東方十能力   作:nite

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四十八話 オセロ閻魔

「今日も平和ねー」

「霊夢、流石に怠けすぎじゃないか?」

 

俺達は今博麗神社の縁側で寝転がっている。暇を弄んでいるわけだ。特別凄いことが起きるわけでもなく只々寛いでいる。若干吹く風が通り抜けてとても気持ち良いのだ。

 

「境内の掃除したんだからそれだけでも褒めてほしいものだわ」

「そりゃ失礼。お疲れさん」

 

こんな感じの会話をかれこれ三十分は続けている。魔理沙はさっきまでいたのだが、用があると言って帰ってしまった。萃香も俺たちの後ろで寝てるし、神妙丸は出掛けている。あうんはそこで蝶を見ている。

何もしない一日というものが幻想郷に来てから増えたけど、ここまで何もしない一日は初めてかもしれなかった。外の世界にいる頃は基本的に仕事があったから休む暇もあまりなかったのだ。

しかし、そんな怠惰な生活を送っていると当然天罰が下るのである。

 

「博麗霊夢。また貴女はそのように怠けているわけですね?」

「ん?うげ。閻魔じゃない」

「人を見て嫌そうな顔をしない!博麗の巫女ならば、もっと規律を正しなさい!」

 

霊夢に大声で怒鳴ってきたのは背は霊夢と同じぐらいの女の子だった。帽子を被り、手には板を持っている。何かしら凄い物だろうから板と言ってしまっていいものなのかは分からないが。

 

「別にすること無いから寝てても良いじゃない!」

「はぁ、もういいです。今日はそっちの青年。堀内定晴。貴方に用があって来たんです」

 

そう言うと、手に持っていた板をこっちに向けてきた。姿勢といい話し方といい、丁寧なのに威圧感があるのは何故なんだろうか。

それになんとなく嫌な予感がする。まるで面倒なものに絡まれたような…

 

「何のようだ?」

「いえ、最近幻想入りした人物がいると聞いてやって来たんです。ふむ…まだ能力の使い方が甘いですね。それだとここで生活する時に苦労しますよ。それに貴方は外の世界でこそ仕事をしていたけど、ここに来て仕事をしなくなっている。それだと生活費が足りなくなりますよ。また、仕事をしないという事は怠惰な生活をするという事。早く仕事を見つけ、その生活習慣を直しなさい。それに…」

「分かった善処する。もう良いから」

「いえ、まだです。貴方には言いたい事が沢山あるんですから」

 

やばい、超面倒くせえ。これは確かに霊夢が嫌う訳だ。超真面目そうな彼女と基本だらけている霊夢。明らかに正反対の性格だ。

 

「そういえば名前を聞いていないんだが?」

 

少し面倒で雑な聞き方になってしまう。だが彼女はそれでも律儀に自己紹介をする。

 

「おっと、そうですね。私は四季映姫・ヤマザナドゥといいます。彼岸にて閻魔をしています」

「閻魔って…あの死者を裁くあの?」

「はい。私の【白黒はっきりつける程度の能力】で、誰にも惑わされずに裁判を行っています」

「白黒はっきりって…オセロみたいだな」

 

ということはオセロをすると四季には絶対勝てない訳だ。まあ、幻想郷にオセロというものがあるのかどうかは知らないが。今度人里の店にでも立ち寄るか。

いや、オセロは関係ないか。ただなんとなく連想ゲームでオセロが出ただけで映姫は別にオセロを嗜むわけではないだろう。

 

「それではさっきの続きですが…」

 

マズイ。またさっきの長い話が始まってしまう。どうすれば逃げられるか…心苦しいが、ここは一芝居といこう。

 

「なあ、四季。俺今から約束があって行かないといけないんだ」

「約束?誰とですか?」

「紫と。冬の間寝てる事が多いだろ?で、起きた日には俺の作った料理が食べたいと言われててな。そろそろ紫の家に行かないとなんだ」

「そうですか…約束を破るのは御法度です。良いでしょう。それでは」

 

逃げることができた。言われてたのは本当だし大丈夫だろう。いつに、という指定はなかったので今日である必要もないのだが。四季は俺に背を向け霊夢の方を向いた。そして霊夢は俺を恨めしそうに見ている。

申し訳ないが、俺も説…お話は嫌なので我慢してもらおう。多分映姫は相当話が長くなる質だ。一日を説教で潰してしまうのは実に持ったいない。

四季にバレないように急いで紫の家に向かった。

 

奇跡的に紫が起きていたので藍に変わって料理を振る舞ってあげた。喜んでいたので良かったが霊夢には後で夢想封印でも叩きつけられるだろうな。

 




閻魔と魔女の会話

「すみません…」
「ん?誰だ?うげ。閻魔か」
「最近やってきたという青年に会いたいのですが…」
「それをあんたに教える義理はないぜ」
「そうですか…ならば貴女に少しお話を…」
「博麗神社にいるぜ!」
「ありがとうございます」
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