東方十能力   作:nite

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二百三十六話 式神召喚

紙から光が放出され、収束。その光の中から現れたのは俺の式神であるルーミアだ。リボンを付けたままの少女の姿である。

周囲をキョロキョロと見まわしたあと俺の方に向き直った。

 

「ご主人様、何の用かしら?」

 

一々確認するくらいなら普通に名前で呼んでくれていいのにと思うがルーミア自身が望んでやっていることなので言わないでおく。

 

「実は異常事態が発生していてな。目下だと霊夢が消えた。その捜索と魔理沙との合流をする」

 

ルーミアに簡潔に事情を説明する。また俺が変なことに巻き込まれたと呆れられたが、別に俺は何も悪くなかろう。俺としては霊夢を置き去りにした挙句霊夢が消えたとなれば依頼された側として大問題なので気が気でないのうえ、霊夢のことだから最終的にただ働きにされそうで怖い。

 

「私は何をすればいい?」

「ここは随分と入り組んでいるから俺とは別れて霊夢や魔理沙のことを探してくれ。あとハニワをいっぱい従えている少女を見つけたらその子も」

 

俺とルーミアの二人だけではそれでも人では足りないが…ユズを連れてくるわけにもいかないし。

 

「ユズには説明してきたか?」

「家にいるのもあれだからちょうど博麗神社で水那と話してたのよ。だからユズは彼女に預けてきたわ」

 

水那は博麗の巫女としてはまだ実力不足の面があるが博麗神社自体が結構大きな聖域であるわけだしユズだって自衛はできるから大丈夫だろう。あそこなら何かと面識がある人間や妖怪が訪れる可能性も高いしな。何かあったとしても対応してくれるだろう。最悪な場合は藍にでも頼もうかと思っていたので行幸である。

 

「それじゃルーミアはあっちを。俺はこっちの道を進む」

「了解。気を付けてね」

 

ルーミアと別れて妖夢たちが進んだ道とは別の道を進む。本当にここは道が入り組んでいるせいでまともに道を覚えようとしたら一朝一夕では済まないだろう。袿姫は迷いなく進んでいるようだったがもしかしてずっとここで生活していたおかげで道を覚えたとかそういう類なのだろうか。

 

「地震、止まらないなぁ…」

 

勿論これがただの地震でないことは明白であるし、そのようなことを妖夢たちも言っていた。そもそもこれが地震だった場合揺れが長すぎるというのもある。こんなにここが揺れていて地上に影響はないだろうか心配になるが、揺れ自体はそこまで強くないので案外妖精が楽しんでいるかもしれないとも思う。

ふと、地面に何か落ちているのを見つけた。周囲に同化して見えずらいが、どうやらハニワが落ちているようだ。ハニワといえばあのハニワの少女を思い浮かべるが…

今までのハニワは周囲にも同じようにハニワがいる所でしか見なかったが、このハニワは一人でここに落ちているようである。なぜこんなところに…と思ったらハニワが少し震えた。地震の影響で震えているわけではなくハニワ自体が震えているようである。もしかして何か手掛かりになるかもと思い霊力を流し込んでみる。

 

「うおっ」

 

するとすぐにハニワが起き上がり俺のことを見つめ始めた。攻撃するでもなく動くわけでもない。無機質な目とはたまに言う言葉ではあるが本当に無機質の目でじっと見つめられるとは思わなかったので俺も戸惑ってしまう。

秒針が時計を半周するくらい経ったらハニワは俺に背を向けてゆっくり進みだした。どこに行こうとしているかは分からないが、ハニワは磨弓が作ったものだろうし、もしかしたらこの先にハニワ少女がいるのかもしれない。

ただこのハニワの移動速度に合わせていると日が暮れてしまいそうなのでハニワを抱えて移動する。少し持ちにくい形をしているものの知能みたいなものはあるようで、分かれ道で間違った方向に行こうとするとハニワが震えて教えてくれるので道案内として最適であった。

しばらく飛んでいると広い空間に出た。元々ハニワがいっぱいいた空間に似ているが…しかしここにハニワはなく、また霊夢たちの姿もない。俺が止まろうとするとハニワが震えたのでどうやら目的地はもっと先らしい。ハニワを抱えてもっと先へ。

さらに飛んでいると奥から大きな音が聞こえた。何かが爆発したような音が空間を震わせる。ハニワが震えているので道は違うらしいが俺は音がした方へと移動した。

 

「こいつらっ!多すぎだぜ!」

「魔理沙!」

 

またもや現れた広い空間。そこには魔理沙の姿があった。津波のように魔理沙に押し寄せているのは動物霊らしく、魔理沙が何度も魔法を使って追い払おうとするが一向に数が減る様子はない。

 

「おらっ!」

 

動物霊の塊に向かって輝剣を投げる。この剣は消してもう一度手元に召喚できるからこそ出来る芸当である。そうでもなければ剣は動物霊の波に揉まれてしばらく使えなくなるだろう。

俺が剣を投げたことで動物霊も俺がいることに気が付いたらしく、一部が俺の方に向かって飛んできた。これで魔理沙の負担も減るだろう。俺は輝剣に浄化の力を上乗せして動物霊を斬っていく。ハニワを持ったままなので輝剣は浮かせたままである。結界を使って一気に多数を相手取らないようにしているので冷静に対処していれば問題ない。

俺が動物霊を処理し終わるころには魔理沙も動物霊を吹き飛ばし終えたらしい。疲れた様子だったが特に致命傷を負っている様子も見られない。

 

「ふぅ…助かったぜ定晴」

「魔理沙が無事でよかった。早速なんだが問題が起きていて…」

 

魔理沙に詳細を説明する。ついでにこのハニワのことも。魔理沙は磨弓に遭遇していないと思うから説明していないとハニワを破壊しそう…と思うのは偏見だろうか。

俺が説明し終えると魔理沙は腕を組んで難しい顔をしていた。

 

「なるほど…その磨弓とかいうやつはどうでもいいし、霊夢がそんな簡単にやられるとも思えない…つまり何の問題もなしだぜ!」

 

魔理沙を頼りにするのは金輪際やめにしようと思う。

 

「ちょ、ちょっとそんな顔はしないでくれ!問題はないが対処した方がいいのは確かだぜ。この天才魔法少女の魔理沙さんに任せてくれ!」

「本当に大丈夫なんだろうな?」

「二人ともどっかで弾幕ごっこしているに決まってる、って思わないか?」

 

まあそんな気がしなくもないけど。

一応魔理沙はルーミア同様俺とは別行動をしてもらう。ルーミアとは式神の繋がりを使えば連絡が取れるのだが魔理沙との連絡手段はどうしようかな…と思っていたらルーミアから連絡が来た。

 

『霊夢発見』

「ふむ…」

「どうしたんだ?」

「連絡が来た。どうやら霊夢が見つかったらしい。折角だから一緒に向かうぞ」

 

一度別行動を中止し魔理沙と共に霊夢の元へ移動することにした。

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