東方十能力   作:nite

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去年書き損ねたので書きました。
今年もどうかよろしくお願いします!

それと時系列は気にしないで下さい


特別話 新年SS

「今年も一年良い年でありますように」

「それならそれなりのお金を寄越しなさい?」

 

元日。俺は初詣として博麗神社に来ている。賽銭を入れて二礼二拍手一礼をする。これが正しい礼儀作法だ。日本古来から続く伝統の行事、神が実際に存在している幻想郷では御利益も大きいのではないだろうか。

 

「それと面倒な神様に絡まれませんように」

「お?定晴にそんなことする神は俺が斬ってやるぞ?」

 

他にあるとすれば、行き帰りに道の真ん中を通るのもよろしくない。真ん中は神様が通る場所だからだ。まあ外の世界の初詣は人がわんさか押し寄せて真ん中なんて開けてられないけどな。 

 

「ほほう?俺のために道を開けるなんてすばら…「うるせえ!」…お、おう」

「面倒な神様ってお前の事だミキ!それと霊夢!がめついぞ!」

「何よ。わざわざ表に出て接客してあげてんのよ?それ相応の見返りがあるのは当然でしょ?」

 

貪欲巫女と疫病神め。二人とも本気を出せば有り難られるのに、基本だらけてたりするから駄目なんだ。あ、でも最近ミキは[I can do it. But I don't do it.]とか言ってたな。できるけどしないとか…要するにこいつは怠惰という事か。

俺の思考が自己完結したところでいつもの聞き覚えのある声が聞こえる。

 

「れーいーむー!おーとーしーだーまー!」

「何で私が魔理沙にあげないといけないのよ!魔理沙が私に寄越しなさいよ」

 

お年玉か。人里でも多くの子供が親に対してお年玉を頂戴しているところだろう。親としては無駄な出費だから嫌なんだろうけど、正月といえばお年玉みたいな構図が子供の脳内では完成しているため拒絶するのも面倒なものである。かくいう俺も出費だから嫌なんだが…魔理沙が俺の存在に気付くとニヤリとしたあと俺の方に近付いてきた。

 

「なあ、定晴ー。お金持ってるんだろー?」

「まーりーさー?」

「へ、脅しになんか負けないぜ。さあ、お年玉!」

「はぁ、しょうがないな。ほら」

「へ?あ、やったぜ!」

 

お年玉をあげたら一瞬固まった。俺だってこんな事になることは想定済みだ。だから魔理沙の分も用意している。それに…

 

「ほら、霊夢にも」

「え?良いの?」

「ああ、勿論」

 

俺の返事を聞くが早いか霊夢は自分の懐にすぐさま仕舞う。それはまるで洗練された職人のようで…って馬鹿にしているみたいだな。やめよう。

簡単に言うならば無駄に洗練された無駄のない無駄な動きといったところだ。

俺が霊夢と魔理沙にあげると、つられるようにミキが寄ってきた。

 

「俺には無いのかよ定晴ー?」

「お前は俺とほとんど歳変わんねえだろ。そもそもお前は金要らねえだろうが。俺よりも金持ってるくせによく言うぜ全く」

「まあ、そうだけどさ。まあいいや。んじゃキリトのとこ行ってくるわ」

「迷惑かけんなよー」

 

ミキはその場で消えてしまった。瞬間移動って羨ましいよなー。俺にできないことの一つだ。出来たところでどうこうするわけでもないが。自分の足で歩いたり飛んだりして道中を楽しむのが俺の密かな楽しみだったりするのだが…

魔理沙は満足したのか、一度帰ると言って飛んで行ってしまった。霊夢も上機嫌で俺にお茶を勧めてきた。折角だし御馳走になろうかと歩き出したらこれまた聞き覚えのある声が階段の方から聞こえてきた。

 

「定晴ー!あたいにお年玉を寄越せー!」

「わはー!」

 

チルノとルーミアだ。そして、この二人がいるという事は…

 

「失礼します」

「お邪魔しまーす」

「明けましておめでとうございまーす」

 

俺の予想通り、大妖精とリグル、ミスティアの三人がやって来た。チルノと大妖精が離れていることはほとんど無いし、そこにルーミアがいるとなればそりゃリグルとミスチーも一緒にいるだろうな。所謂バカルテットとかいうやつだ。外の世界のやつらはそう呼んでいたが、実際問題児なのはチルノぐらいだろう。ルーミアもなんだかんだ言って普通だし。

 

「よう、いつもの五人組」

「こんにちはー。明けましておめでとうございます。定晴さん」

「おー。大妖精は礼儀正しいな。それじゃあご褒美にお年玉をあげよう」

 

そう言って俺は大妖精にお年玉を渡す。それを他の四人が羨ましそうに見ている。なんだ?お前らは挨拶してないじゃないか。ああそっか、リグルとミスチーもきちんと挨拶はしていたな。ならば二人にもお年玉を渡そう。お年玉を受け取ると三人はとても嬉しそうな顔をした。こいつらなら慧音に言っても貰えそうなもんだが…もしかしてもらった後だろうか。

そして受け取っていないのはチルノもルーミアの二人となった。

 

「えっと…ルーミア、さっき大ちゃんは何て言ってた?」

「確か…裂けましておめでとうございます!」

「裂けてどうする。明けまして、だ」

 

年が丁度分かれるという意味ではあながち間違いでもないかもしれないが、子供には正しい挨拶を教えておかないと将来大変なことになるからな。妖精が成長するのかは知らないけど。というか前言撤回だ。ルーミアも中々に問題児である気がして来た。

 

「「明けましておめでとうございます!!」」

「元気でよろしい。ほら、お年玉だ」

 

お年玉を受け取ると服のポケットに仕舞った。よく見ると他にも袋が見える事から、やっぱり慧音あたりに先に貰ってきたのだと推測する。

 

「よっしゃー!次行くぞー!」

「行くのだー!」

 

二人は元気よく飛び出していった。その後を大妖精がオロオロしながら追いかけていく。途中で思い出したように振り返り…

 

「後で参拝しにきますねー!」

「はいはーい。私は一日神社にいるからいつでもいいわよー」

 

そして大妖精は飛んでいってしまった。最後まで礼儀を欠かさない模範的な妖精だと感心する。チルノ達もこれなら楽なんだがなぁ…まあチルノ達も子供らしいといえば子供らしいけどな。

俺は後に残ったリグルとミスチーに声を掛ける。

 

「お前らは追いかけなくていいのか?」

「私達はたまたま会ったから一緒に来ただけなので」

「ちゃんと参拝していきますよ」

 

なんだ、てっきり五人は基本一緒にいるのかと。まあミスチーやリグルはあの三人に比べて少し歳月を重ねていそうだが。それに妖精じゃないし。あ、ルーミアも妖精じゃないか。

二人は参拝し、飛び立っていった。さて、ここで俺はすることがなくなった。頂戴と言われればあげるが、自分から渡しに行くことはしない。勿論途中で知り合いに会った場合に頂戴と言われるかもしれないので予備は準備してある。ここのやつらは基本俺よりも年上なので言われることもあまりないだろうが。

萃香や針妙丸あたりは出会ったら欲しがりそうだな。

そういえば数日前会った時にフランがお年玉を欲しいと言っていたな。レミリアに貰えるのか分からないから確実に貰えるようにしておこうという魂胆なのだろうが…あのシスコンレミリアのことだからきちんと準備はしているだろうけどな。

折角の新年なのだし、新年の挨拶がてら行ってみるか。他にも挨拶をすべき場所は沢山あるのだし、順々に巡って行こう。

そうして俺は飛び立った。新年という新しい空気を感じながら…

 




フラン「お兄様ー!あけましておめでとー!」
定晴「ああ、おめでとう。フランが言っていた通りお年玉を持ってきたぞ」
フラン「大事にするね!」
レミリア「いや、使いなさいよ」
パチェ「消費するもの貰って大事にするって言っちゃうことよくあるわよね」
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