東方十能力   作:nite

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最近ダンマクカグラのDLCを買って遊びました。東方アレンジ、無限に出るから無限に楽しめていいですよね

題名のこれも、同じく東方アレンジ楽曲です


四百四十七話 ココロコイシ -Eyes-

結局、大妖精ちゃんは本当のことを教えてくれなかった。顔を赤くしながら逃げるように飛んでいく大妖精ちゃんを、チルノちゃんが急いで追いかけていった。

今日の私は結構暇。フランちゃんは定晴のところに遊びに行くらしく、流石にちょっと邪魔をする気にはなれなかった。急にレミリアさんから命令のように言われたらしく、フランちゃんは何の迷いもなく向かった。

私も定晴に会いたいけど、地底にいた時と違って焦る必要はない。会いに行きたいなら明日にでも会いに行けるのだから、私は焦らない。

 

「でも暇だなー」

 

人里でできることはあまりなくて、鈴奈庵で本を読むか寺子屋で勉強するかしかない。でも、慧音先生は今日は竹林に用事があるからって寺子屋にいなくて、小鈴ちゃんは阿求ちゃんのところで何やら作業中。

人里で生活してもう十日以上経過して、同世代(見た目基準)の友達は増えたけれど、それでもこうして暇になることがあるのだった。

 

「こうなったら、新しい出会いを求めるとしよう!」

 

そうして、私は人里から離れたところまでちゃんと歩いたあとに、飛び出した。特に目的地は決めていない。ただ、適当に飛ぶだけだ。

冬の幻想郷の空は寒く、もうあと一週間もすれば雪が積もり始めるだろうことは、今までの経験で分かっていた。

 

「温泉とか、入りたいなぁ~」

 

ふと、地底の温泉を思い出す。

地底は基本的に観光地的なものがなく、酒や喧嘩を娯楽とする鬼たちが多いけれど、そんな中、旧灼熱地獄の熱を利用した温泉は心地よかった。お燐のふわふわと、お空のふわふわに囲まれながら温かい部屋でぬくぬく……

まだ地底から離れて少ししか経っていないのに、もうホームシックだ。今私が住んでいる家は、地霊殿に比べてお風呂を溜めるのが面倒だから、ゆっくりポカポカな温泉を懐かしんでしまうのも仕方ない。

 

「地上には温泉ないのかな?」

 

妖怪の山なら温泉くらいありそうだけど、そういうところは天狗たちが支配してて私じゃ入れないだろう。まあ、能力使えば入ること自体は簡単だとは思うけど。やっぱり気が休まらないのはちょっと気になる。

煙みたいなのが上がってる山があるから、てっきりそこが火山になってて、近くに温泉があるのかと思っていたのだけど、どうやらあの煙は河童たちが開発していることによる煙らしく、火山じゃないらしい。探したことがあるけど、温泉は見つからなかった。

今のところ、ゆっくりのびのびと入れたお風呂は、フランちゃんと一緒に入った紅魔館のお風呂だ。多分フランちゃんならいつ行っても入っていいよって言ってくれそうだけど、そこまで甘えるのは地上に住む決意を蔑ろにする感じがして嫌だ。

 

「あ、そういえば!」

 

適当に飛んでいた私は、進行方向をぐるりと変えて博麗神社を目指す。

そういえば、博麗神社の近くには間欠泉を利用した温泉があったはずだ。霊夢管理だったから、今もしっかり使えるようになっているかは分からないけれど、霊夢だってお風呂には入るはずだから大丈夫だと信じたい。でも霊夢、結構がさつだからなぁ……

 

「霊夢ー」

 

博麗神社につくと、あうんちゃんが「あうーん」と鳴いて出迎えてくれた。

 

「霊夢さんはいませんよ。水那さんと一緒に、妖怪退治のお仕事中です」

「そっかー、残念。誰かいる?」

「今は私だけですね!誰もいないときにこそ守護をする、狛犬の本領です!」

 

私には階段に座ってぼーっとしているようにしか見えないが、あうんちゃん的には守護をしている判定なのだろう。実際、霊夢もあうんちゃんがいるとある程度安心して任せられるって言ってたし、守護する力っていうのは本物なんだと思う。

霊夢がいなくても、一応目的は果たせる。あうんちゃんが知ってるかは知らないけど……

 

「近くに温泉ある?」

「ありますよ!ただ、ちょっと掃除しないといけないかもです。霊夢さん、自分が使う分にはある程度汚れていても気にしないので……」

 

お湯は綺麗だけど、更衣室とか周囲は結構枯れ葉とかが溜まってるらしい。境内の掃除はしっかりする霊夢だけど、神社が直接関係しない場所の掃除はあまりやる気を出さないのは、結構周知の事実。

あれだけいつもお金が欲しいって嘆いてるんだから、温泉をしっかり掃除して日帰り温泉にでもすればいいのに。実際、地底にはそれでちゃんとお金を稼いでいる人がいるのを、私は知っている。

 

「なんだかんだ広いので、一人でやるのはおすすめしませんよ」

「そっかー。温泉、入りたかったんだけど」

「近々皆で掃除しましょう!あそこの温泉は気持ちいいですからねぇ」

 

あうんちゃんがニコニコしながらそう言った。あうんちゃんも、時々霊夢と一緒に温泉に入るらしいけれど、どうしても汚れや落ち葉などを無視できないという。流石に水面に虫が浮いてるとか、そういうレベルではないらしいけれど、一人で作業が終わらせられるほど狭くもない。

 

「因みに……ここの温泉は混浴?」

「へ?男女は分かれていなかったと思いますよー。ここの温泉に入るのは少女ばかりですからねぇ」

 

幻想郷は少女率が高いから当然の返答。

ってことは、定晴と一緒に入ることもできるってこと……恋心を自覚した状態で裸の混浴は、もう無理だけど。それでも、タオルとかを体に巻いた状態でなら多分恥ずかしくない!

 

「絶対に温泉の掃除をしようね!」

「はい!皆で温泉楽しみです!」

 

鼻歌を歌いだすあうんちゃん。あうんちゃんはいつもニコニコしてるから、こちらとしても気分がいい。

ともかく、今日は霊夢はいないみたいだし、掃除するなら準備をしないといけないから、今日のところは退散だ。あうんちゃんに、霊夢への伝言を頼んだうえで、私は博麗神社から離れた。

そうして人里に戻るまでの道中、あぜ道の途中で突然空間が開け、一件の家が出現する。博麗神社と人里の間にあるひょんな家なんて、定晴の家しかない。

 

「フランちゃんがいるんだよね……」

 

邪魔をしないように私は今日は行くつもりがなかったけれど……ここまで近づいてしまうと、定晴に会いたいという気持ちが私の中でどんどん大きくなる。

空中で静止し、定晴の家を眺め……結局、私は定晴の家に突撃することになった。定晴たちは、特に驚いた様子もなく私を迎え入れてくれたので、思う存分フランちゃんと遊ぶのだった。

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