東方十能力   作:nite

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百ニ話 軍団退治

近くで戦っている音が聞こえる。鬼たちか?そう言えば気絶する直前にお燐から呼ばれたような…

最近毎日戦い詰めだったツケが回ったか体は未だに怠く、起きたくない欲に駆られるが今はそれどころではない。

ゆっくりと目を開ける。すると目の前にこいしの顔が…

 

「あ!起きた!定晴ー良かったー」

 

そう言うとこいしは抱きついてきた。未だに痛い部分もあるからやめてほしいのだけど、抵抗する気力もないため放置だ。

近くにはお燐が立っていて、戦闘音がする方向を見ている。良かった。気絶する前に聞いた声は幻聴じゃなかった。お燐に戦況を聞いた方が良さそうだな。

 

「お燐。今の状況は?」

「取り敢えず連れてきた三人と鬼たちが前線で食い止めてる感じだね。今のところ戦線は動いてないよ」

 

どうやらこちら側と向こう側の戦力が拮抗しているようだ。こちらには勇儀もいるし地上から連れてきた人もいるから向こうは相当手練の集まりということだな。

 

「なら俺も行くよ」

「だめ!定晴はもう少し休んで!」

「俺はもう結構休んだ。魔力も霊力も回復してるし大丈夫だって」

「なら私も行く!」

 

俺が気絶して落ちていくのを見てトラウマにでもなったか?どうやら俺を相当心配しているらしい。まあこいしも連れていくという選択肢があるならそれを取ろう。お燐は戦闘に加わるつもりはないようで、ここからずっと行く末を見るようだ。

お燐にこいしのことを注意して見てくれと頼んで戦線へ。そこにはお燐が連れてきたのであろう地上の三人が戦っていた。

 

「お、定晴やっと起きたか」

「定晴さん。おはようございます」

「定晴様、容態は大丈夫でしょうか?」

 

魔理沙、妖夢、咲夜。この三人なら心強い戦力だ。

霊夢がいないのは博麗の巫女がいたら意味が無いからだろうか。お燐もあれで結構話は覚えていたようだ。

 

「ああ。大丈夫だ。俺も参戦する」

「よっしゃ!行くぞ、定晴!」

 

三人と俺、こいしをいれて五人で軍に向かって集中砲火。さすがのやつらもここまでの猛攻は予想していなかったか、どんどん落ちていく。

躱すことができないスペルが禁止なため一人一人の攻撃には穴がある。しかし五人もいればその穴は別のスペルにて無くなる。向こうからすれば壁と称しても問題ないような攻撃に見えていることだろう。

 

「こんなことが…許される筈が…」

「地上に侵攻した罰だぜ!喰らえ!恋符【マスタースパーク】!!」

 

リーダーに近づいての超近距離マスタースパーク。これは奴も防ぐことが出来ずになすすべなく落ちていく。

そして十分。軍団はそのほとんどが気絶、若しくは逃亡し壊滅した。

さて、取り敢えずの問題は解決した。大きな問題がまだ残っているが。

攻めてきたこいつらを説得し、今後地上侵略を行わないようにしなければいけない。そうでなければまたいつか同じようなことが起きる。

 

「お前たち!聞いてくれ!」

「なんだよ…殺すんならさっさと殺しやがれ」

 

皆妖力を使い果たしたか攻撃してくる気配はない。

鬼はまだ余力があるようだがリーダーが倒れた今傍観に徹するらしい。

 

「単刀直入に言う!地上に攻めてこないでくれ!お前たちが各々の理由で地上を嫌っているのは知っている!けど地上にもいいところがあるんだ!だから一度、侵攻ではなく観光として地上を見てくれはしないだろうか!それで満足出来ずに不満が残るやつもいるだろう!その時は俺が相手になってやる!」

 

声を張り上げ言いたいことを言う。

まずは奴らに地上も変わったことを伝えなければいけない。そのためにもまずは地上を自由に見てほしい。

後ろからお燐が地上との交流は…と言っているが、まあそこらへんは俺から紫に話そう。交渉が難しい部分もあるだろうが、まあその辺りは美味しいお菓子でも作ってなんとかしよう。

 

「こんだけ数がいたのに、たかだか数人の人間風情に壊滅させられちゃあ意味ねえわ」

「すまないな。にしてもなんで突然こんなことをしようと思ったんだ?」

「その話は明日する。一応俺がリーダーだからな。明日地霊殿に寄るよ」

「随分と聞き分けがいいな」

「かも…な…」

 

妙に元気がないリーダーの妖怪。何かあったのだろうか。

ともかく地上侵略する可能性は無くなった。これにて依頼達成だな。

 

侵略軍は各々自分の住処に帰っていった。そして俺たちも帰ることにしたのだが…

 

「定晴?地上に帰らないのか?」

「ああ、少し話し合うこともあるし地霊殿に荷物を置いてる。明日には帰るよ」

「えぇ!?」

 

そんなやり取りをしてからこいしの機嫌が悪い。というか不満そうなのである。

俺が依頼で地底に来ていることは最初に言ったろうに。何を今更になって不満そうにするのか。乙女心は全く分からない。

因みにチルノは魔理沙たちについて行かせた。どうやら地底の妖怪に冷気が効いたことが随分と気に入ったようで、こいしとは対照的にとてもご満悦な様子で帰っていった。今回チルノがいなければ人質すら助けられなかったこもしれないし、大活躍だったな。後日何か適当にお菓子をあげよう。

魔理沙は魔理沙で久々に大暴れしたと満足そうだったしよかった。咲夜に妖夢と仕事もあるだろうに来てくれたのだからこの三人にも後日お礼をしないとな。魔理沙はお菓子よりも俺が持ってる使わない道具とかをあげたほうが喜びそうだ。

こうして地底反乱は収束し、俺たちは地霊殿に帰るのだった。

 


 

「地底反乱、失敗しました」

「やはり地底の妖怪程度では影響すら与えられなかったか。まあいい、次の作戦に移るよ」

「了解しました」

 

 




次回、地底編終
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