東方十能力   作:nite

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四十六話 魔法大図書館

連れてこられた大空間で俺は大きく顔を上げた。

 

「ほぅ、ここが…」

 

目の前に広がるのはとても大きな本棚群、そしてその中に入っているのは数え切れない程の本。しかもそれが天井まで届くまでの高さがある。思わず声が出てしまうのも無理はないだろう。

 

「パチェー!ちょっと紹介したい人がいるんだけどー!」

 

この大図書館の主であるという友人をレミリアが大きな声で呼ぶ。こんな広い所で見つかるのだろうかと思っていたら、案の定直ぐに本棚の向こうから返事が聞こえてきた。

 

「こっちですよー!」

「了解よ。定晴、ついて来て」

 

レミリアはズンズンと奥に入って行く。レミリアと並んでフランも一緒に奥へ進んでいく。ここではぐれたら大変だと俺も直ぐについて行く。

流石に迷路のようになっているわけではないのだが、ともかくその規模が大きい。ここも咲夜の能力で空間拡張をしているのだろうが、紅魔館のどの部屋よりも広い。絶対レミリアの部屋とかよりも大きいだろ。

本棚の間を二分程度歩いた所で大きめの机がある開けた場所に出た。机の横には悪魔のような見た目の女の子が立っていた。あれがレミリアの友人なのだろうか。

 

「パチュリー様ならもう少しで戻って来ると思いますよ」

「あら?また何か作ってるの?」

「まあそんなところです」

 

その少女は小悪魔と名乗った。どうやらレミリアの友人の使い魔的な立場らしい。

本人を待つ間レミリアやフランと談笑していたら、更に奥の方から爆発音が聞こえてきた。

 

「な、何だ!?」

「いつもの事よ。もう少し待ってて頂戴…」

 

レミリアが苦笑混じりにそんなことを言う。研究者というのは実験に失敗してばくはつさせないと気が済まないのだろうか。そういうことをするのは漫画の中だけだと思ってたんだがな…

暫くすると暗がりから一部が焦げている服を着た女の子がやって来た。

 

「お客って誰?」

 

そして俺と目が合い、硬直。俺が声をかけるよりも先に動き出して出て来た道を猛ダッシュで戻っていった。そして奥の方から有らん限りであろう声で叫んだ。

 

「ちょっとレミィ!!」

「どうしたのよパチェ!逃げないでよ!」

 

本棚越しの会話。ここが個人の図書館でなければ司書に怒られているの間違いなしの声量で会話は続く。

 

「男性なら先に言っておいてよ!」

「別にパチェなら気にしないかと思って…」

「気にするわよ!レミィの馬鹿!」

「ばっ!?」

 

口喧嘩をした挙句レミリアが言い負けてしまったようだ。隣でフランがクスクスしており、一応笑いを堪えようとしているのか、真顔を保とうとしているが肩がとても大きく上下に揺れている。

しばらくすると比較的綺麗に整えられている服を着た状態で女の子がやってきた。先ほどまでの焦げた服は着替えてきたのだろう。

 

「い、いらっしゃ~い。パチュリー・ノーレッジよ」

「俺は堀内定晴だ。よろしく」

 

彼女がレミリアの言っていたパチュリーらしい。全体的に紫のゆったりとした服を着ているが、えげつない魔力量を持っている。俺なんか比じゃないレベルで。

魔理沙も多くの魔力を持っていたが、彼女はマスパを何発も一気に繰り出せる量だ。これほどの魔力を持つのであればそうとう色々なことができるに違いない。

 

「パチェってそんな異性のこと気にするものだったっけ?」

「あのねぇレミィ、普通初対面の人に薄汚れた格好で会うものではないでしょ?」

 

なんというかレミリアのコミュニケーション能力が分かるな。紅魔館には咲夜がいるからほとんど自分で準備などしていないのだろう。

俺はなんとも言えないレミリアを横目で見つつ要件を話した。

 

「なあ、一つ頼みたいんだが…ここの本を借りてもいいか?」

「ふーん、借りる、ねぇ…」

「だめか?」

「うーん」

 

なんとも煮え切らないような答えを返すパチュリー。

もしかして昔に本を貸したときに嫌な思いでもしたのだろうか。それだとしたら悪いことをしたかもしれないな。

俺が謝ろうとしたら突如天窓が開き、一人の少女が矢の如く飛んで入ってきた。

 

「パチュリー!また借りてくぜ!」

「あ、魔理沙!待ちなさい!」

「仕方ないなぁ、一秒待つぜ…待ったぜ!」

 

入ってきたのは高火力弾幕少女魔理沙だった。

 

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