東方十能力   作:nite

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新章です。どのくらい長くなるのかは自分でもよく分かっていません
それとアンケートは締め切っています


五章 地底編
七十話 地底へ


異変解決から数週間後。既に外は熱くなっており、家には扇風機が設置されていた。

勿論幻想郷には電気が通電していないので、俺の持ち前の魔力や霊力で動かしている。どれもこれも生活を快適にするためだ。

前々から言っている何でも屋以外の定職については進展なしだ。幻想郷での仕事などそこまでバリエーションがないように思えるが案外そうでもない。人里の人々は確かに選択肢がすくないかもしれないが、俺みたいに人里から離れ妖怪達とそれなりに交友を持っている者は妖怪たちの仕事に就くこともできるのだ。河童の機械工学なども仕事としてすることができるというのだから驚きだ。

閑話休題

さて、そんな快適な暮らしをしている俺には本日予定があった。今でこそ家にいるがそろそろ出かける時間なのである。行き先は地底。紫が言うには、地底で少し面倒なことがあるから行ってくれとのこと。

自分で行けよと言ったのだが、紫は地底がそんなに好きではないとのこと。どうやら鬼が多いらしく、紫はそのテンションに付いていくのが大変だと言う。

そういや先日の宴会で会った古明地こいしという子は地底から来ている子供だったはず。フランと仲良かったらしいが、どうやって知り合ったのかは聞いてなかったな。しかも後から聞いた話だとこいしは地底の主の妹らしい。妹繋がりで仲良くなったのかとフランに訊いたのだが、姉同志はほとんど関わりがないらしいのだ。謎は深まるばかり…

というか、だ。地底と地上はそこまで仲良くないと紫に聞いていたのだが、その件についてはどうなったのか。理由は聞いてないが、地上の、しかも人間の俺が地底に行っても大丈夫なのだろうか。最悪の場合一方的にボコボコにされて追い返されるのではないか。

そんな心配をしても意味がないことは分かっているが、それでも考えてしまうのが人間である。杞憂であることを信じたいのだが…

取り敢えず準備だな。戦闘になるかもしれないからな。できるだけしたくないのは事実だが、こんな状態だし攻撃されるのも考えて置かなければ。

さて、準備をしつつ地底に関する教えてもらった知識を思い出す。勿論紫情報だ。

まずは場所。これは地底という名前から想像できるように地下にある。問題はその入口なのだが、どうやら博麗神社と妖怪の山の二か所が主な入口らしい。博麗神社の入口は地底の中心に近く、地底の主と呼ばれるこいしの姉が住んでいる場所の近くに出るらしい。妖怪の山の入口はその反対で、地底の外れたところに出るらしいのだが、その穴は厳重に管理されており、それなりに信頼がないと近づくことさえできないという。入るなど以ての外だ。今回は紫から話を回してもらっているので厄介なことは起きないだろうが、地底の主に会うためにも今日は博麗神社の入口から入る予定だ。

で、その地底の主というのは覚り妖怪だろう。直接誰かに聞いたわけではないが、こいしが覚り妖怪ならばその姉も覚り妖怪でないとおかしい。というのが俺の結論だ。妖怪の生まれる経緯は色々あるのだが、姉妹というのはどういう生まれ方をするのだろう。スカーレット姉妹もそうだが、親というものがいるものなのだろうか。今までも数多くの妖怪を退治したり浄化したりしてきた俺だが、その中に血縁関係のある妖怪ははたして何人いただろうか。それを知ることは到底叶わないが。

話が逸れてしまったが、ともかく先ずは博麗神社に向かって地底に降りることを第一目標と決める。紫が言う地底の面倒事とは一体何なのかは分からないが、この依頼を成功させてくれたらそれなりに豪華な報酬をくれるらしい。今の生活にそこまで不便さを感じていないから食料とかでいいのだが。いや、貰えるなら貰うけども。

第二目標は地底の主と面会することだ。紅魔館の主と面会するのは比較的簡単だったが(美鈴と戦闘することにはなったが)今回も同じように上手く事が進むなんてことはないだろう。それに紅魔館と大きく違うことはやはり接点の無さだろう。紅魔館は地上にあるため挨拶という名目で行けるが今回はそうとはいかない。なにせ向こうは地底だ。決定的に置かれている状況が違う。

紫も地底の主に連絡を前もってしたようだが、連絡をしたくせに来るのは地上の人間となると向こうも警戒するのは当たり前だろう。門番とかいるのかは不明だが、今回は戦闘せずに済むように穏便に話をしようと思う。

そうそう、言い忘れていたが俺はしばらく地底に滞在する予定らしい。どこに泊まるのかは分からないが、毎日毎日地底と地上を行き来するのは面倒だからだろう。スキマ使えば一瞬のはずなのに紫はそういった小さいことをめんどくさがる。それで藍の仕事が少しずつ積み重なっていくのだが、当の本人はその状況を変えようとしない辺り藍には同情の念しか出ない。俺から言っても特に改善されるような見込みはないし、紫がやる気を出す時まで藍には努力してもらうほかない。来るのかすら不明だが。

さて、とうとう時間が来た。といっても手荷物はなく、至って軽装だ。幻空の中に物を入れる事ができるからこその軽装なのだが。一応非常食や水のペットボトルを入れてはいるが、これを使うことが無いように思う。幻空と言っても一つの空間でしかないので、水をいれると水浸しになる。まあ幻空の中だと時の流れがとてつもなく遅くなるので濡れるのにも相当時間はかかるが。

さて、時間だ。俺は家を出る。そこで鍵を閉めるのを忘れない。何日程度家を空けるのか分からないからいつも以上に念入りに戸締りを確認する。ついでに家の周囲の守護結界も強化しておく。これで無理やり通るには魔理沙のマスパを全力で撃つぐらいの勢いがないと通れないようにした。結界の解除をしようとしれば俺が感知できるので、実質不可能。結界が破られたときも分かるから、正直家に入ろうとした奴は全部俺が感知できるのだが。一応吸血鬼姉妹や魔理沙が来た時のために張り紙でも貼っておくか。

 

「しばらく地底に行っています…っと。これでいいな。」

 

最後にもう一度確認をして博麗神社に向かう。外の天気は曇り。雨が降るかもしれないが、地下である地底には関係のないことだろう。

そして俺は幻想郷の下層へと出発したのであった。

 

 

 

 

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