東方十能力   作:nite

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二話 マスターな弾幕のスパーク

俺は、突如現れた魔理沙によって境内へと連れ出されていた。霊夢と紫と話していただけだったはずなのに、いつの間にかこんなことに…正直、急展開すぎるだろう。

魔理沙が弾幕ごっこを宣言すると同時に、俺を戦いに誘ったのだ。当然俺は断ったのだが、なぜか紫が魔理沙に賛同。俺に拒否権はないのだろうか。

 

「さあ、始めるぜ!」

 

こんな簡単に戦いが始まるなんて幻想郷は野蛮なのだろうか。ひとまず霊夢か紫に助けを求めたいんだが…

 

「神社は傷付けないでよー!」

「こっちに来たらスキマに入れるから安心しなさい」

 

二人とも止める気はなさそうだ。こりゃだめだ。

逃げることもできないので、仕方なく俺は腹を括ることにする。始まる前に魔理沙に訊けることは訊いておこう。

 

「取り敢えずルールだけは教えてくれ」

「その名の通り弾幕勝負だ。私の美しい弾幕を躱し切ることができるかなー?」

「勝利方法は?」

「本来は打ち合うんだが…今回はお前が避けるだけでいいぜ。どうも強いやつの気配がするし、避けるくらいならできるだろ?」

 

つまり弾幕をかわすだけの簡単なお仕事と言うわけだな。

魔理沙は躱すだけでいいと言っているが…俺だって攻撃手段くらい持っている。魔理沙は余裕でいるが、その鼻っぱしを折るのも悪くなさそうだ。

魔理沙は問答は終わりとばかりに空へと飛び上がった。空中に行ってから箒に跨ったが…空を飛ぶのに箒はいらないのか。だが、箒なしでも軽やかに空を飛ぶ姿はある意味で魔法使いらしい。

 

「よしいくぜ!」

 

そう言うと魔理沙は大量に弾を飛ばしてきた。

なかなか弾幕も濃いな。外の世界でも弾幕ゲームというのはやってきたが自分で動くのとは勝手が違うので俺も自分が持っている能力でかわす。

 

「なんか風が凄い乱れていて飛びにくいぜ!お前の能力か?」

 

突風に魔理沙が驚いているが俺には関係無い。そもそも風の発生源は魔理沙のご名答で俺である。魔理沙が箒を使って飛んでいるのなら風を使えば飛びにくくなるという算段だ。

魔理沙が飛ばしてきた弾幕は紙一重で避けていく。慣れないからか少し難しいが一応一度も被弾することなく躱しきることに成功した。

 

「お?今のをかわすのか、なかなか筋がいいな」

「俺に能力を使わせる魔理沙も凄いな!」

 

外で使うとすれば車に轢かれそうなときぐらいだろうか。

そんな俺が今使っているのは一つの能力でという能力である。

 

「ムムム、ならばこれでどうだ!魔符【スターダストレヴァリエ】!」

 

魔理沙が何か叫んでいるかと思えば突然弾幕の動きが変わって被弾しそうになる。美しく、それでいて高密度の弾幕である。

 

「あぶねっ!」

 

とっさにかわしたが少々マズイ状況である。

俺は思考を巡らせ出来ることを探す。正直ズルい気もするが俺も勝負事では負けたくないのでしょうがない。

俺は能力輝剣を使う。

 

「なんだそりゃ?あ!」

 

魔理沙が驚く、何故なら俺は剣で弾を斬ったからである。輝剣は持っている訳ではなく宙に浮いている状態で使っているため間違えても被弾する心配はない。手を使わずに使っているため中々に使い勝手が良いのはこっちの話だ。

魔力の塊である弾は核があるのでそれを狙って斬ればかき消すことも可能ということだ。

 

「ズルいぞ!」

 

やっぱりそうだろうな。しょうがないから剣は片付けて風を纏って空に逃げる。避けることしかできないのにズルイってのもどうかとは思うが、幻想郷に来てまだ一日と経っていない。文句を言われてもこちらにはどうしようもない。

 

「待てー!」

 

魔理沙が追ってくるが止まらずに逃げる。俺とスピードは互角な感じ…いや、魔理沙の方が少し早いくらいか。俺も相当の速さのはずだが、魔理沙も相当早いな。

 

「止まれー!」

 


 

神社の縁側で二人が話し合う。

 

「ねえ紫?」

「何かしら?」

「彼の能力って何なの?」

「私も全ては知らないのだけどね…」

「そうなの?」

「ええ、あまり彼は能力に頼らないから私も全部は見たこと無いのよ」

「前置きは良いから彼の能力の名前を教えなさい!」

「前に確か彼はこう言っていたわね」

 

十の力を操る程度の能力

 


 

 

くそ、魔理沙はいつまでついて来るつもりなんだ。いい加減諦めてもいいような高度まで上がったぞ。

 

「いい加減諦めろよ!」

「嫌だぜ!」

 

まあ、そんな気はしてたし諦める方が変ではあるけども。

多分魔理沙は諦めが悪い性格をしている。人に言われた程度で信念を曲げたりしないタイプであると雰囲気が物語っている。

 

「くそー!これでもくらえ!恋符【マスタースパーク】!」

 

「のわ!」

 

魔理沙の取り出した小さい箱から太いビームが発射された。

かわそうと思ったけど…こりゃ間に合わんな。

しょうがねぇ、弾幕ゲームでは反則に近い技であるがやるしかない。前もって駄目だと言われなかったのだという子供っぽい言い訳を準備して放つ。

 

「おらっ!」

 

そして目の前に巨大な結界が出現してビームを止めた。

これは俺の能力結界という力である。

 

「それは反則だぞ!」

 

結界を片付けながら移動する。

外の世界で使うことなど殆ど無い力で…輝剣や結界などが何に使えるかと聞かれたら犯罪者を捕まえるくらいとしか言えない。

そもそも剣なんて持っていたら銃刀法違反で逆に自分が捕まってしまう。仕事の都合上違反ぎりぎりのことを度々していたので感覚が狂っているが、これは外の世界では犯罪なのである。

 

「魔理沙!そろそろ終わらせるぞ!」

「何?」

 

なんとなく観察して弾幕ごっこがどんなものか分かった。弾幕と聞くと密度が高くて避けるのが難しいイメージがあるが、本来弾幕は綺麗なものでもある。並んで飛んだり交差したりして見る人を楽しませるのも弾幕の醍醐味の一つであると俺は思う。

そして魔理沙が宣言してたところを見るとそういう宣言しないといけないというルールがあるのだと思う。

つまり…

 

魔術【五つの属性】!」

「何!?とわー!」

 

ずっと俺を追っかけていたからかスピードを落とせずそのまま突っ込んで俺の弾幕に被弾する。

ちなみにこれは霊力とかではなく能力の一つである魔術を使い創ったものである。

そうこうしているうちに魔理沙が落ちていく。そして気付く、()()()()()調()()()()()()

 

「魔理沙!」

 

俺は急いで追うが、落ちていくスピードが早すぎる。このままでは俺が助ける前に地面にぶつかってしまう。そう思っていたら狐の尻尾を持っている人が現れて魔理沙をキャッチした。

俺も地面に降りてその人物に話しかける。

 

「えっと貴女は…」

「ああ、私は八雲藍という。宜しく頼む」

 

狐の女性である。しかも見たところ九尾。ここまで成長するのには相当な努力と時間が必要になる。

それに八雲という姓は…

 

「俺は堀内定晴だ。八雲ってことは…紫の家族か?」

「紫様の式神なんだ。君の事は紫様に聞いているぞ」

「成る程な」

 

俺は藍と一緒に中に入る。

中から霊夢が出てきた。その横には知らない人が立っている。

 

「もう、魔理沙ったら無理して!」

「いつもの事じゃない」

 

霊夢ともう一人が魔理沙を運んでいく。あの人の周りを人形が浮かんでいるが魔法で浮いているのだろうか。

 

「藍ありがとう。定晴、お疲れさま」

「ああ、疲れたよ」

 

久し振りに激しく動いたから体が微妙に痛い。正直早く家帰って寝たい。それにしても…ここに住むということはもっと運動すべきなのだろうか。

そんな事を考えていたら、霊夢が近付いてきた。

 

「定晴さん?貴方に興味が沸いたわ。貴方の事を詳しく聞かせて頂戴?」

 

俺はまだまだ寝ることは出来なさそうだ。

 

 

 

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