東方十能力   作:nite

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最初らへんの話を加筆修正しました。各話二百から三百文字ほど増えました。内容は変わってないので無視してくれて構いません。
遅れた言い訳はこの辺にして今回の話です。どうぞ。

2021/12の追記
ここらへんの話も加筆修正しています。各話八百から千文字ほど増えてます






三十九話 月の物語②

「何を、したの?」

「ただちょっとだけ、本気出しただけだ」

 

あんなビームを直接受けたら死んでしまう。もしかしたら死ぬ以外の効果もあるのかもしれないが、そこの女性が冥界などと不吉なことを言うので安全策を取らせてもらった。その名も…

 

「撃ちなさい!」

 

おっとその前にエネルギー弾を撃たれた。今度は輝剣を使って弾いていく。霊力消費が激しい技だから可能な限りは普通に抵抗させてもらおう。

しかしいい加減面倒なので一気に畳み掛ける。能力をふんだんに使って敵を斬っていく。まあ身体強化をしながら結界と輝剣を同時に使用しているだけだがな。

 

「そんな…地上の人間に…」

「地上の人間なめるな。さて、ここがどんな場所なのか吐いてもらおうか」

 

適当に捕まえた奴等に詰め寄る。しかし、なかなか口を開かない。喋ったとしても秘密だからの一点張り。しょうがないから紐で縛ったまま連れ歩く事にした。所謂捕虜ってやつだな。まあこの現地の人々からすれば俺が犯罪者のようにしか見えないのだけどね。

そして足を一歩踏み出そうとしたらその瞬間俺の体が動かなくなる。先ほどの力の副作用というか反動のようなものだ。この力は強力だが、代償として使った後五秒ほど動けなくなるのだ。まあ、この力を使ったら十秒は稼げるが。

その後も暫く歩いたら大きな建物を見つけた。というか都。月にこんな立派な場所があるとは思わなかったが…多分普通に衛星とかで探しても見つけることができないようになっているのだろう。

入り口には大きな門があり、そこには見張りが立っている。俺がこいつら (ウサギ達)を連れているところ見られると絶対襲われる。しかし帰り方が分からない以上行くしかない。取り敢えずウサギ達はここに置いておいて…

出来るだけ自然に振る舞えば…いや、やめておこう。とりあえず軽く…

 

「何だ!貴様は!後ろにいるのは…貴様、どうやって来たか知らないがここで死んで貰うぞ!」

 

話し掛ける前にやられた。まあ知ってたけど。埒が明かないので都に入ることは諦めて、ついでにウサギ達もそこに放置することにして…

 

「にーげるんだよー」

 

俺は奥に見えている森に向かって全力で飛んだ。見張りはSFに出てくるような光線銃を撃ってきた。月に都がある時点で十分SFか。

 


 

「大丈夫ですか?依姫様」

「え、ええ」

「どうされたんですか?」

「うちに撃たれたら勝手に元いた場所に帰るレーザーみたいなのあるじゃない?それを撃ったら全部避けられた挙げ句捕まっちゃった」

「な、何故そんなものを…普通に帰してあげればよろしいのに」

「だって素直についてきてくれなさそうだったのよ。それにそっちの方が面白いじゃない?」

「は、はぁ…」

 


 

さてどうしたものか。幸い追っ手は来ていないようだが隠れる場所が悪かったな。ここの森(なぜ月に森があるのかはこの際気にしないことにする)は木が結構規則正しく並べられているため意外と見通しがいい。散歩するときには気持ちいいのだろうが隠れる身からすれば不利であると言わざるを得なかった。

とはいえここから動くことができるかと問われれば否だ。流石に飛んで地球に戻れるわけがないので何かしら帰還方法を見つけることが先決だな。とても興味深い場所だし探索したいのはやまやまなのだが、まあ諦めるとしよう。命大事に。

 

「にしてもどうしたものか…」

 

思わず口に漏れてしまう。今の誰にも聞かれていないよな?この森は比較的綺麗に整備されていて、ここの住民がいても全く不思議ではない。

それにウサギ、というか動物って基本的に人間よりも耳がいいと言われているわけだし変に何か物音を出すだけで怪しまれる可能性がとても高い。

 

「そこに誰かいるの?」

 

そう。結論を言ってしまえば、一発でばれる。ここにある木々は葉の枚数が少なく、隠れるのに適していない。しかし隠れなければ見つかってしまう。そんな中俺が導き出した答えは…

 

「誰ー?ぐふっ…」

 

相手を気絶させる事だった。

 

 

 

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