東方十能力   作:nite

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遅くなりました。申し訳ありません…


八十八話 大規模騒乱

現場に到着。様々な妖怪が旧都で暴れている。

建物を壊そうとする者、それを止めようとする者、それを阻害しようとする者。

ごちゃごちゃしていて分かりにくいが、どうやらどの妖怪が仲間でどの妖怪が敵なのかを理解しているようだ。

この状況でも認知できるとは中々空間探知能力が皆高いようだ。

こいしが安全なところに隠れたことを確認した後俺はできる限り大きな音を立てて着地する。

前回は来て間もなかったうえ状況把握も完全ではなかったため正体を隠していたが、元々俺に依頼した理由に地上の人間の方が強いという認識を持たせるという事柄も含まれている。そのため結局人間であることを晒すことになる。それが早いか遅いかの差でしかない。

つまるところ俺はここで人間だということを明言しておく方が効率的だと考えた。

 

「争いはやめろ!」

 

大声を出してこの場にいる全ての妖怪の注意を引く。

 

「俺は依頼により地上より来た人間だ!依頼とは即ち、お前たち地底の妖怪の騒乱を止めることである!」

 

俺が公言すると周囲…いや、地底全体がどよめき始めた。

状況を素早く判断したか、反乱勢力であろう妖怪が襲いかかってくる。一人が動いたことを察してか数人がほぼ同時に襲いかかってきた。

 

完全【全方位結界】

 

結界を貼る時に多少速度を付けて吹き飛ばすようにしたため周囲が開けた。襲い掛かってきていた奴らは反作用で大きく吹き飛ばされ遠くに飛んでいく。

周囲の妖怪から大量の殺気が溢れる。それは俺が妖怪を吹き飛ばしたこと、地上から来た事、人間であることなどなど…多くの要因から生まれたものだろう。

 

「地上の人間が何しに来やがった!」

 

どうやら話し合いをする気に…いや、これは返答を聞きその後問答無用で殺すのだろう。

 

「だから言っただろう?俺は地底の争いを止めに来たんだと」

「誰の差し金だ!」

 

さてこの質問。正直に答えてもいいのだろうか。依頼相手はさとりではなく紫なのだ。勿論さとりが紫に話して俺に依頼を回してきたような形だから実質的に紫ではなくさとりなのだが問題はそこではない。

ここで紫と答えれば即刻この争いは止まるだろう。幻想郷で紫の名を知らぬ者はおらず、存在が疑われているほどではあるがその実力がどれほどのものかは知っている。それを相手にしても得は無いと判断して争いをやめるのは明白だ。しかしそれでは根本的な解決になっていない。解決とはすなわち不安の原因を取り除くことである。目の前の脅威が去ったところで意味はないだろう。

ではここでさとりと言うのはどうだろう。その場合矛先は確実にさとりたち地霊殿へと向かう。最悪暴動と共に地霊殿へと押しかけてくるだろう。そうなればさとりたちの命の危険がある。

となれば…

 

「そんなことはどうでもいいだろう?依頼を受けた者は依頼主を秘匿するものだ」

 

黙秘に限る。依頼を出す受けるの関係の中で依頼主のことを話すのはタブーだ。クライアントと請け人の間でトラブルが発生することもあるからな。

だが殺気を含んでいる相手に対して黙秘を貫くのは煽りに近いものだ。当然先程までより殺気の量は多くなる。

 

「ここに来たということは当然死ぬ気なんだろう?」

「んなことあるわけないだろ。地上に家あるし、友人だっているわ。残して死ぬ気なんてさらさらない」

 

戦闘に身を置くものとして死を覚悟することは当然ではあるのだが、俺はこう見えて結構多くの友人がいる。紫が言うには幻想郷に来た時点で外の世界からは忘れられているというのだが、それも本当か分からない。なにせ俺の能力は強力故に副作用というか弊害というかそういったものも多いからな。そのうちの何かが作用して忘れられずに幻想郷に来ているという可能性もある。

 

「そうかい。じゃあ死ぬ覚悟もできずに殺してやるよ!」

 

目の前の妖怪から大量の妖力があふれ出す。これが地底の妖怪の実力か。俺という人間を殺すために本気になっているようだ。

そもそも俺が相手になめられないように高圧的に話しているのも起因しているかもな。

 

「てめえら。先にこいつを殺すぞ」

 

先頭の妖怪の掛け声とともに一斉に動き出す。

1vs多数の戦闘が始まる。

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