東方十能力   作:nite

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百六十五話 その頃霊夢は…

定晴さんたちが妖怪の山に行ったので私と水那は人里周辺を探ることにした。

博麗の巫女という立場からしても妖怪の山を見回るより人里を見回る方がよいのでこちらの方が都合がよかった。定晴さんがそこまで考えていたのかは知らないけど。なんとなく適当に決めてた気がする。

人里というというと幻想郷では慧音が守護しているここしかないわけだが、だからと言ってとても大きい町となっているわけではない。規模からしても村の域を抜けないだろう。勿論幻想郷に住む殆どの人間を囲んでいるので小さいというわけでもないのだが。

水那は左回りで、私は右回りに人里の周囲をグルっと回る。また水那に気絶されても困るので水那には気絶等何かあったら分かるようなお札を持たせている。一応私も持っているけど…使う事はないだろう。

水那は博麗の巫女としてはそれなりに素質があったのだと思う。空を飛ぶ練習も何度かしただけで飛べるようになったのだから相当だ。まだ私ほど早く飛ぶことはできないが、その私も魔理沙には飛行速度で若干の遅れを取っているのだからそこは私はあまり気にしていない。結局どれだけ早く飛べたところで紫のようにそもそも飛んで移動する必要が無い場合や、三途の川の死神のように距離を操る場合は関係無いからだ。弾幕ごっこでも早い移動よりも繊細な動きの方が戦いやすいので私は水那にそっち方面で教えている。面倒だから大体は自主練に任せているのだけどね。

 

「とあああああ!」

「きゃあ!?」

 

何かが横からぶつかってきた。

いや、何かではない。昔から腐れ縁となっている魔理沙だ。

 

「よう霊夢!何してるんだ」

「そっちこそ何してるのよ!わざわざぶつかってこなくてもいいじゃない!というかあんた親との色々の影響で人里には来ないんじゃなかったの?」

「何となくこの魔理沙探偵の勘が働いたんだ。面白いことが起きてるってな!」

 

ということは魔理沙は黒病のことを知らずに勘だけで私のところを探し当てたのだろう。どれだけ魔理沙の勘というのが当たるのかは知らないけど、面白いことが起きそうという予感で私のところに来たということは定晴さんの方は外れということになる。

 

「あんた、黒病って知ってる?」

「なんだそれ?甘いやつか?」

「それは黒糖!はぁ、大雑把に説明するとね…」

 

軽く説明した。魔理沙は商売敵ではあるが、まあまだ許せる範囲だ。なんせ教えなくても結局魔理沙は首を突っ込んでくるのは分かり切っているから。どちらかと言えばここで魔理沙を振り切る方が面倒である。

 

「ほうほう…それでその妖怪破裂事件の犯人がここらへんにいるんだな!?」

「いる可能性があるってだけよ。そもそも犯人がいるのかどうかも定かではないんだから本当にバラバラな妖怪、若しくは同一個体の妖怪が破裂して迷惑を掛けている可能性もあるんだから」

「どのみちそれが黒病と繋がってるんだな!」

 

魔理沙は断言するが、何となく直結ではない気がする。妖怪達の妖力が乱れているのは確かにこの妖怪破裂が原因な気がするけど、そもそも黒の原因にならない。

 

「なら私も手伝うぜ!…って犯人がどんな形状か分かるのか?」

 

それも問題だ。まあ私も魔理沙も今までの異変では手あたり次第に弾幕ごっこで倒す戦法を取ってきた。

 

「いつも通りよ」

「よっしゃ。手あたり次第だな!」

 

それだけで伝わってしまうのが私と魔理沙の腐れ縁の証拠だろう。純粋に今まで場数を多く踏んできたというのもあるだろうけど。

レミリアの異変に始まり定晴さんが来る前に起きた隠岐奈の異変まで。春に起きた惰眠異変では私が惰眠を貪っていたらいつの間にか終わっていたので私は関わっていない。私はあまり困ってなかったから動かなかったのだけど、そのあと華扇に怒られた。

あと私は知らないのだけど地底でも定晴さんは何か巻き込まれてたらしい。なぜ私じゃなくて定晴さんなのかを事後に訊いたのだけど紫は博麗の巫女だとだめだからと言っていた。正直なところ意味が分からない。

 

「んー、じゃあ霊夢。あいつはどうだ」

 

そう言って魔理沙が指さしたのは森の中で妖怪に術のようなものをかけている…って

 

「絶対あいつじゃん!」

「何!?私が先に仕留めるぜ!」

 

魔理沙がスタートダッシュを決めた。先ほど早くても意味はないと言ったが、異変解決競争という面ではその意味も全然ありそうである。

 

彗星【ブレイジングスター】ああああ!」

 

スペルカードを宣言しながらの突撃。弾幕ごっこは一応決闘なのだけど…まあ異変の犯人に奇襲もなにもないか。

ただ奇襲という意味なら魔理沙のは完全に悪手である。なんせ叫んでいるせいですぐに気づかれて…ほら気付かれた。せめてもっと近づいてから宣言しなさいよと思うけど後の祭りである。余裕をもってそいつには避けられた。

 

「…博麗の巫女と白黒魔法使い。異変解決のプロフェッショナルが二人とも揃っているとは僕も中々運が悪い」

 

そういうと犯人は先程まで術をかけていた妖怪に手のひらを向けた。

何をしているのかもわからないけど、勘で咄嗟に魔理沙と妖怪の間に結界を張った。その瞬間…妖怪が破裂した。

 

「あらら、博麗の巫女の勘というやつかな。うーむ、ゲームでも思っていたけどやはり勘ってのは怖いね」

 

ゲーム?何を言っているのだろうか。

取り敢えずこいつが妖怪破裂の犯人であることは分かった。となれば…弾幕ごっこで倒すのみ!

 

「魔理沙、さっきの破裂に気を付けながらやるわよ!」

「了解!」

 

突然異変の犯人と対戦が始まった。

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