東方十能力   作:nite

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リアルが色々と忙しく一ヶ月空きました…申し訳ありません
それと前回の勇儀の漢字間違ってましたねすみません…


七十六話 三歩で弾幕の必殺

俺は隙を見つけて攻撃する戦闘スタイルを主に使う。

これは簡単に言うなら結界や回避をして戦う耐久タイプのことだ。だから耐えられない攻撃や躱せない攻撃には弱い。勿論対攻撃特化の対策もしているが、あまり使うことのないものと化している。

理由は簡単、そこまでの攻撃力を持つ者が外の世界には稀だからだ。元々外の世界での戦闘といえば対妖怪ばかりだ。というか対人戦闘は法律が許してくれない。俺の活動範囲はあくまで国内だ。外人に頼まれることはあっても国外には出ない。 

話を戻すが、俺の戦闘スタイルは基本能力の結界に頼りっぱなしとなる。それこそ躱すことより結界を貼ることがメインになるくらいに。

 

「こんなの紙も同然だね!」

「な、」

 

だから俺は目の前の勇儀がとても苦手だ。

戦いが始まって勇儀が踏み込む動作をしたのを見て素早く結界を張ることは良かった。鬼の力を考えて四重にして張った。それなのにこの有様だ。

勿論多少減速するのでその間に身体強化を施し構える。この距離では躱せないと判断したうえでの苦肉の策だ。それでも勇儀は俺を数十メートルも吹き飛ばした。

殴られたところだけではなく身体全体が痛い。

 

「まだまだ!」

 

勇儀が追撃してくる。数十メートルも吹き飛ばされたおかげで時間はある。輝剣を召喚して構える。勿論身体強化は持続だ。

霊力の消費が激しいがこれくらいしないときっとまた吹き飛ばされる。結構足がきつくなるのでなんとしてでもそれは避けたい。

輝剣自体にもそれなりに耐久能力があるというのに勇儀は俺をまた吹き飛ばす。

これはまずいな…このまま壁に追い詰められてタコ殴りなんてされたらそれこそ負けるのは目に見えてる。勝負であるからには勝つ。

勇儀がまたもや腕を振るってきたので幻空の中から家宝の剣を出して二刀流で迎え撃つ。輝剣は召喚する時に淡い光を出すので分かりやすいのだが、幻空は一瞬で出せるため不意を付きやすいのだ。

俺の思惑通り、何もない所から、しかも眼の前に剣を出した事で少し拳が乱れる。その拳を捌く。そしてしゃがみ込んで…

 

「殴る!」

「ごふっ、」

 

わざわざ剣を捨ててでも殴る理由は一つ。

勇儀に満足してほしいからだ。鬼は喧嘩が好きで力比べが大好きな種族だ。だから剣ではなく敢えて力で訴える。萃香より力が強い勇儀には圧倒的に力足らずだろうが構わない。きっと勇儀はそれを望んでいる。力で対抗してくることを。

 

「いいじゃないか。確かにこれなら萃香も押されるかもしれないねぇ」

 

そう言う割に勇儀は結構余裕そうだな。というか耐えた。流石に全力で能力を掛けているわけではないのだが勇儀相手では全力でかけても意味は無いと考えられる。

それでもノーダメージというわけではないので俺が倒れてしまう前により多く強打を与えれば勝機はある。

輝剣や結界は出来る限り防御や移動のみに使いたい。

勇儀はバックステップをとり俺から離れる。

 

「いいねぇ…そんじゃこれはどうかな!」

 

鬼符【怪力乱神】

 

勇儀とその周囲に鱗のような弾が現れる。そして…散開。

二刀流で捌きつつ、なんとか勇儀に近付こうとする。しかし様々な方向から来るため回避は出来ても接近は難しい。

 

【全方位結界】

 

こうなったらごり押しだ。

多少脆くなるが全方位に結界を張り身体強化で駆け抜ける。そろそろ俺の体自体がきつくなってきた。身体強化は力を向上させるというシンプルな能力だが、対象はあくまでも普通の体だ。能力慣れしているしそれなりに鍛えているがそれでもずっと掛けていては限界はくる。

最初から全力で掛けていたらきっと今頃倒れているだろう。いや、今の状態も続けていては倒れる。

万全の状態で身体強化のみをしていたら一時間程度は余裕なのだが、輝剣召喚に結界、幻空の活用など同時に行うとなると話は別。せいぜい二十分、能力を更に使えばその分短くなる。

身体強化はできて後五分から十分といったところ。全方位結界を使用しているため今も少しずつ短くなっている。勝負は短期決戦派なのだ。そろそろ終わらせる。

大量の弾幕を食らったことで結界は壊れるが、勇儀に近付くことは成功した。

右手のみ全力で身体強化をする。

 

「食らえ!」

「グフっ」

 

一発、勇儀に叩き込む。そして掴む。

 

「おらぁ!」

「こんのぉ!」

 

投げようと試みるが、勇儀が抵抗して中々上手くいかない。もともと身体ががっしりとした勇儀を投げられるのは難しいのだ。

結界を使い三点で支える。結界も使えば勇儀は少し持ち上がった。そこを全力で投げる。

 

「とりゃぁ!」

 

動作一つ一つを全力でしないといけないとはどういうことだろう。

それでも勇儀を叩きつけることに成功。俺の腕力プラス重力で叩きつけたからダメージは大きい筈だが…

勇儀は起き上がる。

まじかよ、今ので未だにピンピンしてるんだが。

 

「面白かったよ!」

 

勇儀がそう言うと同時に腹部への強い衝撃、そして俺の意識は沈んでいった。




定晴、敗北
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