東方十能力   作:nite

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お詫びの二話目です。


二十二話 時空神

「ここか?」

「ええ、その筈なんだけど…」

 

紫に案内されるままスキマを通り、俺達は森の中に立っている。

 

『おい定晴』

『狂気どうした?』

『後ろだ!』

「!?」

 

突如後ろから流れてくる神力。この神力はどう考えてもあいつの…いや、今はまず…

 

「くそが!【全方位結界】!」

 

何故ここで俺が後ろではなく周囲に結界を張るのか、それは今までの勘とわずかな殺気を感じてからのことだった。

 

合作【パーフェクトスパーク】

 

周囲に魔方陣が現れるのも束の間。魔理沙のマスタースパークのようなビームが一斉に俺を撃つ。威力もさることながら、その密度が高い。弾幕ごっこであれば回避不可能としてルール違反となってしまうだろう。

 

「流石だなー、俺の事をよく分かってる」

「おいおい、最近見なかったけどどこに居たんだ?」

「ちょっと面白い時空があったから遊んでた」

 

からからと笑いながらこちらに歩いてくる一つの影。俺も紫も警戒しながら奴が出てくるのを待つ。下手に動くと的にされるのを分かっているのだ。

 

「久し振りだな、定晴」

「お前もな、ミキ」

 

そこには何ら変わらない人間の姿の俺の友人が立っていた。身長は俺と同じくらいの黒髪。白いフードを被り、見えにくいが背中には二本の剣を装備していることだろう。

 

「ちょっと!突然攻撃なんて酷いじゃない!」

「まあまあそんな怒るなよ紫。ここに定晴を連れてきたのはお前だろ?それくらいは感知しておくべきだよなぁ?」

 

こいつの名前はミキ。俺の友人で人間だ。しかし、色々とあったらしく転生のようなものをして今は神。しかも全時空を纏めることが出来るという時空神である。因みに頑張れば…頑張らなくとも一瞬で地球が滅ぶ力を持っているらしい。

最初はミキの方から接触してきた。ミキが俺に会いにきたのは、東京で珍しい力を感じたからだという。紫と会った理由がこいつの紹介だから、この三人は意外に昔からの知り合いだ。

ミキはこの世界の出身ではなく、どこかの並行世界の人間だ。そのため俺や紫ではそう易易と居場所を発見することが出来ないのでいつ来るのか分かったものではない。

 

「何しに来た?」

「暇だから遊びに来た」

「お前の原動力は暇か?」

「ああそうだよ」

 

こいつが暇しているのは分かった。こいつが幻想郷で面倒を起こした場合は俺と紫が対応することになるのでさっさと仕事作って帰ってもらいたいところだが…

 

「定晴の家に連れてってくれない?」

「何で?」

「お前で暇潰しするために決まっているだろ?何を聞いているんだ」

 

なんか鼻で嗤われた。まあ暫くは家にいないし、別に良いけど。何日もここに滞在するなら俺も奥の手を使って追い出す他ない。

 

「じゃあ連れてってやる」

「よっしゃ!」

「はぁ…」

 

俺の生活がこいつのせいで十割増しで五月蝿くなる。ミキの家は元々別時空にあるため来るのはたまにだろうが。

 

「この世界のルールは分かっているのか?」

「ああ、さっき氷精と魔女が闘っているのを見たからな。ある程度は紫から話も聞いてる」

 

それってチルノと魔理沙じゃないだろうか。ミキの弾幕がどんなものなのか、気になるところではあるが今はそれは置いておいて…

 

「問題を起こすなよ」

「問題を起こしたら俺が他の仲間から叩かれる。精神的に」

 

実はこいつ、意外にも結婚をしているという。ミキと年齢はさほど変わらない魔法使いらしい。なんだかんだ言って頼れる存在ではあるので、そういうところに惹かれたのだろう。

他にも仲間がいるようなので、この事はそいつらに任せよう。

 


 

「着いたぞ」

「向こうのやつを持ってきたのか」

 

ミキが俺の家を見ながら呟く。向こうとは外の世界のことだ。わざわざ外の世界に置きっぱなしにするのも気が引けたのでそのまま持ってきたのだ。持ち家なので権利問題は発生していない。

 

「住み慣れている方が良いからな」

「じゃあここをポイントにしたから、今日はもう帰るわ。どっかで遊びに来るからな」

 

ポイントとは、ミキが時空移動するときのチェックポイントみたいなものだ。時空神とはいえ、どんなところでも移動できるというわけではなく知らない土地の場合はこのようにポイントを設定しないと移動出来ないらしい。

無理に移動すると座標がズレたり体がズレたり世界がズレたりするらしい。ぶっちゃけよく分からないけど。

 

「そんじゃ」

「ああ、じゃあな」

 

また俺の生活を五月蝿くするやつが増えて今日は終わった。

あまり有意義と言えないが、いつ来るのか不安要素を残しておくよりもいいだろう。幻想郷にとって敵でも味方でもないのだ。面倒事を残しておく必要はない。

 

 

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