思い出したな。それを私に渡すということは問題はなかったのか」
「えぇ、後は局長が目を通して判子押すだけですよ。あと、局長が少し前に願っていた件も問題ないと連絡ありましたよ」
「ほう!ならばとっとと判子を押して会いに行かねばな。すまないが後で向こうに連絡頼めるか?」
「分かりました。では都合のいいのを聞いておきましょう」
「頼んだぞ。また何かあれば報告を」
部下が部屋から出てからそんなこんながあり今は夕方と夜の境目、日暮れ時と言えるだろうか?
私は今日すべき仕事が終わったので帰ることに、この時間でも残ってた複数の部下にはほどほどに帰るようにと言うと帰宅用意を始めた。
忘れ物は無いかと確認してるとふと疑問が浮かんだ。
それは。
「そう言えば、大洗に戦車なんて残っていたのか?」
流石に復活とする言って書類も揃えてきたんだ、きっとあるんだろうと自分を納得させる。
昔に大洗からが出した書類の中に戦車売買または破棄に関するものがあったが、その中に入ってなかった戦車がいくつかあったし……
「大丈夫だな。あぁ、きっとそうだな」
見上げし夜空、今日は珍しく綺麗に見えたな。
元副隊長の生徒も春休みには新しい寮に入るだろうな、この春休みがよき休みになりますように……
(こぼれ話)
黒森峰から去った後、熊本市内のホテルに過ごしていた元副隊長である彼女。
転校する春休みまでに何度も様子を見に行っていた局長であったが、先に出てきたように御菓子を毎度持っていった。
流石に個人の財布から出したものだが毎回どのような御菓子を持っていくのがいいのかかなり迷ったとのこと。
基本的にはスーパーで売っている物だがそれ以外にもあった。
そのなかには地方で有名なものが含まれていた。
流石に黒森峰にゆかりのあり機会が多かったと思えた九州からは選ばなかった。
とある日に持っていったアイスが好評だったため珍しく複数回持っていったことがあった。
そのアイスは茨城産の芋を使った物だった。
「そう言えば、茨城と言えば大洗があったな……」
「大洗……ですか?」
「あぁ、生徒数が減ってるが雰囲気は悪くはないな。過去は戦車道でそれなり有名だったんだがな」
「……大洗」
「ん?どうかしたのかね?持って来たアイスだめだったかね?」
「いえ!そんなことはないですよ。とてもおいしいですよ」
「そうか、ならよかった」
そんなこともあったかもしれないね。