さて、今回の相手は核融合を操るお空だ。
能力名からして明らかにヤバそうな能力だが、流石に地霊殿が近くにあるのだし大爆発なんかはしないだろう。
幻想郷に来てから弾幕ごっこを多くするようになったが、初戦の相手の能力が体積変化の能力であることを考えると中々にハードになっているのではないか。
魔理沙の魔法、美鈴の気道、フランの破壊、チルノの氷結、妖夢の剣術に幽香の植物。
幻想郷にはほんとにあらゆる能力者がいる。そして今、俺の目の前には核融合の力。幻想郷は世界征服でもするつもりなのだろうか。
「侵入者めー!覚悟ー!」
「今回に関しては紅魔館や白玉楼みたいにアポなしってわけじゃないんだぞ」
アポ取りなんてどうすればいいのか知らない。というか幻想郷にアポイントメントなんて言葉があるのかすら定かではない。
「くらえ!爆符【ペタフレア】!」
突然のスペカ。
しかも中々に火力が高い。素早く結界を取り出し防御。もしものための輝剣も召喚しておく。輝剣が核の力に勝てるのかは知らないが。
流石に外の世界に核融合の力を持つ生物などいない。多分俺みたいなフリーターじみた人間よりも、もっとプロフェッショナルの専門的な力を持つ団体なんかが対応しているんだろう。
というわけで俺の能力がどれほど核の力に対抗できるのか未知数だ。もしこれで輝剣が壊れたらどうしよう。輝剣は壊れるものではないとは思っているんだが…取り敢えず家宝らしき刀は無理だな。確実に壊れる。
ちなみにこの刀。家宝で残したという文献はあるのだが、それ以外の証拠がなく未だに「かもしれない」の領域を抜け出せていない。
「こんのぉー!爆符【ギガフレア】!」
お空の弾幕の密度が上がり、見た感じ威力も上がっていそうだ。そろそろ防御を突破されそうである。防戦一方なのも癪ではあるが、スペカの効果が切れるのを待たねば近付くことすらままならないだろう。
こちらもスペカを発動してもいいのだが、俺のスペカではこの高威力・高密度の弾幕を突破できるとはとても思えない。
お空のスペカが残り何枚あるのかは不明だが、無理矢理突破して近付いたところをスペカで撃墜されたりしてはそれこそ目も当てられない。
ここは耐えねばならない。流石の高威力に結界にもヒビが入ってしまうが修復。壊されそうになればすぐまた回復。輝剣で弾こうにも勢いのせいで仰け反ってしまいうまくいかない。
俺の戦闘スタイルに合っていると言っても、ここまで防戦一方になることは中々ないのだが今は耐える。
そして…
「ぜぇ…はぁ…」
チャンス到来。長い間攻撃をし過ぎたせいか、核融合により大量の熱が溜まってしまったようだ。お空の手にはめられている筒のようなものから白いものが立ち昇っている。核融合は強い力を持つが、その分大量の熱を生み出すことが欠点となる。化学兵器というものは熱との戦いでもあるのだ。
俺の戦闘スタイル【耐えて隙を突く】がここにきて真価を発揮する。素早く近付き輝剣を構える。
お空は俺に標準を向けようとするが、熱の影響か身体がうまく動かないようだ。ここでお空が満身創痍になって地底の熱の管理がままならなくなっても困るので、後で回復させるのは確定なのだが、今はまだ戦闘中だ。そんなことは今考えることではない。
ここで決着をつけさせてもらう。スペカは敢えて使わない。現在のお空にスペカを使うと本当に倒れてしまいそうだから。慈悲ということではない。今後のことを考えたうえでの判断だ。
輝剣を振りかぶり…
一閃
お空にダメージを与える。核融合の反動と俺の斬撃によるダメージが重なり、お空は落ちる。地霊殿の中庭へと。自らが慕う主人がいる場所へと。
お空はさとりとお燐に支えられ地面に降りる。そしてがっくりと頭を垂らして…
「はーあー、また人間に負けた」
お空が負けを認める。
耐えてばかりの戦闘。一度は負けるかもしれないとも思ったこの戦い。きっと火力勝負では明らかに俺が負けるのだろう。それでもこの戦いでは…
俺は核融合の力を相手に辛勝という結果を残した。