東方十能力   作:nite

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百五十話 魔界の人形遣い

守矢神社へ向かった次の日。朝食を終えて特にすることもなくソファでこいしとトランプをしていた時のこと、俺は少し気になったことを思い出した。

 

「ルーミア、外の世界で水那たちと一緒に迷い込んだ世界のこと憶えてるか?」

「ええ、神綺とかいう人がいた場所でしょ?それがどうしたの?」

 

あの時俺が神綺にあの場所のことを聞いてもその時には教えてもらえなかった。後日紫か人形遣い、アリスにでも聞けと言われたわけだが…

紫は現在とても活動時間が短い。大体寝ているのが紫の冬の生活で当たり前のこととなっている。冬の間は紫の活動が少ないのは幻想郷の住民も知っていることだろう。

というわけで紫に訊くのは少々難しい。ということで…

 

「少し気になることがあるからアリスの所に行ってみようと思う。ルーミアたちはどうする?」

「うーん…定晴と遊びたいけど私はその迷い込んだ場所って知らないからなぁ~」

 

そう答えるのはこいし。

こいしは俺たちが外の世界で何をしていたのかも知らない筈だ。もしかしたら霊夢の所で水那が修行している姿を見て何が起きたのかはある程度察しているかもしれないけどな。

 

「じゃあ私と遊ぶ?ご主人様は人形遣いに話を聞いてきなさいよ。私は大まかな内容さえ知れればそれでいいわ」

「いいのか?」

「ええ、こいし、今日は紅魔館に行かない?」

「お!いいねー」

 

ルーミアの誘いにこいしも予定が決まったようだ。

であればルーミアにこいしの見守りも任せつつ、俺はアリスに話を聞きにいくとしよう。紅魔館であれば危険なこともないだろう。紅魔館の連中がフランの友人でもあるこいしを危険な目に合わせるようなことは許さない筈だしな。

 

「その前に定晴、カード引いて!」

 

現在俺とこいしはババ抜きをしていた。ルーミアは既にあがっている。

俺がカードを揃えることができれば勝ちという終盤である。二枚の内片方はババ、そして片方は俺が狙っているカード。

俺はカードを引いた…

 

「じゃあ行ってくる」

「「いってらっしゃーい」」

 

二人に見送られて家を出た。

罰ゲームとして二人にお菓子を買うことになったのは余談である。

 


 

アリスの家は魔法の森の中にある。といっても魔理沙よりも外に近い位置にあるのだが。アリスの家に魔法の森で迷った人が訪ねてくることもあるというし、一つの妖怪と人の間の壁になっているのかもしれない。

魔法の森は胞子だったり妖怪だったりの影響で人間に悪影響のある瘴気が出ている。俺の浄化能力があれば特段気にすることでもないのだが、瘴気のせいで若干見晴らしが悪い。それでもなんとかアリスの家に到着することができた。

ドアをノックする。すると中で音もせず扉が開いた。出迎えてくれたのは上海人形だ。

 

「ありがとな上海」

 

そして上海人形はふよふよ飛びながら奥へと飛んで行った。きっとその先にアリスがいるのだろう。

 

「いらっしゃい定晴さん。私の家に来るなんて珍しいけどどうしたのかしら?」

「ああ、実は気になった事があるからアリスに聞きに来たんだ」

 

上海人形が用意してくれたお茶の前に座る。

尚先程から上海人形が〜と言っているが、操っているのはアリスなので主語は正確に言えばアリスである。

俺の知り合いの人形遣いといえばアリスしか知らないけど、もしかしたら違う可能性もある。本題から入るのではなく少し探りとして質問してみるか。

 

「アリスは神綺って名前を聞いたことあるか?」

「ちょ、ちょっと待って?定晴さん、神綺様に会ったの?」

 

やはりアリスで間違いないようだ。それに神綺に様付け…紫と知り合いだったり俺も分からない力で状況把握をしたりと相当な人物だとは思ったが…どうやらアリスから様を付けられるほど位が高いようである。

アリスに聞けば分かるというのも本当のようである。ここはアリスがあの場所を知っているとして話を掘り下げてみるか。

 

「実は先日ちょっとしたトラブルで異界みたいなとこに辿り着いてな。そこで神綺っていう白い髪の女性に会ったんだ」

 

掻い摘んで説明をする。アリスに話す事はこれくらいしかない。

アリスはウンウン言いながら若干考えた後にあの場所を説明してくれた。

 

「そこは魔界ね。なんで魔界へのゲートが開いているのかは不明だけど。えっと…私が最初の自己紹介で言ったでしょ、あの魔界よ」

 

そう言えばアリスは魔界人だとかなんだとか言っていたな。当時は魔界というのだからもっとおどろおどろしい世界かと思ったが、箱を開けてみれば理解できない物質と理解できない世界が広がる全くの別世界であることが分かった。

俺は研究者ではないので未知の物質だからと言って何かをするわけでもないが、魔界にはもう一度行ってみたいと思う。紫のスキマも自由に使えるようだし、魔物みたいなやつは見た感じいなかったから大丈夫だろう。

 

「それにしても…神綺様ってあまり人間と関わらないのだけど…でもまあ散歩中の気紛れなら何でもありか…」

「そうそう、その神綺って何者なんだ?どうも紫と同等くらいのように思えるんだが…」

 

そもそも紫と個人的な付き合いがある時点で只者ではない。俺や魔理沙のような軽い友人としての付き合いがある者もいるが、幽々子しかり霊夢しかり大体が幻想郷の主要メンバーなのである。

そしてアリスから返ってきた答えは…

 

「えっと…あの世界の創造神?みたいな」

 

創造神だった。

確かにそれならあの世界で自由に人を眠らせたりすることも簡単なのだろう。そうなると俺あっちと神綺が遭遇したのも案外偶然ではなく神綺が気になって見に来ただけなのかもしれない。

ついでに言うと紫と知り合いなのも頷ける。あそこが幻想郷なのかどうかは謎だが、月も幻想郷ではないが月の民の知り合いが紫もいる。特殊な力…特殊な世界…そういった所は全て紫も見て回ってきたのだろう。紫のスキマが開けない所などそうそうない。

 

「私は幼少の頃魔界で過ごしてたけど、一応人間…元人間よ。今は区分だとパチュリーと同じ魔女になるけど」

「なるほどな。魔界ってのもまた行ってみたいものだ」

「なら…いえ、やめといた方がいいわね。霊夢に怒られるわよ」

 

何故霊夢に怒られるのだろう。やはり幻想郷と何かしら関連がありそうだ。

冥界やら彼岸やらも特殊な結界で分かたれているし、もしかしたら魔界もどこかに入口があるのかもしれない。少なくとも霊夢は魔界について知っているようだ。後で怒られない程度に話を聞いてみよう。

その後は魔界のちょっとした話をした。パチュリーに俺が魔術を習っていると話したらアリスもある程度興味がわいたらしく魔術についての話をした。

 


 

「ただいまー」

 

日が傾いてそろそろ夕飯の支度をしようと思って帰ってきた。

 

「「「おかえりー」」」

 

すると奥から三人の返答が…三人?

ルーミアとこいしは帰ってきているのだろう。二人もある程度の力があるから大丈夫だとは思っているけど、出来るだけ暗くなる前に帰ってきてほしいとは言ってある。

ではもう一人は誰かというと…

 

「こんばんは!お兄様!」

 

今日二人が遊びに行ったであろう紅魔館の主の妹、フランドール・スカーレットだった。




書いてる途中でこれが150話なのに気が付きました。軽く流しかけました…
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