「宴会?」
「そうだぜ!定晴みたいな強い奴が来たときと異変の後は宴会をするのが幻想郷の掟なんだぜ!」
ここは俺の家。今日は本当に何も用事がないので紅魔館にでも遊びにいこうかなと思っていたら魔理沙が訪ねてきた。
取り敢えず魔理沙を家の中に招き入れて話を聞いてみると、どうやら宴会の招待をしにきたらしい。
「にしても何で今更?」
「定晴の家に来てもいつも居ないから伝えられなかったんだぜ。計画自体は前からあったんだぞ」
「あー…成る程」
確かに最近ずっと幻想郷の要所や有名な場所を巡っていたからな。朝と夜位しか家に居ないので魔理沙が会えなかったのも頷ける。
「で、いつなんだ?」
「準備万端だからいつでも始められるぜ!」
どうやら酒や料理なんかは即席で用意したり作ったりするらしい。酒は保存もきくので準備だけはしているのだろう。料理の分の材料も用意しており、あとは作ってしまうだけのようだ。
どうやらそれなりに待たせてしまっているようだし早いに越したことはないだろう。
「じゃあ今日とかは?」
「大丈夫だぜ!」
本当に準備は完了しているようである。
「なら今日でいいか?」
「いいぜ!そしたら夕方ぐらいに博麗神社に集まるから来いよな!」
「了解」
そこまで言うと魔理沙は箒に跨がり飛んでいった。随分と上機嫌だったのは宴会が楽しみだからなのだろう。
さて…魔理沙曰く今回の宴会では俺は特に準備することもないとのこと。折角だし幻想郷の歴史でも振り返ってみるか。
「確かここら辺に…あったあった」
本棚から取り出したのは一冊の本。人里の本屋である鈴奈庵で買った幻想郷の歴史書である。
幻想郷の人々は皆あまり歴史とかに興味がなく読まないから売れ残ったらしく、安くで手に入った。
この本を買ったときに看板娘の小鈴という少女から物好きですねと言われたから本当に歴史に興味が無いんだろう。
どうやら慧音は大好きらしいのが。歴史について語らせるとずっと話し続けるらしいし、もしかしたら人里の歴史嫌いを促進させているのではないかと疑っている。
「幻想郷は昔、賢者八雲紫と博麗の巫女の二人によって大きな結界が張られた場所である。人間と妖怪の共存を願った賢者様が長い時をかけて造られているため、元を辿れば何千年も幻想郷は存在している…と」
これが序章の始まりの部分の要約。結構分厚い本なので、宴会が始まるまでに流し読み程度しか出来ないだろうが、住んでいる場所の歴史を知ることは大切なのである。
更に読み進めていると異変に関する記事を見つけた。そこには俺も知っている場所の名前も書かれていた。
「さてさて…幻想郷には昔から多くの異変と呼ばれる事件が発生してきた。その大半が妖怪が力を知らしめるためや自らを守るために起こした身勝手な異変が多い。昔起こった異変で有名なのは紅霧異変と呼ばれるもので、今ある紅魔館が起こした異変である。他にも春雪異変やオカルトボール異変等多岐にわたる…」
レミリアたちもはた迷惑なことをしたんだな。
大体俺が廻った場所は異変に関連しているらしい。しかしそれは全て博麗の巫女やその仲間によって解決しているとのこと。
「さて次は…幻想郷においてスペルカードルールが使われるようになったのは、歴代最強とも唱われている博麗霊夢によるものである。妖怪と人間が平等に闘えるように発案されたもので、今こうして幻想郷が壊れるような大きな異変が起きないのはこのルールが適応されているからである」
霊夢が考えたスペルカードルールが凄い役立っているらしい。美しさで勝敗を決めるというのは中々芸術的というかなんというか…珍しい決闘方法であることは言うまでもない。
その他にも幻想郷の各地について、紫に関する噂(実は複数人いるなんてのも書かれていた。別世界を含めなければ彼女は一人だ)など内容は多岐に渡った。暇潰しには最適だっただろう。
その後はこの本を夕方になるまでずっと読んでいた。
「さてそろそろいくか」
時間は午後六時。タイミングはジャスト。俺は準備をして家を出た。
魔理沙が言うには場所は博麗神社。この家からも近いしすぐに到着する。