東方十能力   作:nite

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三百三話 魔理沙の師匠的な

「痛いんだぜ…なんでこんなことに…」

「お前が悪いだろ」

 

白黒魔法使いもとい、魔理沙に再生をかけてやる。とはいえ、突っ込んできたこいつが悪いので怪我の治療だけだ。

俺が吹き飛ばされたからか、ルーミアもユズも機嫌が悪い。うーむ、反応速度や能力の発動時間も修行した方がいいなぁ…

 

「で、魔理沙、何しに来た?というかどうやって来た?」

「アリスがここにいるってんで遊びに来ただけだ。私は魔界は初めてじゃないからな。むしろ、定晴たちがここにいたことの方が驚きだぜ」

 

俺は掻い摘んでここに来た目的を話した。幻想郷の結界とかの話はしない。魔理沙の場合は引っ掻き回すかもしれないからだ。流石に幻想郷自体に関わってくるから悪乗りはしないと思うけど、一応ね。

 

「なるほどぉ。じゃあアリスはこん中か」

「そうだな。何をしてるから俺も知らないぞ?」

「それはいいぜ。本人に直接聞いてくるからなー!」

 

箒に跨ってパンデモニウムの中に突っ込んでいった。

廊下が広いとはいえ飛んで中に突っ込むのはどうなのだろう…ああでも、魔理沙は紅魔館とかでも飛び回ってたわ。

取り敢えず俺は修行を再開する。ルーミアとユズが不機嫌なので、それにも対応しつつなのでちょっと疲れる。

 

「私はこんなの頼んでないんだけど~」

 

しばらくして…魔理沙が神綺に捕まった状態で出てきた。神綺の後ろにはアリスの夢子の姿がある。

 

「放せー!私と正々堂々勝負しろー!」

 

魔理沙が暴れているが、何かしらの術で拘束されているらしく、神綺は苦にせず首根っこを捕まえたままだ。翼っぽいのが神綺から生えているのだけど、あれ自前なのかな。

 

「あの小っちゃいのがこんなになってねぇ」

「私は!もう酒も飲める歳だ!」

 

尚外の世界の基準だとまだ未成年だよ。

 

「私からすればどっちも子供よ。まったく…」

「このクソ神め!」

 

地面にドスンと魔理沙が落ちた。その時に同時に拘束は解けたようだ。

結構勢いよく尻もちをついたので、魔理沙はしきりにお尻をさすっている。あれは…再生はなしでいいだろう。

 

「魔理沙は神綺と知り合いなのか?」

「いててぇ…昔にここに観光に来たことがあったんだぜ。その時はまだスペルカードルールがなかったからなぁ…だから再戦しようとしたら、これだ!酷いと思わないか?」

 

スペルカードは霊夢が作ったものだ。しかも、それなりに最近に作られたルールらしく、幼い霊夢や魔理沙が活動していた頃にはなかったのだろう。

確かにスペルカードルールならば、人間と神でも対等に戦えるけど…神綺がそれを受ける理由はないな。

 

「うーん…そうだ、せっかくだからあの子も呼びましょう」

「あの子?」

「そうよ。貴女が慕っているあの…」

 

神綺がそこまで言ったとき、魔理沙は急いだ様子で箒に跨って飛び上がった。しかし、それを神綺は撃ち落とす。

 

「待った!あの人はダメだ!」

「逃げちゃだめよー」

 

神綺がまたもや魔理沙を拘束した。

随分とジタバタ暴れているが、一体誰が来るのだろうか。

 

「…あ、あの人ね」

「アリス、知ってるのか?」

「ええ、まあ…」

 

どうやら歯切れが悪い。

魔理沙がジタバタしているのを横目に見ながら、妖力弾を作ること五分。思った以上に早く当人は到着したのだった。

 

「…懐かしい顔じゃない、魔理沙」

「み、魅魔様…」

 

やってきたのは幽霊…幽霊?

うーむ、まあ幻想郷なので今更幽霊がしっかりとした実体を持って行動していることに疑問は持たない。その幽霊に対して、魔理沙が恐れおののいたような顔をしていることには気になるけど。

 

「ん?そっちの人間は誰だい?」

 

あ、こっち向いた。

 

「俺は堀内定晴、ちゃんと人間だ」

「私はルーミア」

「ユ、ユズ…です…」

 

取り敢えずの自己紹介。なんかあっても、自己紹介をしておけばなんとかなる。

 

「私は魅魔。ちょっとした幽霊だよ」

 

青い服と帽子、そしてなんといっても幽霊らしいウニョウニョした足。

どうやら彼女が魔理沙の慕っていた相手らしい。幽霊を師匠とする考え方はちょっと分からない。

 

「ふーむ、面白いわ。魔理沙とは仲良くしてくれているのかい?」

「そうだな。弾幕ごっこの相手とかにもよくなる」

 

霊夢と魔理沙は、異変解決の二大巨塔とも言えるが、霊夢は怠けたがりの性格のせいで弾幕ごっこの相手になることは中々ない。

しかし、魔理沙は何気に努力型なので、よく弾幕ごっこの相手になるのだ。弾幕ごっこではないガチ戦闘がやたらと多い俺からすれば、魔理沙のような相手にはとてもありがたい。

余談だが、男性の俺が弾幕ごっこをすることについて魔理沙に訊いたことがあるのだが、むしろ何でやらないんだと言われた。霊夢に言われた男性は弾幕ごっこをしないという言葉に少し引きずられていた俺には、とてもいい清涼剤となった。

 

「そういえば地上には弾幕ごっこなんてあったなぁ、靈夢が作ったとかなんとか…」

「霊夢も知ってるのか?」

「ん?私は靈夢と長い付き合いだぞ?なんならそこの魔理沙よりも付き合いは長いはずだわ」

 

おおう、どうやら幼い頃からの霊夢の知り合いらしい。それはすごい。

 

「まあ、私も魔理沙も最初は敵だったが」

「懐かしいぜ。突然霊夢が殴りこんでくるから…」

 

どうやら、霊夢の性格は長年経った今でもそう変わっていないらしい。ただ、話を聞いてみると、今よりは弱かったらしく、陰陽玉を上手く操れずに戦っていたらしい。

 

「にしても、神綺から急に連絡があってびっくりしたけれど…魔理沙、もっと顔を出してもいいんだよ?」

「地上にも強いやつはいっぱいいるからな。魅魔様は地上に来たり…」

「たまに行ってるわ。暇だから」

 

この幽霊、暇らしい。

うーん、にしても魔理沙にも師匠のような存在がいたとは思わなかったな。魔理沙が慕っているということは、魅魔も魔法が得意ということなのだろうか。

 

「ん?あなたは訓練中かい?」

「ああ、そうだが」

「どれ、私が見てあげよう」

 

その日は、そのまま魔力の扱い方を魅魔に教わった。意外と教えるの上手いんだなぁ…




旧作東方の情報を仕入れている人には言うまでもないと思いますが、魅魔の「靈夢」呼びは誤植ではなくわざとです
魔理沙が魔梨沙じゃないのは…毎回書き換えるのがめんd
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