東方十能力   作:nite

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筆がのってきました
話数カウントが200になりました(投稿数でいうなら既に越えてる)


二百話 a2…聖域結界

「…」

「ご主人様?どうしたのよ」

「いや、なんでもない」

 

俺とルーミアは天子と協力することが出来たので博麗神社へと向かっていた。もし霊夢も洗脳されていたら…とても悲しいことではあるが気絶でもしてもらうしかない。

 

「未だに洗脳条件、ってのが分からないんだよなぁ…」

 

映姫や小町は超越的な存在だからまあ分かる。幽香は洗脳されつつも自らの中から湧き上がるものを抑え込んでいた。永琳は…あいつはなんで初期から洗脳されていなかったのか、それは永遠亭のある迷いの竹林の中には洗脳の効果がいかないから。

ただ竹林の中に効果がなかったのが距離的なものか、術式的なものか、それとも純粋に不動の力不足なのかは分からない。分からないことだらけでまともに行動ができない。

 

「…」

 

博麗神社の姿が見えた。

博麗神社は幻想郷の要であり、その巫女である霊夢もまた重要人物とされている。もし霊夢も洗脳されていたら…幻想郷が危うい可能性もある。

俺とルーミアは鳥居の下に降り立った。その瞬間に分かった…空気が違う。

殺気などではない。むしろとても清廉で、俺の浄化の力をも超えているかもしれない。まさかこれを霊夢が…?

 

「ルーミア、大丈夫か?」

「え、ええ。なんだかよくわからないけど…特に不快感もないわ。ご主人様の力のおかげかしら」

 

ルーミアには現在も俺の力が流れている。ルーミアの力も俺に流れているのでお互い様のような関係だが、俺の力がルーミアに与えるであろう効果は大きい。まず第一に浄化の力は既にルーミアには効かなくなっている。この聖域と化している境内に入ってもなんら問題なさそうなのがそれを証明している。

紫と式神である藍が紫のスキマ能力を使用することができることから察するに、もっと長い間ルーミアと主従関係を結んでいれば俺の幻空の能力も使えるようになるのだろう。俺が生きている百年程度でそれが起きるのかは不明だが。

閑話休題

 

「よし、行くぞ」

 

この結界は何に対するものなのか。そして霊夢は無事なのか。確かめなければいけない。

俺はいつも霊夢が生活に使っている縁側へと回り込んだ。やはりここにも結界が張られており、大妖怪であろうとここを何事もなく通ることはできないだろう。ルーミアを除いてな。

障子は閉まっているが、中からは霊力を感じるので霊夢はこの中にいるのだろう。俺は障子に手をかけて一気に開け放った。その瞬間乱れうちされる弾幕…これ結構威力高いぞ!?

ここまで高度な結界を狭い範囲で張られていては俺程度だとその中で結界を張ることができないので輝剣を召喚して弾をはじきながら後退。

 

「霊夢!俺だって!」

「……なんだ。攻撃して損したわ」

 

そこにはいつもと変わらない様子の霊夢がいた。目は濁っておらず、むしろ結界の効果かとても澄んでいる。いや、目だけではない。霊夢のその存在自体がどうにもここにいるようでいないようにも感じる。別次元に存在しているかのような、そんな感覚だ。

 

「あら?なんで闇妖怪がここに入れているのよ」

「多分定晴の影響よ」

「あっそ。別にいいけどね。入って頂戴」

 

霊夢に促されて俺たちは居間へと入った。

座布団の上に座り霊夢が持ってきたお茶を飲む。そういえば今日全然飲食をしていないな。

霊夢も座りこちらを見る。早く事情を言えとばかりの表情だ。霊夢に機嫌を損ねられても困るのでさっさと説明してしまう。

数分後、俺の話を聞いた霊夢は妙に納得したような顔をしていた。

 

「なるほどね~。私、朝から悪い予感がしてこの結界を張ってたのよ。そのおかげでその洗脳とやらにもかかっていないんでしょうね。まあもしかしたら元々洗脳状態だったけど結界で払われたというだけなのかもしれないけど」

 

やはり霊夢は洗脳されていなかった。これはとても大きな進歩だ。天子がどうなっているのかはわからないが、協力者は増えれば増えるほど良い。特に霊夢は幻想郷でも大きな役割を持っているので人間と妖怪の調停者として最適だ。

 

「なあこの結界は何なんだ?」

「そうねぇ…簡単に言うなら私の能力をフルに使った究極の邪気払いかしらね」

 

霊夢の能力といえば【空を飛ぶ程度の能力】だ。しかしそれとこれにどういう関係があるのか…

 

「今の私は他の存在から飛んでいる、要は他者の影響を受けないのよ。私の空を飛ぶってのはただ単に飛行するだけの能力じゃないのよ?」

 

俺は一番最初、幻想郷に来てすぐに霊夢から能力を聞いてそこまで強力なものではないと考察した。概念に対して飛ぶことができるのであればそれこそ俺や紫でも止めれないと。だが実際にそうだったようだ。多分今の霊夢に攻撃をしてもダメージを受けないのだろう。弾幕ごっこでは有利すぎるのでスペルカードで宣言するときは数秒に留めているらしいが。

 

「にしてもあの男、またちょっかいを出しに来たのね。洗脳だなんて人間と妖怪のバランスを崩すつもりなのかしら」

 

幻想郷の力のバランスは絶妙に成り立っている。一人の人間が多数の妖怪を操ることができればその瞬間その均衡は崩れることになるだろう。不動の目的は幻想郷の破壊ではなく俺への復讐だろうが。

そういえば動機も未だに分からない。俺が分からないことに対しても不動は苛立っていたように思えるが…

 

「まあいいわ。状況が分かれば手の打ちようはある。一先ずは永遠亭にでも向かえばいいのかしら」

「そうだな。もしかしたら薬とやらも完成しているかもしれない」

 

霊夢は聖域結界(勝手にそう名付けた)を解除して空に飛び立った。俺とルーミアもそれに追従する。




霊夢「そういえばあんたに浄化効かなかったらどうすればいいのよ」
ルーミア「暴れないわよ」
霊「分からないじゃない。まあ今の所はあんたの主に縛らせればいいのだろうけど」
ル「…その時はよろしくね、定晴」
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