東方十能力   作:nite

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書きたいことを書いているだけで三千文字近くになってしまう…自分は空き時間に手軽に読める小説を目指しているのですが、読者は長いのと短いののどっちがいいのでしょう(´・ω・`)


二百五十三話 レミリアの配慮

「よろしかったのですかお嬢様?」

「ええ、フランのためだもの」

 

定晴との付き合いももうそろそろで二年となる。その中で私は定晴は信頼に足る人物であると判断した。まあ一番最初にフランの狂気をなんとかしてくれた時点私の信頼はそれなりにあったのだけど。

定晴はこの長い期間の間に何度も異変に巻き込まれた。その中には私たちが巻き込まれたものもある。特にフランがまた狂気を発症してしまったときは肝が冷えるかと思った。フランの狂気は私でも長い時間かけて対応しないと落ち着かないものだ。それが部外者に治されたとあると少々姉として悔しい気分もあるが、なによりフランが無事でよかったと心から思えるのも事実である。

また、その異変の中でフランが定晴のことを単に義理の兄として以上に見ていることにも気が付いた。フランはずっと定晴のことをお兄様と呼び続けているが、多分それがストッパーになっているせいで彼女自身がそれに気が付いていないのが問題なのである。

私は横にいる腹心に目を向ける。

 

「そろそろパチェがご飯を欲しがる時間よ」

「そうですね。失礼します」

 

時を止めてこの場から消える咲夜。彼女も問題だ。

咲夜も咲夜で結構定晴のことを意識しているのを私は気が付いている。多分男性への免疫があまりないのに定晴から色々と優しくされたのが効いたのだろう。ただ咲夜もまた自分の気持ちに気が付いていない節がある。最近では自分が少し定晴への反応が変であることに気が付いて瀟洒であろうとできる限り無感情でいようとしているのを私は知っている。

私の最愛の妹と最大の腹心の両方が定晴に奪われるとなると心中穏やかにはしていられないが、まあ定晴には他にも女性との付き合いがあるので気持ちにすら気が付いていない二人が定晴をものにすることはないだろう。

ただその気持ちを放置していていいのかと私は思っている。今後もメイドとしてやっていってもらわないと紅魔館がまずいことになるので咲夜には申し訳ないが援助をしないとしても、フランには幸せになってもらいたい。今回定晴にフランには個別に渡せと頼んだのもそれの一環である。

いつも定晴は私たちに配慮して二人分まとめてデザートとして渡してくれる。それのおかげで喧嘩になることは極めて少ないのだが、それのせいでフランはただただ喜んでいるだけに留まっている。

個別にプレゼントを用意されると喜びは格別なものになることを私は知っている。パチェに個人的なプレゼントとして本を貰ったときは本当に嬉しかったものだ。その本は今尚私の部屋に愛読書として置いてある。

フランにもそれを受けてもらいたい。私や咲夜がプレゼントをすることは今までもあったのだが、やはり好きな人から個人的に貰うのであればそれこそ喜びは桁違いだろう。私に好きな人がいないのでその喜びは分からないが、多分とても良いものだろう。

勿論私が能力で少し運命を弄ればフランと定晴が結ばれるようにすることも可能だろう。私の能力は絶対的なものではないにせよ、ある程度、例えば定晴とフランが出会う回数を増やすくらいのことはできる。ただそれではだめだ。姉としてそんなものでフランを手助けするのは自分で許せない。

 

「でも結局フランが気が付かないと意味ないわよね…」

 

フランは気が付いているのだろうか。定晴がフランを見ていないとき、フランは定晴を乙女な顔で見ているということに。鏡でも見せればわかるかもしれないけど、吸血鬼に突然鏡を見せるのは危険なのでそれはできない。太陽の光が反射したりすると致命傷になるからだ。

明らかにフランは定晴に対して兄としてではなく異性としての気持ちがある。どうやらフランは過去にルーミアに対してそんな感情はないだのとほざいていたようだが、私としては早くその気持ちに気が付いてほしいばかりである。

 


 

「あ、お兄様!」

「来たぞフラン」

 

フランは庭で美鈴もいれて遊んでいた。さっきまでマッサージを受けていたからかユズの調子もよさそうである。庭に咲いてる花を見て楽しんでいるので淑女という感じが強い。フランは日傘をさしているので特にそのイメージが強くなる。いつもは快活なフランが落ち着いて花を見ているのはなんともギャップがあるな。

美鈴がここのガーデニングもしているらしく、花の説明とかをしていた。淑女感が強いとはいえフランなので、ただのきれいな花よりも匂いが強いだとか特殊な形をしているだとかそういう普通じゃない花の方が人気のようである。俺も途中から説明を聞いていたが、俺が来る前に粗方説明をし終えていたらしくすぐに美鈴の案内は終わってフランたちは庭探索を始めた。

すると美鈴はこちらに近寄ってきた。

 

「定晴さん定晴さん」

「なんだ?」

「ユズさんに何かありました?完治には程遠いですが、少し気に変化がありましたよ」

 

美鈴は気を使うという能力でユズのマッサージをしているという。そしてその気とやらに変化があることを敏感に察知したらしい。ユズが変化するとなれば考えられる理由は一つしかないのでそれを軽く説明してあげた。

 

「なるほど…気の持ちようって言葉がある通り考え方というのは気に影響を与えます。恐怖感があるとはいえ前向きに考えられるようになったなら確かにあの変化は順当なものでしょうね」

 

俺には全く気というのは分からないが、ユズには美鈴が納得できるほどの変化があったようである。俺よりも美鈴が対応した方が良い結果を生むのではないかとも思ったが、ユズは俺とルーミアを信頼して式神契約も結んだのでユズの問題はこちらで受け持つしかあるまい。美鈴にはマッサージの中で途中経過を確認してもらえばいいだろう。

 

「今後もユズ関連で頼りにすることになるだろうけど頼んだ」

「いえいえ。お礼も貰っていますので今後もよろしくお願いします」

 

お礼というのはデザートや戦闘のことである。美鈴もデザートは好きらしく、しかし門番という立ち位置のせいで自分のところにそれが回ってくることは少ないというので手軽に食べられるデザートを作ってあげることにしている。パックにいれてストローで飲めるようにしたゼリーなんかは特に喜ばれた。また、戦闘というのはその名の通り模擬戦のことである。俺も身体強化をしてたまに美鈴と訓練をしているのだ。俺も武術の心得だとかを教わっているのでこちらは一方的なお礼にはなっていないが、美鈴は満足しているらしく今後も続けていく予定である。

 

「お兄様!こっち!」

「はいよー」

 

フランに呼ばれたのでそちらへ移動する。どうやらフランは美鈴の説明をしっかり聞いていたようで俺が聞けなかった花の説明をしてくれた。こうして時間を過ごすのもたまにはいいものだな。




空き時間があったからすごい筆が進みましたのでここからしばらか二日か三日おきの更新になります
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