東方十能力   作:nite

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八十話 核融合の地獄烏

「ふぅ…」

 

大きく息を吐いて地上に降りる。熱さもそうだが、結界の展開と修復を繰り返したおかげで霊力は尽きそうだ。

色んな所で霊力で注意と警戒を受けたため抑える練習をしたのだが、抑えたままだと本気を出せないため戦闘時は開放している。家の周囲にいる妖怪なら霊力開放で基本的には逃げてくれるので楽だ。

閑話休題

お空がフラフラしている。気絶するほどの攻撃をしていないため倒れることはないのだが、妖力の枯渇が見られるな。流石に妖力の回復は俺には出来ないが、傷や体力の回復ならば能力でなんとかなるためお空に能力をかけて癒やす。

 

「んにゅ、ありがと」

 

お空が素直にお礼を言ってくる。さとりが言うには元々俺に対して敵対心のみで接していたわけではないというので、戦闘をして認めてもらったのだとしたら嬉しい。

俺に戦いを挑む姿勢や態度からも読み取れるが、お空のさとりたち主人やお燐たち仲間への思いは人一倍強そうだ。まあそれで戦闘を挑んでくるというのもどうかとは思うが、主人への思いからの行動だと考えると本当に気持ちが強いのだと思う。こいしに聞いた話だが、地霊殿のペットたちは総じてさとりのことが好きらしい。こいしはどうなんだと訊いてみたのだが、さとりが好かれている理由の一つに心を読む能力が関係しているらしい。普通の人間だけでなく、妖怪に対しても言語の理解をしてもらえず不本意のことをさせられるため、心を読んできちんと意思疎通ができるさとりのことを信頼しているらしい。そのためさとりが信頼している人物にも基本的には信頼をおくらしい。さとりは心を読めるのにそれでも信頼できるとなると本当に裏表がない人など一握りしかいないのだろう。少しでも邪な気持ちがあればばれるし。

 

「さとり様、仕事もどります」

「え、あ、うん。頑張ってね」

 

そしてお空は灼熱地獄跡に戻って行った。基本的にはそこにいるのかな。

何日も管理がされないとすぐに地底がリアル灼熱地獄になるのだろう。まあ地底の妖怪は皆それなりに実力があるらしいので、そう簡単に倒れたりはしないのだろう。

 

「お疲れ様でした。夕食後結構すぐでしたけど大丈夫でしたか?ああ、慣れてるんですね」

「話さなくてもいいのは本当に楽なんだな」

 

既に何度も心の中で話したことをくみ取ってもらっているので、分かり切っていることではあるのだが、それでもやはりこういったことには気付かされる。流石は覚り妖怪。心を読むのが早いのである。

外の世界の伝承では、覚り妖怪は人の心を読んでそれで弄ぶという性格が元になり話が作られている。実際起きたことなのか、ただの噂話なのか、誰かが適当に言った法螺話なのか定かではないのだが。

実際の覚り妖怪であるさとりはそんなことはなく、普通に接してくれている。お燐が言うにはたまに人の事をいじって遊ぶこともあるらしいが、不快にさせるほどのものではなくあくまで世間話の一環らしい。こいしに至っては目を閉じており、性格は無邪気。能力の弊害でたまにフラフラとどっかに行くこともあるらしいが、人のことを弄って楽しむような子ではない。

総じて覚り妖怪がこんな性格ではないのだろうが、幻想郷の覚り妖怪は優しいらしいというのが地底で二人のことを見て思った感想である。

 

「あの…前も言ったと思いますが…あまり私達のことを目の前で考えられると恥ずかしいのですが…」

「あー、すまん。つい癖で」

 

俺が言う癖というのは勿論職業での経験上の結果である。

外の世界で騒動を起こしたりする妖怪やら異形やらを相手にするため、相手の能力や行動パターン、特徴などを深く思考してしまうのだ。

この癖は正直治るとは思っていないし、さとりには諦めてもらったほうが早いかな。

 

「むぅ…しょうがないですね。定晴さんはお風呂にでも行ってみては?」

「ああ、そうだな。そうさせてもらうよ」

 

なんとなく素っ気無い感じもするが、さとりに勧められたのでお風呂に行くことにした。

結論から言えば…俺はとても運が無いんだと思う。

 

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