「さて、始めるかい?」
「ああ、いつでもどうぞ」
「なら…」
言い終わらない内に萃香が突然消えた。
「なに!?」
さすがに驚く。鬼にこんなことが出来るなんて話は聞かないので、きっと萃香特有の能力なのだろう。しかしこれでは分が悪い。炒り豆でも持っていればよかっただろうか。効くかは分からないが。
「早速これ!」
「後ろか!」
しかしそこに萃香はいない。その代わり霧のみが浮いていた。
『あれは攻撃予兆か?』
そう思っていたら、突如霧の中から弾幕が飛んできた。
鬼符【豆粒大の針地獄】
「くそ!」
早速俺もスペルを取り出し宣言する。
俺がスペルカードを宣言すると同時に俺と弾幕の間に壁が形成される。
連射【連続劣界】
これは、正しい結界ではなく、脆い劣界を沢山出現させるスペルである。普通の戦いでは直ぐに壊れてしまうので意味がないが、弾幕ごっこでは弾の大半は相殺されるので少し避けるだけでいい。
「ならば!」
鬼符【ミッシングパワー】
弾幕が出てきた所にまたもや霧が出来てる。よく見てみると、霧から弾が出ているようだ。そして俺は理解する。
「そういうことかよ!」
萃香の戦い方が分かったら、あとはこのスペルをぶつければ勝てるはずだ。だが弾幕が濃すぎて近付けない。
魔理沙にはずるいと言われたが、これも能力なのできっと大丈夫だろう。
剣術【五月雨切り】
輝剣を召喚し…相手の弾を斬っていく。
そして霧に近づいて…
「なな!冥界の剣士でもそんなこと出来ないよ!」
冥界の剣士が誰かは知らないが、まあ斬れないだろう。
だって剣を持ったままの体勢じゃ弾のエネルギーが剣を伝って自分に流れてくるからな。能力で剣を浮かさないと、少し危険な技である。
「というかこっち来るなー!」
鬼神【ミッシングパープルパワー】
萃香の攻撃が激しくなる。だから俺も激しくする。
奥義【大回転五月雨斬】
輝剣が俺の周囲を片っ端から斬っていく。そしたら周囲の弾幕は霧散霧消して道が開ける。そして霧の近くまで来たときに、別のスペルを発動して畳み掛ける。妖怪が多い幻想郷だと、とても相性がいいスペル。
聖地【極楽浄土】
「ふぎゃー!」
萃香が霧状から元に戻る。妖力が俺の力によって浄化されてしまい形を保てなくなってしまったのだ。
その隙をついてトドメのスペル。
包囲【袋の鼠】
このスペルは早く脱出しないと、逃げにくくなる。極楽浄土のスペルが効いて動きが鈍った萃香には、到底無理なわけで…
「ぎゃーす!」
こうしてこの戦いは俺の勝利で幕を閉じた。
「イヤー、強かったねー!」
「萃香もな」
戦いが終わって漫談する俺達。しかし魔理沙は難しい顔をしていた。
それを疑問に思ったのは霊夢も同じようで、俺が質問するよりも先に霊夢が質問してしまった。
「どうしたのよ魔理沙」
「展開が早くて研究できなかったぜ」
「なによそれ」
成る程、魔理沙が望むような結果が出せなかったのか。俺は元から仕事を素早く終わらせることがモットーだから仕方ないと言えば仕方ない。
横から萃香が質問してくる。
「なんで私の正体が分かったの?」
「ああ、あれか。最初はスペルの予兆かなって思ったんだけど霧が移動するし、よく見ると霧から弾が出てたから」
俺がそう言うと萃香は感心したような声を出した後に笑いだした。そして一通り笑ったところで萃香が話し始めた。
「大体の奴は最初全く分からなくて被弾するもんなんだけど。そもそも、最初から霧が見える奴はなかなかいない」
「そうなのか」
つまり最初は何も無い所から弾が出ているように見えるわけだ。それは避けにくいだろうな。どこから出てくるのか、どんな弾が出てくるのか全く分からないということだ。戦闘において無知とは時に牙を剥く。
そんなやりとりをしていたら霊夢が俺に声をかけようか悩んでいる様子だった。だがそれも一瞬で、霊夢は普通に質問をしてきた。
「ねえ、定晴さん?」
「?どしたの霊夢」
「あの極楽浄土って…」
「あれは俺の能力使った純度百パーセントの聖なる力だぞ」
「やっぱりそうなのね」
なにやら難しい顔をしながら霊夢が紫と話している。
というか紫は仕事どうしたのだろう。藍に全て丸投げでは可哀想だ。本当にそうなのなら後日藍にとって最高の食事を作ってやらないとな。
「ねえ定晴?」
話し合いは決着したらしく俺への設問てをある
「なんだ紫?」
「浄化の力はあまり弾幕ごっこでは使わないでちょうだい」
「なんでだ?」
「もしかしたら私達、消えちゃうかもしれないから」
成る程、確かにそれは嫌である。妖怪は聖なる力が苦手なのでこの力は少々…いや、随分危険なものなのかもな。紫には分かったと言って俺は次に魔理沙に近づく。
「次は魔理沙の番だぞ」
「お。そうか。ならやるぜ!」
そして俺は魔理沙と弾幕ごっこをすることになる。
つまりは連戦というわけだ。萃香といい魔理沙といい幻想郷では強い方と言うらしいから俺も強い方だと設問するしかなかった。