東方十能力   作:nite

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戦闘描写キツイ…











十三話 彩虹の弾幕な風鈴

「宜しくお願いします!」

「ああ…」

 

美鈴が構える。名前が明らかに中国語の読み方だからだろうか、拳法のような構えを取る。中国拳法なのだろうか。

一方俺は、そんな大それたものなど習ったことないので立ったまま霊力を解放する。構えは元より型もない。

 

「やはり、異常なまでの霊力…」

「自分で鍛えたからな」

「弾幕ごっこでも良かったのですが、この際直接攻撃をしてもよろしいでしょうか?」

 

今の幻想郷ではあまり認められない直接攻撃。なんか喜々としている気がするし、美鈴は本当に俺と戦いたかっただけなのではと疑ってしまう。

外の世界では何度も直接対決をしてきた。というか弾幕ごっこという制度がなければ妖怪と人間の戦闘など直接な殴り合いにしかならない。

 

「特に問題ない」

「では…いざ、紅美鈴参ります!」

 

カラフルな弾幕が展開される。魔理沙のスペルと違ってとても綺麗だ。魔理沙には悪いが、美鈴の弾幕はカラフルなので魔理沙よりも見応えがある。勿論一つ一つは殺傷性のある攻撃なのだが。

美鈴はその隙にこちらに走ってきている。弾幕ごっこではないので殴り合いで決まることになる。

このまま接近戦はジリ貧となるので自分の場を用意する。その為にもまずは弾幕をどうにかしなければならない。直接な殴り合いとなっても飛び道具は有用なのである。

折角だし外の世界の漫画に出てきたネタを使って障壁を展開する。弾幕ごっこ用のスペルカードだが問題ないだろう。

 

巨壁【五十メートルの進撃の壁】

 

宣言の必要はないのでそのまま展開。大きな壁が出現して弾幕を全て受け止める。しかし一発の威力が高いのかあまり持ちなさそうだ。

しかも美鈴はその壁を避けて今も尚近付いてくる。妖怪相手に素手は厳しいので、俺の八つ目の力を使うこととする。

…身体強化。

名前の通り自分の身体能力を高くする力だ。ただその効果は生易しいものではない。

 

「はあ!」

 

美鈴が拳を繰り出す。

しかし俺はその拳を…

 

「ふんっ!」

 

見事に受け止める。完全に威力を殺して受け切ったのだ。

 

「まさか!?」

 

流石に美鈴も驚く。それもそのはずただの人間である俺が、素手で妖怪のパンチを止めたのだ。元来より妖怪というのは人間よりも腕力がある。原因は不明だが、人間の妖怪への考えがそう反映されているのだろう。

この力は正確にいうと鬼以上の力を出せるようになる。鬼の力があれば止めることなど容易だろう。

 

「ならば!せい!」

 

近距離で弾幕を撃たれた。なんというか殺しはしないけど気絶はさせるといった感じの威力だ。門番なのに寝ていたし実力はどんなもんかと思ったが、やはり武人であることには変わりない。むしろ寝ていても侵入者には気付くのかもしれない。

ここで俺は風と身体強化を使い素早く移動して美鈴の後ろに回り込む。

だが流石は近距離を得意とする武人だ。結構な速度にプラスして人が視認しにくいように移動したのだが反応されてしまう。

だが俺は武人ではなくただの人間だ。美鈴が構える前に輝剣を召喚し一気に横に薙ぎった。

 

剣術【一閃斬り】

 

「うわ!」

 

美鈴は吹き飛ばされて地面を転がる。防御していたので切り傷はないようだが、身体強化もかけたうえで全力で斬ったので衝撃は大きいだろう。

少々やりすぎてしまったと思い俺は美鈴の元に駆け寄り再生をかける。美鈴にあった擦り傷が直ぐに癒えた。

 

「うーん……はっ!」

「大丈夫か?」

 

頭を打ったのか少しだけ唸っていたがすぐに復活。耐久力や回復力では人間と妖怪には大きな差がある。

 

「私は…負けたんですね」

「すまないやり過ぎた」

 

美鈴の手を引き立ち上がらせる。

美鈴の手は女性らしいものではなく武道家らしい手で、今でもちゃんと鍛錬はしていることを暗に示していた。

 

「いえいえ、動揺して油断してました」

「お疲れさん美鈴」

「そちらこそ、定晴さん」

 

こうして俺と美鈴の闘いは終わった。中々の武人だったし、俺ももう一度相手をしたいところだ。

 

 

「傷を治してくれるって事は、貴方は悪い人では無さそうですね」

「最初からそう言ってたんだが」

 

まあいい。今更俺の言葉に意味がないことは俺が一番分かっている。アポなし突撃がまずかったのだ。

するとメイドが声をかけてきた。

 

「定晴様?」

「えっと…咲夜だっけか、どうした?」

「いえ、先程はあんな事を言ってしまいすみませんでした」

 

あんなこと?なんだっけ?

だがまあ何にせよ俺は気にしないから構わないが。

 

「気にしてないし良いよ」

「闘い中ずっと周囲に被害がでないようにしていました。なので貴方を信じてみることにしますね」

 

とりあえず入る事は許された。

なんともまあ目に悪い館へと俺は足を踏み入れた。

 

「本当に戦いたかっただけじゃないのよね?」

「まだ言うんですか。違いますって!」

 

 

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