東方十能力   作:nite

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十九話 幻想郷上空にて

「寒い…」

 

俺は今ある場所を探して幻想郷の空を飛んでいる。

魔理沙に言われて能力の練習をして風の荒れはある程度直せたのだが、風の荒れが無くとも標高が高い場所だと自然の風が当たって寒いのだ。

幻想郷は日本内、東側に存在する。詳しい場所は®†£®[]5*¡:にある…とまあこのように紫の検閲があるので伝えることが出来ないが、ともかく幻想郷の冬は比較的寒い。

 

「ん?」

 

ふと、遠くの方で楽器の音が聴こえた。

幻想郷にも楽器が有った事にも驚きだが、それを弾くことが出来る人が居たことにも同様に驚く。どうやらトランペット、ピアノ、バイオリンの三種類による演奏のようだが姿が見えない。

さてさて折角なので演奏しているその張本人を探してみる。妖力だとか霊力だとかでは、幻想郷には色んな力が混在しているのであまり当てになら無い。

 

「あ、居た」

 

確かに向こうの方を飛んでいるのは見つけた。三人組で固まって飛んでいる。だがまあ空を飛んでいること自体は幻想郷では不思議ではない。妙なのはその演奏方法だ。

しかしそいつらは楽器に手を触れていない。アリスも人形を魔法で操っていたから同じ様な物なのだろうか。

 

「おーい!」

 

こっちから声を掛けてみるが返事はない。まあそりゃ楽器の音で聞こえないだろう。もう少し近くに行かなければ声すらも届かないだろう。

勿論そいつらに興味があるので挨拶に行く。幻想郷において友好関係は大事だからな。人間だろうと妖怪だろうと、それなりの友好関係があれば幻想郷で生きて行くのに困らない。

 

「おーいそこの人達ー」

「ん?誰かしら?」

 

結構近付いてやっと一人に気がついてもらえた。

 

「最近幻想郷に来たんだが、堀内定晴という。あんたらは楽団か?」

「へー、私はルナサ・プリズムリバーって言ってね、姉妹でプリズムリバー楽団として演奏しているんだよ」

「私がメルランで、こっちがリリカよ」

 

やはり楽団であったか。キーボード、トランペット、バイオリン…中々面白い組み合わせだ。しかし先程から曲を聴いているとどうも気分がおかしくなるように思えるのは気のせいだろうか。

ともあれ折角会えたので俺が訊きたかったことを尋ねる。

 

「三人とも宜しくな。早速なのだがある場所を知りたくてね」

「幻想郷の色んな所で演奏してるから道案内は得意よ。どこかしら?」

「冥界って言うところなんだが…」

 

冥界…

それは死んだ者が行き着くとされている場所で、紫によると今は紫の友達が管理をしているらしい。

普通は死ななければ行くことが出来ない場所なのだが、流石は何でもござれの幻想郷。どうやら結界さえ越えれば簡単に行くことが出来るらしい。

ただし普通の人は気分が悪くなる場所だから気を付けた方がいいとのこと。死後の世界というのに興味があるし、紫の友達にも会ってみたい。なので今日は冥界へと向かっていたのであった。

 

「偶然ね、冥界なら私達も今から行くところなの。一緒に来る?」

「本当か!ありがたい」

 

どうやら今日の俺は運がいいようである。にしても冥界でも演奏するなんて、彼女たちは本当にどこででも演奏するようだ。

俺がお礼を言うと、ルナサから注意がはいった。

 

「ただあまり生者にはオススメしないわよ」

「そんなのは百も承知だ。そういうお前たちは大丈夫なのか?」

「私達はポルターガイスト、騒霊だから大丈夫なの。既に死んでいるようなものだからね」

 

なんと反応していいか分からないことを言われる。幻想郷には彼岸なんてのもあるらしいし、死の境目が分かりにくくなっているのか朗らかに死んでいることを教えてきた。

 

「そうか、とりあえず道案内頼めるか?」

「ええ、任せときなさい!」

 

俺はルナサ達についていく。移動する間も楽器を弾くのをやめない。どうやら楽器に触れないからか、移動しながらでもちゃんと演奏が出来るようである。

暫くすると大きな結界が見えてくる。

 

「これ…あまり結界の役割してなくないか?随分綻んでて結界が強く機能してないぞ?」

「前に春が来ないっていう異変が起きたときに、一度ここの結界が緩んでね。博麗の巫女や紅魔館のメイド、白黒魔法使いがこの結界を通っていったんだけど、異変が終わった後も賢者様は結界を組み直さずに放置した結果なの。私達も通りやすいから助かってるんだけどさ」

 

そんな適当でいいのかと思うが、紫も冥界の管理人も気にしていないのであればさしもの大きな問題というのは起きていないのだろう。現世と冥界の境があやふやに…と書くと大問題のように見えるが、実際のところ困ったことは起きていない。

 

「じゃあ元々は通れなかったのか?」

「実は上の方に結界の端があってそこを越えていけば行けたのよ。まあ結構高い場所にあるんだけどね」

「そんなものなのか」

 

結構適当な扱いに紫の考え方がよく分からなくなったところで俺達は結界を越えた。紫に聞こうにもこの季節は体質なのか眠っていることが多くて会うことが難しいのだ。

結界を越えて五分程度したらだんだん肌寒くなってきた。そして目の前には…

 

博麗神社より長い階段があった




定晴「また階段か…鬼畜かよ」
ルナサ「飛んでけば楽でしょ」
定晴「飛んでも遠いだろ」
リリカ「いつもここを私達は通って行ってるのよ?」
定晴( ;´・ω・`)
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