東方十能力   作:nite

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流行り病によって一週間倒れてました(´・ω・`)


三百二十九話 コネコネ

妖怪の山に戻ってきた。

逃げていた妖怪が落ちたと思われる場所に向かって歩く。霊力が残っていないので、できる限り節約したいのだ。

 

「定晴さん、大丈夫ですか?」

「ああ、歩く分には問題ない」

 

今もユズから妖力が供給されている。しかし、ルーミアに比べるとユズの妖力は多いと言うほどでもないので、貰いすぎないように気を付けないといけないな。

さて、しばらく森を歩けばルーミアの姿が見えた。

 

「あ、定晴、なんで連絡に出ないの?繋がらなかったんだけど…」

「三途の川に行ってたんだ」

 

三途の川と妖怪の山の間には、魔力爆発が起きている魔法の森があるので、俺が三途の川に行っている間は妖怪の山にいたルーミアは連絡ができなかったらしい。

 

「さて、ちゃんと捕まえたか?」

「見てのとおりよ」

 

ルーミアが俺が渡した対妖怪ロープの先端を持っており、その先には先ほど俺が落とした妖怪が巻かれていた。無効化の力には少し抵抗されたが、この無効化と浄化の力を込めまくったロープには抵抗できなかったらしい。

今思えば、無効化よりも浄化の方が効果的だったか?

その妖怪はボロボロになっており、気絶している。

 

「定晴さん、何してたの?その後ろのは?」

「あれ、それはさっき捕まえたはずの…」

 

霊夢と早苗がそんな質問を投げかけてきた。

 

「三途の川でこいつから情報を引き出してきた」

「随分とボロボロだけど…」

 

俺の浄化能力によって、八千慧の体の一部が透けている。それなりに強い妖怪みたいだから、時間経過で元に戻るだろう。最悪、永琳のところにでも放り投げればいいだろう。

 

「定晴さんも手荒なことをするのね」

「拷問くらいなら」

「本当に手荒ね…」

 

少し霊夢の目線が冷たい気がする。博麗の巫女はあまり拷問とかしないのだろうか。

 

「こっちはどうするの?」

「情報は手に入ったからな。ルーミア、こいつを運んでくれ」

「りょうかーい」

 

八千慧から手に入った情報をもとに、畜生界に向かうことにする。結界が壊れている原因がそこにあるらしい。

 

「アリスはどこに行ったんだ?」

「こいつをボコボコにしたあとに吹き飛ばされた妖怪たちを助けに行ったわ」

 

どうやらアリスは救助隊として、他の妖怪たちを助けに行ったらしい。人形を何人も使えるアリスなら、救護も同時にできて効率的だろう。

 

「霊夢と早苗も畜生界についてきてくれ」

「いいわよ。でも、なんかあるようには思えないんだけど」

「奇跡が起きるので大丈夫ですよ!」

 

結界に関することであれば、霊夢と早苗が来てくれたほうがいい。俺の結界の力はあまり解析とかなんとかに向いていないからな。

 

「妖怪の山はアリスに任せましょ。私たちは早く結界をなんとかしないといけないわ」

 

紫が色々やってるらしいのだけど、元をなんとかしないと治らないだろう。博麗大結界が崩壊する前に修繕しなければいけない。

 

「ルーミア、俺のことを運べるか?」

「え?あー……いいわよ。というか、私が回復してあげるわよ」

 

ルーミアから霊力と妖力が流れてくる。ユズに比べるとルーミアは妖力量が多いので、俺の回復量も多い。

戦闘はできないにせよ、飛んで移動するくらいには回復した。

 

「あ、私が抱えた方が役得だったわ…」

「ほら、行くぞ」

 

まだスキマは開きっぱなしなので、それを通って三途の川まで移動する。妖怪の山から三途の川まではそれなりに距離があるので、こうやって早く移動する方法があるのであればそれを使わない理由はない。

 

「…おい、起きろ」

 

浄化を使って強制的に八千慧を起こす。

 

「うぐっ、なんですか…」

「俺たちだけじゃ三途の川は渡れないから、お前が案内しろ」

「人使いが荒いですよ…」

 

浄化ばかりだとあれなので、魔術で八千慧をビリビリさせる。

そうすれば、八千慧は案内してくれるようだ。やはり妖怪の世界だと、圧倒的に力支配が有効だな。

 

「さ、定晴さんもそういうことするんですね…」

「妖怪相手なら何度かやったことがあるぞ。言霊の概念がある以上、言葉よりも力で従わせた方がいいことが多いんだ」

「それはそうですけど…」

 

早苗が俺の様子を見て少し引いている。これは嫌われたかな…?

ともかく、八千慧の案内により畜生界まで戻ってきた。ここで探してもいいのだけど、八千慧がいるのであれば拷問して情報を絞り出そう。

 

「早く案内しろ」

「それ、やめてくれません?体が…」

「知らん。はよしろ」

 

無駄な問答をしている暇はないのだ。幻想郷の存続がかかっているので、こういった時間短縮できるようなところはすべて時短していく。

博麗大結界がどれくらい保つのか不明なので、壊れる前にこの異変を終わらせなければいけない。

 

「向こうですよ」

「嘘じゃないな?」

「嘘じゃありませんっ!それをやめろ!」

 

浄化されすぎて、言葉が荒れている。多分、そもそも相手を敬うようなタイプではないのだろう。敬語だって素の口調ではないはずだ。

嘘をついている場合は、本当に消滅させると脅したあとで移動する。しばらく八千慧の案内で移動していると、気絶していた妖怪が目を覚ました。

 

「ここは…」

「お前も捕縛だ。妖怪の山を吹き飛ばしたのはお前だろ。償ってもらうからな」

「くそっ、なんだこの紐はー!」

 

移動しながら得た情報によると、この妖怪の名前は饕餮尤魔。八千慧とは敵対する組織らしいが、この異変に合わせて協力関係を構築しているらしい。

敵対していたとしても、目的のために手を組むことができる組織は、組織的に強いので厄介だ。

 

「やっぱりこいつと協力しなければよかった!」

「途中まではうまくいっていたんですよ?ええ、この人がここまで拷問するタイプだとは思わなかっただけで」

「幻想郷じゃ初出だ」

 

不動みたいな特例以外は、幻想郷の住人は俺の事を調べるとき幻想郷内でやったことしか調べることしかできない。外の世界でしか拷問をしてこなかったので、幻想郷で初めてやる行動について調べることができなかったのだろう。

俺の中に狂気がいなかったらできない荒業ではあるんだがな。

 

「黙ってろ」

「ぐうぅ」

 

対妖怪用ロープを使っている間は無効化や浄化もきちんと効果的みたいだな。取り敢えず尤魔にも浄化の力を流して動けなくしておく。

その後、俺たちは広い空間にたどり着いた。そこには、大量の動物霊が集まっており、そのすべてが丸々と太っている。どうやら、すべてタンクとして存在しているらしい。

 

「こいつらが供給源ってことか」

 

だが、結界に影響している部分は見つけることができない。

これ以上失敗ができないので、結界に影響している部分を探す。動物霊を倒すことも踏まえて罠をかけようとしている可能性も否めないからな。

 

「定晴、さん、あそこに、何か」

 

ユズが何かを指さしている。俺には見えないのだが、ユズにしか見えない何かがまたあるらしい。

先ほどはそれで結界に亀裂を入れてしまったので、慎重に行動しないといけないな。

 

「霊夢、これはどう思う?俺には見えないが」

「私にも見えないけど…多分大丈夫よ。勘だけど」

「霊夢の勘なら信用できるな」

 

動物霊を消す前に、この不可視の何かを無効化する。何の効果は分からないが、無効化!

何も変わらないな。だが、八千慧が舌打ちをしたので、多分成功したんだろう。

 

「危ないからこいつらもぶっ飛ばしましょ。むしゃくしゃしてたのよ!」

 

霊夢が弾幕を展開して、動物霊たちを吹き飛ばした。一応こいつらには罪はないのだけど…まあ、不発弾みたいなものだし、ぶっ飛ばしてもいいだろう。

 

「あら、まだ何か結界に働きかけてるわね…早苗、手伝いなさい!」

「はーい」

 

霊夢が何かに気が付いて、畜生界の壁をコネコネし始めた。早苗も霊夢の隣でコネコネしている。

結界ってそんな風に働きかけるのか…

 

「定晴ー!安定したわー!ありがとー!」

「紫っ、まだ終わってないだろっ!」

 

スキマが開いて紫が飛び出してきた。

だが、紫が来たってことは本当に終わりってことか。想定していたよりも呆気なく終わったな。まだ何か見落としているのだろうか?

ともかく、八千慧と尤魔の処遇を決めつつ幻想郷に戻らないとな。

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