東方十能力   作:nite

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三百二十話 魔力爆発

ここらへんは魔法陣が多いわね。魔法が使えないから何の魔法陣なのかはわからないけど…

 

「どうせここらへんの魔法陣も罠よ。勘がそう言ってるわ」

「私もそう思う」

 

霊夢の言葉に同意する。既に一度爆発しているところを見ているのだ。これらが爆発しないという保証はないだろう。

むしろ、十中八九爆発する。もしかしたら相手にとっても魔法陣爆発は悪いことなのかもしれないけれど、爆発するたびに止まっていてはいつまで経っても見つけられない。

 

「ルーミア、定晴さんと連絡できるの?」

「できるわよ。連絡用お札を使わなくても、式神同士ならある程度連絡できるわ。でもなんで今更そんなことを?」

「いえ、お札を使うよりも式神通信を使ったほうが早いじゃない。妖怪の山で何か見つかったらすぐに向かえるようにしないと」

 

前は式神契約に使った紙を介さないと通信できなかったのだけど、いつの間にか念話のように話せるようになった。ユズとはまだそのようには話せないので、式神の歴が長くなるとできるようになるのだろう。

式神ならではのできることについては、どこかで八雲藍に訊いておいた方がいいかもしれない。

というか、私って式神としてちゃんと務めを果たせているのかしら。ご主人様の手伝いはよくしてるけど、それって式神らしいっていうの?そもそも式神ってなんぞや。

 

「どうしたのよルーミア」

「…なんでもないわ」

 

いけない。今はそんなことを考えている場合ではなかった。

魔法の森を飛んでいても、見つかるのは魔法陣ばかり。魔力効率が幻想郷の中でも屈指で高い魔法の森だけど、そもそも妖怪はあまり魔法陣を使わない。なぜなら、妖力で使う魔法陣は少々威力が落ちるからだ。

尚今の私ならオリジナルの威力で使える。ご主人様から魔力が流れてきているからだ。

それはともかく、魔法陣をこんなに置いている意味とは何なのだろう。

 

「ここらへんが…魔法の森の中心ね」

「一番魔力が濃いところだけど…」

 

一番魔力が濃いので、ここで使う魔法陣はそれはもう絶大な威力を誇る。結界を破壊するくらいの魔法を、本人の力も加えていれば行使することも可能だろう。

 

「勘が外れたわね」

 

ここには魔法陣はなかった。なぜあそこまで魔法陣を分散していたにも関わらず、中心には魔法陣を設置していないのか。

 

「うーん、定晴さんの方が正解だったかしら」

「定晴からの連絡はないわよ」

「うーん?」

 

ご主人様は、結構頻繁に連絡をくれる。少なくとも、何かしら進展があったらすぐに連絡をしてくれる。

そのため、連絡がないということはそれはつまりご主人様の方では何も見つかっていないということを意味する。もちろん妖怪の山も魔法の森も幻想郷の中では、それなりに大きなエリアなので、まだ見つかっていないという可能性も全然ある。

 

「戻ってもう少し…まって」

「どうしたのよ霊夢」

 

戻ろうとしたとき、霊夢によって制止された。何か発見したのだろうか。

 

「今戻るのは、まずいかも」

「勘?」

「ええ」

 

私は魔法の森の方を警戒した。霊夢の勘なら、何かしらあるのだろう。

少なくとも、大妖怪がいそうな気配はない。いかに気配を消すのが得意とはいえ、大妖怪ともなれば隠れるのには多大な力を使うので、探せば見つけられることも多いけど…いないわね。

 

「ルーミア、魔法陣が…!」

 

霊夢が指をさした方を見ると、魔法陣が光っていた。それは、つまり魔法陣が起動したことを意味する。

 

「しかも、同時にすべてが…!?」

 

よく見ると、霊夢が指さした魔法陣だけではなく、魔法の森の中にあった魔法陣のすべては起動している。少なくとも、私たちから見える魔法陣はすべてが光っていた。

 

「この魔法陣の効果って…」

「霊夢が起爆したみたいに…爆発よ」

 

魔法陣が一際強く光り、私たちは衝撃に飲み込まれた。

ギリギリセーフ。闇の防御って、私が思っていたよりも強いみたい。

少し吹き飛ばされたけど、怪我をする前に闇を展開して防御をすることに成功した。

 

「ありがとうルーミア」

「どういたしまして」

 

近くにいたので、ついでに霊夢も防御しておいた。霊夢のことだから一人でもなんとかなったとは思うけど…

私は闇を解除した。闇の盾の中だと、真っ暗すぎて何も見えないのだ。

 

「これは連絡案件ね」

「そうね…あれ、連絡用のお札がないわ。もしかしたら吹き飛ばされちゃったのかも」

「何やってるのよ…」

 

私は妖怪の山の方にいるであろうご主人様に向かって、式神通信を飛ばした。しかし、うまくつながらない。外の世界風に言うなら、ここは圏外らしい。

魔法の森に溜まっていた大量の魔力、それが爆発のせいで拡散したからか、うまくリンクを構築することができない。魔力爆発の影響がないところまでいかないと連絡はできなさそうだ。

 

「魔法の森が爆発した影響で、うまく式神通信ができないわ」

「あなただって私とどっこいどっこいじゃない」

 

通信できないのは私のせいではないので、自分のせいで通信用お札を紛失した霊夢と一緒にしないでほしい。私の方が優秀よ。

 

「取り敢えず定晴に連絡したほうがいいし、魔力の外に出ましょ」

「それもそうね…いえ、ルーミアは出て頂戴。私はもう少しここで探索するわ」

 

大丈夫だろうか。霊夢は既に動物霊に捕まって動けなくなった過去があるし…まあ霊夢に限って同じ失敗はしないか。

 

「じゃあ任せるわよ」

「はいはい」

 

霊夢に魔法の森を任せて、私は魔法の森の外に出た。

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