東方十能力   作:nite

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あけましておめでとうございます。年末年始が忙しくて時間が取れませんでした


三百五十話 夢想なスパーク

俺は輝剣を出して、さらに幻空から剣を取り出して、二刀流となる。

霊夢は小手調べのように高密度弾幕を放ってくるが、これは殺し合い。俺は遠慮なく弾幕の悉くを切り刻み、消滅させる。

一発一発が致命傷となるほどの威力を持っているものの、当たらなければどうてことはない。

 

「ふーん?なら…これ!」

 

弾幕を放ちながら、霊夢は何かを投げてきた。

キラリと一瞬だけ光を反射するが、弾幕の中に紛れてしまって、正体が何かは分からない。手で持てる程度のものだが、俺に致命傷を与えられるようなものなのだろうか。

反射光を頼りに剣で弾くと、やっとその正体がわかった。手で持てる程度の大きさの針だ。だが、とても強い霊力が込められており、威力は見た目以上のものとなっているだろう。

 

「なんだこの針?」

「封魔針よ。本来は妖怪に使うものだけど、人間に使ってもいいでしょ」

 

霊夢はそう言って追加で封魔針を投げてくる。そのすべてが俺の首元を狙って飛んできており、殺意はひしひしと伝わってくる。

だが、どこに飛んできているのか分かれば対処するのは容易だ。威力が高いとはいえ、剣で弾くことができるからな。

 

「私がそんな簡単なことするわけないでしょ」

 

霊夢がそう言った途端、俺の上下から弾幕が展開される。いつの間にか移動してきていた陰陽玉が発生源だ。それに、陰陽玉からも針が飛んできた。陰陽玉ってなんでも飛ばせるんだな。

結界を上下に展開して、少しだけ時間稼ぎをしつつ横に移動して弾幕の範囲から抜け出す。弾幕ごっこではないので、回避不可能な弾幕だって飛んでくるのだ。対弾幕で動くときは、さっさと範囲から抜け出してしまうのが最も良い選択となる。

 

「私の弾は追尾付きよ」

「分かってるさ」

 

霊夢が主に使う道具であるお札は、敵に自動的に追尾する機能を兼ね備えている。弾幕の範囲から抜けたとしても、弾は無限に追っかけてくる。

だが、俺と陰陽玉、霊夢の立ち位置を変えたことで、すべての弾が一時的に一方向から飛んでくるようになっている。これならば、まったくもって苦もない。

俺は弾幕に向き直り、片手を弾幕に向けた。

 

「火砲!」

 

素早く唱えた中級魔術でお札を焼き払う。霊力で強化されたお札と言えど、ちゃんとした火力で焼いてあげればきちんと燃える。

 

「ちょっと!貴重なものなのよ!」

「それを使い捨ててるなら一緒だろ!」

「使えそうなのは後で回収するんだから!」

 

おっと、霊夢のがめついところが出たな。このお札、敵に当たらなかったら再利用できるんだ。

 

防戦一方なので、ここらで少し攻勢に転じてみるか。弾幕を処理したのも、攻撃するときに被弾しないようにするためだしな。

 

「落ちろ!」

 

霊夢の真上に雷雲を召喚して、真っすぐ真下に叩き落す。

雷の速度は尋常ではなく、目視では避けることができない速度のはずだけど、霊夢はまるで最初から知っていたかのように横に避けて雷を回避。

更に何個か召喚するが、そのすべてを霊夢は小さい動きで回避してしまった。

 

「その程度?雷を使う大妖怪なんていっぱいいるわよ」

「そうかい」

 

俺は魔術で色々と霊夢に対して攻撃を試みるが、どれも簡単に回避されてしまった。どうやら、一部は勘で回避しているようだ。

やはり遠距離戦において、絶対的な勘があると強いな。絶対に回避できないという状況を作ってからではないと、霊夢に攻撃を当てることはできそうにない。

 

「仕方ない…こっちで行くぞ!」

「最初からそうしなさい!」

 

俺は輝剣を構えて、霊夢に高速で近づく。

勿論霊夢とて容易に接近を許しはしない。弾幕と針に加えて、何やらよく分からないお札をまき散らしている。ホーミングアミュレットとは別物のようで、俺に向かって飛んでくるようなことはないが、霊夢の近くで落ちずに滞空しているのが非常に怪しい。

俺は万全を期するために、それらのお札を燃やしておくことに決めた。

 

「火砲!」

 

俺が放った火はお札を包み込んだが、しかし、火はお札の周りに纏わりつき、お札が焼けている様子はない。

嫌な予感がすると共に、俺は五芒星結界を正面に展開。次の瞬間、俺が放った火砲がそのまま返ってきて結界とぶつかった。

 

「カウンターアミュレットってことか?!」

「私が怪しい動きをしたら魔術を使ってくるだろうことは分かってるのよ。動きが単調だわ」

 

霊夢の煽りを聞きつつ、俺は輝剣を振って魔術をかき消す。どうやら、カウンターアミュレットで返ってきた魔術というのは、俺の制御から外れてしまうらしい。

 

「お札って何種類あるんだ?」

「それを教えてあげる義理はないわね。私の努力の賜物ってことよ」

 

霊夢のことだから、多分努力ではなくて惰性だけど、それは口に出さないでおく。

 

「妖怪相手にしか戦えないわけじゃないってこと、見せてあげるわ」

「やる気のある霊夢、怖いなぁ…」

 


 

「スパアアアアク!」

 

魔理沙の放ったマスタースパークが私めがけて飛んできた。

私は闇を使ってなんとか軌道を逸らしつつ、しかし、完全に逸らすことはできず、私の腕に少しビームが当たった。

 

「ぐう…」

 

殺し合い用の出力であるのか、当たったところから血が出ている。私は妖怪だからまだなんとかなるけど、これを人間が食らえばすぐに腕は使えなくなるだろう。

今の私は妖力の回復が遅い状態となっている。日頃の妖力放出量が少なくて楽ではあるのだけど、こういうときの回復が遅いのが問題だ。私は今、低級から中級くらいの妖怪の力しか持っていない。

 

「ユズ…お願い」

「はい!」

 

ユズが弾幕を展開する。高密度、高威力の殺し合いの弾だ。

魔理沙に回避を強いることができれば、レーザーがピンポイントで直撃することはないだろう。少しでも逸れてくれているのであれば、闇を使って回避することもできる。

ついでに言うと、私の闇はそもそも物質のように扱うものではない。なんせ、完全封印状態のときの私は、自分の周囲に闇を纏うことしかできなかったから。本来の使い方を思い出して、妖力を高める。

 

「うわ、何も見えないぜ!」

 

私は腕に回復をしつつ、闇を広範囲に展開する。私の闇は何も見えない、一寸先どころか零距離の闇だ。この状態で弾幕を避けるなんてできるはずがない。

前は自分を中心に展開することしかできなかったけど、今の封印状態であれば魔理沙を中心に展開することができる。今の封印が、あくまで妖力暴走を封印しているに過ぎないからこそだろう。

 

「ぐえ、いてっ、おい!」

「これで完封できるかな…」

 

私の呟きは、レーザーによる返答で打ち砕かれた。

どうやら、方向など決めず適当にレーザーを撃ったらしく、私たちには掠りもしない。

 

「ふざけんじゃねえ!こんなのを弾幕勝負とは言わないぜ!」

「これは殺し合い。弾幕ごっことは違う」

「なめるな!」

 

更にレーザーを撃ちまくる魔理沙。闇雲に撃っているせいで、たまに直撃しそうになる。

私たちはチームだから同士討ちをしないように気を付けなければいけないけれど、魔理沙は一人で戦っている。周囲のことなどお構いなしに攻撃することができるのだ。

 

「この!」

 

レーザーに続き、闇の中から何かが飛んできた。それは数冊の紙きれ。

 

「ユズ!」

「うわぁ!」

 

一見するとただの紙切れだが、そんなものを投げてくるような魔理沙ではない。どんなことが起きても対応できるようにユズに声をかける。

だが、ユズが反応するよりも先に、紙切れは煙のようなものを放出する。

毒…ではない。ただの煙のようだけど…

 

「これで条件は同じだぜ!」

 

私が闇で魔理沙の視界を奪っていると同時に、私たちは煙で視界を奪われてしまったのだ。

こちらは同士討ちに気を付けなければいけない分、こうなると不利なのは圧倒的にこちらである。式神同士なのである程度方向はわかるものの、流れ弾などが飛んでくる可能性もあるので安全とはいえない。

 

「さあ、勝負はここからだぜ」

 

魔理沙がいる方向からレーザーが飛んでくる。

魔理沙の姿を目視できなくなった影響で、魔理沙の視界を奪っていた闇はなくなっている。早くこの状況を脱しなければどこかでレーザーに被弾することとなる。

 

「さらにもう一発、マスタースパーク!スパアアク!」

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