東方十能力   作:nite

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すみません、完全に寝込みました。季節外れの病気って恐ろしいですね。


十二話 霧の湖にて

俺は今迷っている。幻想郷では大方が整備されていないので迷いやすいのだが、やはりここは極めつけだな。

かくいう俺は今霧の湖という所に来ているのだが、思いの外霧が濃かった。能力で風を起こして霧を晴らすのだが直ぐに元に戻ってしまうから、絶賛迷子中である。

この湖、遠くから見たらあまり大きく見えなかったんだけどなー。色々と考え事していると、横から声がした。

 

「そこにいるのはチルノちゃん?」

「ん?この声は確か…やっぱり大妖精か」

「あれ?定晴さんじゃないですか」

 

霧の奥から出てきたのは先日人里で会った大ちゃんこと大妖精である。チルノを探しているということは、もしかしてチルノとはぐれたのかな?こんなところではぐれてしまうと再開するのは至難の業のような気がするが…

 

「大ちゃんはチルノとはぐれたのか?」

「違います。今皆と隠れん坊しているんですよ」

 

皆ということは先日人里に来ていたあの集まりのことだろうか。

にしてもこの霧の中隠れん坊とか結構チャレンジャーだな。隠れることに徹したら延々と逃げ続けられそうだ。

 

「なあ大妖精、この近くにあるでっかい屋敷がどっちの方向にあるか知らないか?霧の中に入ったら見失ってしまったんだ」

「それなら向こうですよ。できるだけ真っ直ぐ進まないとまた迷ってしまうので気をつけてくださいね」

 

即答する大妖精。何も見ずに方向が分かるということは自分が今どっちを向いているのか常に把握できているのだろう。

 

「ありがとな、見つけられるといいな。それじゃ」

「はい、また」

 

俺は大妖精と別れる。

最初は屋敷から流れてくる力を頼りに進んでいたのだが、この霧には少しばかり妖力やら何やらがぐちゃぐちゃに混じっているらしく、途中で方向が分からなくなってしまう。

しかし、方向さえ分かればあとは進むだけである。正面に僅かに風を起こしながら、注意しつつ進む事にした。

 


 

意外にも、あの場所から近いところに在った。屋敷の近くにチルノと思われる後ろ姿を見たが今はどうでも良い。また大妖精に会うのは無理だし、俺が報告したところで面白くない。

さて、この屋敷の感想なのだが、これは…色を決めた人の趣味が悪い。大きいこともさることながらその全てを紅く塗っているのは些か目に悪い。時計塔や窓の縁も紅く塗っている。きっとここの主の好きな色なのだろうが、限度を知らないのだろうか。

俺は出来るだけ紅を目にいれないように、門に近づく。

流石大きい屋敷。大きな門の近く、そこには門番が居るのだが…

 

「zzz」

 

門番只今睡眠中。

そんな警備で大丈夫なのだろうか。別に無理に入ろうとか攻撃しようとかは思っていないが、いざという時に動けないのではなかろうか。仕方ないので起こそうとした時、突然門番の頭にナイフが刺さった。いや、実際には被っている帽子の真ん中にきれいに刺さった。でもその位置、確実に脳天入ってるよな…

起きた門番の隣にはメイド服を着た女性が立っていた。

 

「こら!美鈴、客の前で寝ていないの!」

「あうー、すみません」

「ああ…えっと…」

 

突然の事なので俺もびっくりしてしまう。瞬間移動かなにかだろうか。門番からは妖力を感じるのだが、メイドさんからは霊力を感じる。何故妖怪より人間の方が強いのだろうか。いや霊夢は弾幕ごっこなら敵無しというし、案外人間にも妖怪より強い存在というのはザラなのかもしれない。

 

「すみません、お見苦しいところを見せてしまって。紅魔館に御用でしょうか?」

「最近幻想郷に来たから挨拶に来ようと思って来たんだが…」

 

お隣というわけでもないし、というか距離的にはそれなりにあるので近場というわけでもないが、一応挨拶だ。大きな妖力の不安を早めに断っておきたいという意味も込めている。

 

「そうでしたか…私は十六夜咲夜と言います」

「私は紅美鈴です。この紅魔館の門番をしています」

「俺は堀内定晴と言う。宜しくな」

 

軽く自己紹介を終える。成る程、名前の通り真っ赤である。やはり何度見ても目に悪い。というか何度も見れないような紅さだ。住んでいたら慣れるものなのだろうか。

 

「ここの主に挨拶をしたいのだが…」

「ならこちらに…「ちょっと待って下さい!」…何よ美鈴」

「この人からとてつもない霊力を感じます。それに…魔力?妖力も感じます。只者じゃありません」

「そうなの?すみません、定晴様それってどういう事ですか?」

 

何故か美鈴の口調が強い。幻想郷には色々な力を同時に持っている人はいないのかな?だから俺のことが怪しいと…

 

「それは俺の能力が関係しているんだが…俺の中にある妖力も感じ取れるなんて流石だな」

「そういう能力なので…にしても、妖力を持っているなんておかしいです。能力だとしても、その力の量だと紅魔館も危険な可能性があります」

「ああ、そういうこと…」

 

少しずつ俺が怪しまれていってるような気がする。確かに霊力の他に妖力や魔力を持っているなんて人間としてはおかしいかもしれない。それにしても怪しみすぎではないだろうか。

 

「それならここを通す訳には行きませんね」

「はい!此処で引き返してもらいます!いえ…私と戦ってください!」

 

これでは戦闘になってしまう、どうにかして弁解せねば。だがどうも美鈴の様子がおかしいが…

 

「俺はここに被害を及ぼす気はない。だから通してくれ」

「ならば勝ってみてください!」

 

そのノリだと戦闘は必須っぽいな。あまり闘いはしたくない。此処で引き返しても良いのだが、誘われたのならこっちもきっちりやろうではないか。売られた喧嘩は買う主義なのだ。

なんだかんだ言って、結局俺は美鈴と闘う事となった。

 

「ねえ美鈴?もしかして戦いたかっただけってわけじゃないわよね?」

「へ?ま、まさかぁ〜」

 

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