東方十能力   作:nite

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そもそもこの小説は不定期投稿なので土日に投稿しなくてもよくねという開き直り(すみませんでした)


百九十六話 好きだから

鈴仙の案内で竹林から出た俺とルーミアは三途の川に向かって歩いていた。

竹林を歩く最中にてゐ率いる因幡集団がイタズラを仕掛けてきたので返り討ちにした。どうやら洗脳されて襲ってきたわけではなく普通にてゐが発案したイタズラ作戦だったらしく、洗脳されてるのかと思っていつも以上に強く吹き飛ばしてしまったのは反省。迷いの竹林には洗脳効果が効いていないようである。永琳がなにか手を打ったのだろうか。それとも元々迷いの竹林がそういう場所なのか。

定かなことでは分からないが、迷いの竹林内部は現状において俺とルーミアにとっては安全圏ということになる。

さて、そんなこんなで俺とルーミアは安全な場所を発見することができたわけだが、まずは不動の居場所を見つけることが先決だ。

未だにあいつの能力はわかっていない。ただどうやら見ている限りでは相手に影響を大きく及ぼすことができるものらしい。昔ルーミアが暴走した時に俺の腕を吹き飛ばしたあの謎の力。あれを何とかしなければ発見することができても相手を倒すことは難しいだろう。

 

「ルーミア、また妖精だ」

「はぁ…」

 

そんなことを考えていたら襲撃。

どういうわけか、今このあたりに妖精が多く集まっているらしい。イタズラ妖精っていつも攻撃してくるので、これが洗脳によるものなのか自分の意思でやっているのか…ただなんとなくいつもより威力が高いような気がしなくもない。

妖精は消えたとしても一回休みになるだけでしばらくすれば復活するから手加減する必要がなくて楽なのだが、こうも数が多いと俺には面倒だ。しかし…

 

「せいっ!」

 

ルーミアが妖力を高めて腕を一振り。それだけで闇が形となって妖精を襲い、一瞬ですべてを消し飛ばした。

現在のルーミアは半覚醒状態だ。どういうことかというと、ルーミアの力を抑制するための式神リボンを軽く解いた状態で身につけているのだ。それで何が変わるのかと思ったのだが、永琳曰く形というのもその影響に大きく関わるものだから何かしら変化があるだろうとのこと。あまりそういった概念的な部分は理解できていない事も多い。

 

「てやっ!ふぅ…」

 

まあそんな感じで俺もよくわからないままリボンを解いた状態で身につけたらルーミアは半覚醒状態となったのだ。見た目は子供の姿そのままに、ある程度闇を実体として操ることができるようになっている。

というのも、どうやらルーミアは俺の知らないところで何気に特訓をしていたようである。いつの間に…と思ったが、その結果が今の高精度な闇操作に表れているいるのだから凄いものだ。

 

「大丈夫かルーミア」

「前にも言ったと思うけど、この姿は燃費がいいの。ご主人様はもしもの時のために力を温存しといて」

 

不動の能力が分かってない以上、戦闘になったら無効化を連発することになるかもしれない。そうなれば生半可な霊力ではすぐに枯渇してしまい殺されてしまう。対策を…

 

「っ!はぁ!」

 

ルーミアが咄嗟に周囲を闇で吹き飛ばした。

 

「毒よ!」

 

ほう、毒か。毒相手だとルーミアは辛いかもしれない。俺に毒は効かないし、ちょっとばかし俺が戦闘をするか。

茂みの中から出てきたのはメディスン・メランコリー。前に幽香の家で見かけた妖怪だな。毒を操る能力か、それとも元来持っているものか分からないが、毒というものは俺に一切の影響を与えない。

俺は輝剣を召喚しメディスンに向かって飛ばした。しかしメディスンが躱し続けので中々当たらない。結構身のこなしが軽く、この距離では避けられてしまう。近付くとメディスンは距離をとり、常に一定の距離を保つように飛んでいる。

この周囲には幽香の育てている花があるので大規模な攻撃をすることはできない。厄介なことにメディスンは花のすぐ近くばかり飛んでいるので魔術なんて撃てばすぐに花を巻き込んでしまう。俺が派手に攻撃できないのを分かってそこを飛んでいるのならば質が悪い。

 

「せい!」

 

ルーミアも毒の影響外から攻撃するが、やはり距離があるため避けられてしまう。どうしたものか…

と、その瞬間メディスンは極太レーザーに飲み込まれてどこかに吹き飛んでしまった。これは…魔理沙のマスタースパーク?だがその割には攻撃が繊細で、花には傷一つついていない。

 

「定晴!」

 

俺がレーザーの発射された方向を見ると、そこには幽香がいた。幽香もマスタースパークを使えたのだろうか。

 

「あー…よう、幽香」

 

あの宴会以降初めて顔を合わせたので若干気まずい。

というか幽香は洗脳されていないのか?気配や雰囲気はこちらに有効的で目も虚ろというほどではない。しかしそれでも目には濁りがありいつもの凛とした目つきはしていない。

 

「うっ…」

 

そこで幽香がへたり込んだ。どこか苦しそうである。

 

「大丈…「来ないで定晴!」…」

「なぜか知らないけど今の私、とても人間が憎いの…それでも私、貴方のことが好きだから…だから見逃してあげるから早く行きなさい」

 

これまた不動の仕業だろう。

俺は周囲に気をつけつつ幽香と距離をとり三途の川方面へと向かった。最後にちょっとだけ振り向いて…

 

「また来るからな」

「ええ、その時は返事もお願いね?」

 

辛そうに、それでも笑顔な幽香に別れを告げる。

 


 

「ご主人様、さっきのは確実に不動の影響よ。私が暴走したときも人間がわけもなく憎くなったから」

「…不動の能力は憎ませること…?」

 

だが俺の腕を吹き飛ばしたりなんだりの説明がつかない。俺のようにいくつかの力に派生していたりするのだろうか。

そんなことを考えていたら三途の川へ到着した。

 

「なんだこれ!?」

 

そこでは、妖怪たちが魂を襲っていた。

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