東方十能力   作:nite

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今日は火曜日ですが投稿します。作者の誕生日ですので(関係ない)


二百四十四話 鬼畜生弾幕の所業

「まさか幻想郷を支配できるなんて考えてないだろ?」

「そのまさかだ!博麗の巫女やらなんやらを畜生界に閉じ込めたと聞いてこっちにやってきたというわけさ」

 

おや?

 

「博麗の巫女を抜きにしても強いやつらなんかいっぱいいると思うのだが」

「それでも今の幻想郷で最強なのは彼女だと聞いているぞ」

 

おやおや?

 

「つまりお前は動物霊とお前の力で幻想郷を本格的に支配しようと」

「そうだ!」

 

…なんか色々敵のことを考察していたのが馬鹿らしくなってきたな。これはあれだ、あまり深く物事を考えずに行動に移すタイプの妖怪だ。なんだか好戦的な雰囲気も感じるし、多分あまり知的ではないのだろう。とても失礼だけど。

 

「お前は博麗の巫女がいないだけで幻想郷を支配できると思っているのか?」

「当り前さ。地上の妖怪なんて敵じゃないね」

 

よし、もういいや。俺は深く考えるのをやめた。

多分早鬼は地上のことをあまり知らない。このまま放置していても紫とか幽香とかそのあたりに吹き飛ばされて終わるような気がするが…まあ長引かせてもメリットは何もないのでここで引導を渡してあげよう。

 

「面倒になったから俺が相手だ」

「ほう?いいだろう!」

 

うん、好戦的。それでいて単純。

カウボーイって渋くて頭が回るみたいなイメージがあるのだけど…まあカウボーイハットを被ってるだけだしなぁ。幻想郷ではこういう特殊な服装を集まっている店は今のところ見たことがないのだけどどこかにあるのかな。でも地上のことをあまり知らないようだし自作したのかな。

 

「いくぞー!」

 

早鬼が弾幕を展開した。一つ一つは当たれば気絶では済まないほどの威力がありそうだ。

 

「スペルカードルールはどうした!?」

「なんだそれ。知らないぞ!」

 

うーん、仕方ないのかなぁ。でもまあある意味俺が相手をすることになって正解だったかもしれない。チヌや不動ならまだしも霊夢や魔理沙はあまり殺し合い的な勝負に慣れていないようだからな。妖夢にもそろそろ弾幕ごっこではない正真正銘の真剣勝負を教える方がいいだろうか。

スペルカードルールでないなら俺も自由にやらせてもらおう。輝剣を召喚し飛んでくる弾を切り捨てる。見た感じ彼女は妖怪の類らしいから近距離で浄化を使えば無力化できるだろう。流石にこの距離だと弾が邪魔で無効化の力が届かないので近づく必要があるな。

 

「ちっ」

 

しかし弾幕が濃い。スペルカードルールに則っているものではないので多分回避不能みたいな弾幕も混じってる。俺は剣で斬ったり結界ではじいたりできるのでどうにでもなるがやはり霊夢たちでは厳しかったかもしれないな。

 

「火!」

 

ずっと防戦一方では埒が明かないのでこちらも魔術で火でも飛ばして攻撃する。といっても相手には簡単に躱されてしまう…が、一瞬でも隙があれば距離を詰めることができる。今のところ後退させられるほどの攻撃ではないので少しずつ近づけば浄化の射程範囲内になるだろう。

 

「氷!」

 

術に名前はない。声に出したものを高速で射出しているだけである。パチュリーから借りた本の中には特殊な魔術だったり強い魔術もあったのだがこの戦いの中で唱える暇はない。そもそも魔術とは誰かに守られた状態もしくは安全なエリアで唱えるものだ。弾幕ごっこのようにクールタイムのような隙がある戦いであればパチュリーのように魔法、魔術に精通した者であれば唱えることもできるだろうが普通の戦闘ではまずその隙はない。それに俺は魔術が使えるだけで精通しているわけではないのでどうしても時間がかかる。

 

「水!」

 

とはいえ種類だけならばたくさん使えるので邪魔になるように撃っていく。たまに弱点属性みたいなものがあったりするのでそれが見つかればいいのだけど…相手はただの動物系みたいだし意味ないかな。妹紅とかチルノみたいにはっきりとした属性があればいいのだけどそれも無さそうだし。

 

「土!」

 

まあ生理的に嫌いとかあるかもしれないから色々試すとしよう。初見の相手にはとにかく手数で有利になる点を探すのが基本だ。ゲームなんかでもボス相手に急所を探すのが基本となるが、そこは現実でもそんなに変わらない。

 

「さっきから鬱陶しい!」

「くそっ…」

 

攻撃が激しくなった。一応精神的な攻撃にはなったようだ。こちらは弾いたり回避したりしているだけなのであちらの方が先に力尽きるだろう。これは近づいて何かするよりもここで安全に回避していた方がいいだろうか。

 

「ふぅ…ふぅ…」

 

と、ここで早鬼が地面に降り立った。早くも体力が尽きたのだろうか。俺は警戒したまま空を飛んでいる状態を崩すことはない。戦闘において高さというのは多くの場合有利に働くからだ。

早鬼はそのまま深呼吸して少し身を下げると…走りで一気に距離を詰めてきた!俺の身体強化での走りとは比べ物にならないくらい早い。なんという脚力だろうか。しかもその脚力でこちらまでジャンプしてきた。

咄嗟に剣を正面に構えて攻撃をガードする。攻撃方法は単なるパンチだったが、そもそも人ならざる者のパンチだ。超級の脚力も加わっているのでその衝撃は鬼にすら匹敵するだろう。身体強化も施したにも関わらず数メートルほど吹き飛ばされてしまった。

 

「それがお前の基本的な攻撃スタイルか!」

「一応地上のやつらの戦い方を参考に弾を撃ってたんだけどね。面倒になったというわけよ」

 

一応地上の弾幕ごっこを参考にはしていたのか。それなのにスペルカードルールを知らないとは…

早鬼はその後も脚力任せに突っ込んでくるのでそれを何度も裁いていく。パンチの時に接近できているので浄化を使えないこともないのだけど、その場合ガードなしでこのパンチを食らうことになる。身体強化を使っているとはいえかすり傷では済まないだろう。

どうにかしてこのラッシュを止めなければいけないが中々隙がない。脚力がすごいせいで早鬼が踏み込んでからこちらまで飛んでくるまでの時間がとても短いのだ。迎撃すらままならない。

 

千閃残滓!」

 

弾幕ごっこ用ではない真剣の剣技を使う。空を飛んでいる状態で全方位を斬り刻む技だ。五月雨斬りに近いが、こちらは当たれば大抵肉を断つ。これを使えば如何に凄い脚力を持っていようとも俺に近づくことはできない。最初は早鬼に近付くことを目的にしていたというのに今は遠ざけようとしているなんて不思議な話だ。

俺が剣を振り回して牽制していると流石に我慢できなかったのか攻撃手段を弾幕へと切り替えた。チャンスだ。弾幕はどうしても密になるまで時間がかかるので近付くなら今である。

 

「ふっ!」

 

身体強化、家宝の剣も召喚、正面に結界。一気に突っ込む!

少しばかり掠ってしまったが致命傷にはならない。そのまま二振りの剣で早鬼を切り結び、吹き飛ばす。そして衝撃で硬直している間に浄化を軽く使う。

 

「ぎゃああ!」

 

うん、致命傷。やっぱり準備も何もなく浄化できる力は幻想郷では強いことを再確認する。

こうして俺は今回の異変の首謀者である早鬼を無力化することに成功したのだった。

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