ごほん…やあ、俺はミキ。時空神だ。急に話しかけられてビックリしているかもしれないが、この小説というのも一つの時空だからな。俺なら読者という存在を認識することもできるというわけだ。
さて、毎回毎回問題を起こしてしかも大切なときには駆けつけないサブキャラの俺がなぜこうして二百六十四話にして文章に出てきたかと言うと、少しばかり補足をしないといけないからだ。
「よおルーミア」
「…あなたはいつも突然ね。定晴ならいないわよ」
「今日はお前に用があって来たからな。失礼するぞ」
定晴の家でインターホンを鳴らすとルーミアが出てきた。今日の目的はこいつだ。
俺は時空の力を使うことで好きな時空にワープできるんだが…前までは入れたのにいつの間にか定晴のやつが無効化の力も乗せた結界を張ったせいで入れなくなった。紫も泣いていたし迷惑極まりない話だ。最上位の■■■、それこそ■■■■■■■■■■■も無効化できてしまうから俺の力でもこの結界は超えれなくて…あ、やべ。これは言っちゃいけないやつだから黒塗りしとくわ。
さて、話したいことはルーミアとの話の中で理解しておくれ諸君。
「まあ座りんさい」
「あなたが一対一で話そうとするとか怖いんだけど…」
「要件終わったらすぐに去るから安心してくれ。早速本題に入るぞ」
ルーミアに怖がられる俺。俺ってそこまでミステリアスな存在でもないと思うんだけどなぁ…神だって言っても本質は人間だしね。あ、でも神奈子とかには怖がられてるんだよなぁ…
「定晴自身も勘違いしてる能力についての捕捉だ」
「補足?それに勘違いって…」
「俺がなんとかしてやってもいいんだけどさ。あいつ俺といると変なスイッチ入っちゃうみたいだから自然体で接することができるお前らで解決してやってほしいという意味を込めて話すぞ。ちな紫には既に話してるから…幽香だけ情報戦でボロボロだけど大丈夫かね…まあいいか」
情報収集してみたところ現在定晴は三人に告白されているという面白い状況になっているらしい。妖怪に人間の法は適用されないし全員娶ってしまってもいいのではと俺は思うのだけど…まあ俺が言えたことでもないな。
ルーミアと紫は定晴の能力について色々と聞かされているが幽香だけは何も知らない。定晴も信用していないわけではないのだろうが…ま、過ごした時間が違うってことだな。
「まず勘違いの部分だ。あいつの【打ち勝つ程度の能力】ってのはお前らが思ってるほど単純なものじゃあない。お前も感じたことだろうけど、死を回避するために力が勝手に増えるなんてそれこそチートだろ?理論的には死地に飛び込めば無限に力を得られることになるが…そんな便利なものなわけがないだろ?」
そもそも全ての力を差し引いても無効化の力が規格外で強すぎる。デメリット多めで使いにくいと定晴は感じているようだが、そんなことは決してない。まあ自分の力を勘違いしているやつがそう思うのも無理はないのだけど。
「ルーミアが知ってるか分からんが俺は時空神だ。時空に関することなら大体感知できる。定晴の未来視が発動すればその分並行世界、俺はこれら全部まとめて時空って呼んでるんだが、これが増える。そうなればあの能力の違和感だってわかるってことだ」
「結局何が言いたいのよ」
ルーミアが急かしてくる。重要なことを話すときは少し長めに前置きをするっていうのは常套句だっていうのに…まったくロマンが分からん妖怪だ。
「あいつのことを理解してくれ…っていうと今のお前らの目標が変わらんのでもっと具体的なアドバイスだ。定晴の過去を知れ。そうだな…中学生だとか高校生の初めとかそこらへんのことを聞いてみろ。面白いことになるぞ」
「怒られないわよね?」
「怒らん。というか定晴が自分自身のことでキレることはないから安心しな。さて、言いたいことも言ったし俺は失礼するぜ」
ソファを立って玄関へ。ふと思い出したことがあるので一言つけ足しておく。
「そうそう、あいつ自分でも無意識のうちに嘘ついてるからその嘘もついでに暴いてやって」
「え?」
「そんじゃあな」
俺は外に出てすぐに転移。すぐ近くの木の上だが気配は完全に殺しているので誰かがこの木に登ってこない限りは気付かれない。
読者の諸君は思ったことだろう。ミキという存在はデウスエクスマキナではないかと。まあ実際神なわけだし間違ったことは言っていないが…この小説が二百話を超えてやっと登場したってことはそれだけ必要な局面だってことを理解してほしい。なんせ情報解析能力持ちの俺以外は紫も本人も能力について勘違いしているからな。
俺は時空神として様々な時空を観測できる。その中には定晴の運命が全然違うものだってあるんだが…あいつはそこで■■■■■■■■■■■■■んだ。あ、これは言っちゃまずいかな…というかパラレルワールドの情報を他人に話すのもまずいか。黒塗りしておくぞい。えーっと、定晴の能力は時によって変わるってことだ。
まあ俺が黒塗りしたとこは多分今後分かってくるから。多分。まあ別の世界での話だから分からない可能性もあるけど。
「ただいまー」
お、定晴が帰ってきた。流石のあいつも俺に気付くことはなかったようだ。死を避けるというなら存在探知なんかは最初に手に入れててもいいと思うんだが、そうではないということがあの能力の内容を表している。
「さっきミキが来たんだけど…」
「変なこと吹き込まれてないな?」
扉が閉まってしまうと無効化結界のせいで盗聴できなくなるので扉が締まる直前に紙を挟んだ。紙を経由すれば盗聴も可能ということだ。定晴はまだ俺に勝てんのだよ。
「ご主人様の能力が、その、正しくないって」
「あー…まああいつなら俺以上に能力を把握してるかもな」
どうやらはっきりと内容を伝えることはなさそうだ。まあ言語化も難しいだろうし当然か。
「まああいつのことは半分嘘みたいなもんだと思っていいぞ」
失敬な。俺は嘘はつかない。八割が冗談なだけだ。それにこの件に関しては全部が本当のことだな。友好度が足りなくてルーミアが信じてくれない可能性はあるが…まああとはあいつらに任せよう。
さて、取り敢えずそろそろこの話は終わりだ。君らがどう思ったか分からんがまだまだ謎はあるってことを分かっててくれ。黒塗りに関しては申し訳ないな。作者のやつが俺が考えた途端に文字にするせいで文章化するのは避けられないんだ。
あんたらが見守ってくれてるおかげで俺も安心していられるからな。頼んだぞ。
なんかミキに色々言われましたが今回の話は頭の片隅にでも置いてくれればいいです