東方十能力   作:nite

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九十三話 消息不明

地霊殿に戻りペット達に情報を聞きその場に行って確かめる。

一連の動作は何度も繰り返され、いくつかのことが分かった。

まず一つ。敵(地上侵略に関する妖怪達)はいくつかの会合場所を確保しており、そこを転々としながら会議をしているらしい。その場所は普通の建物だったり横穴だったり地下通路だったりと、多岐に渡っているため今まで見つからずにいたのだろう。

こいしを捜索するための動員数がとてつもなく多いため情報が集まるのが早く、奴らが移動する前に到着できるからこそ分かったことだろう。

二つ目はその会合に出席している妖怪は皆下っ端であり、陽動役として動いているに過ぎないということだ。

誰に訊いても幹部の居場所は知らないといい、どうやって情報伝達をしているのか訊くと途端に気絶したり異常なほどに震えだしたりと、何かしらの脅迫か妖術をかけられているような素振りを見せた。

そして三つ目、どれだけペットや俺が探しても幹部が隠れている場所を見つけることができなかった事から幹部達は地底ではないところにいる可能性が高いということ。

地底は広く、全てを探したわけではないから推測に過ぎないが、俺以上に地底を知っているはずの地霊殿ペットズがこいしや侵略派の足取りを全く掴めないとなると地底にいる可能性は低いと言える。

 

「取り敢えず今日はこのぐらいにしましょうか…」

 

さとりの一声でペット達は地霊殿に戻ってきた。

皆主の命令を守ることができなかったからか、それともこいしを見つけることができなかったからか、それともその両方か…暗い顔をしている。 

 

「俺は多少寝なくても大丈夫だからもう少し探索を…」

「定晴さんも内心疲れているんでしょう?私の前で隠し事は無理ですよ。こいしも自衛できるくらいには力がありますので…」

 

こいしは大丈夫だというが、内容とは裏腹に語気は弱い。さとりだって心配でずっと探していたいだろうに、周囲を安心させるように振る舞う。こういうところが地霊殿の主としての力量ということだろうか。

 

「心が読めると言っているじゃないですか…あまりそういうこと言わないで下さい」

 

そして俺がさとりを褒めると何故か嫌がる。多分褒められ慣れてないだけだろうが、それよりも今はこいしを探索する方が先決である。明日は朝早くに起きて捜索しよう。

魔術には探知系もあるらしいのだが、パチュリーに訊いたところ俺にはできないとのこと。どうやら適正が全くと言っていいほどないらしい。魔理沙やアリスもそこまで適正が高くないらしいし(アリスの場合は人形を操って探させるためそこまで問題ではない)俺の知り合いにも探索が得意なやつはいないので、ここはペットたちの力を借りつつ今日と同じ方法で探していくしかないだろう。そもそもいたとしても簡単に地底に来させてくれるかと言われたら紫が許さない気がする。最近は結構寛容らしいけど。

 

「そんじゃ今日は寝るよ。おやすみ」

「ええ、おやすみなさい」

 


 

「~~~!!」

 

地底某所。誰も人が来ないこの場所には数人の妖怪たちが捕まっていた。

皆子供であり、とても頑丈なロープで縛られている。しかもそのロープにも妖術が仕掛けてあるようで、並の鬼でも切ることは出来ない。そして喋ることができないように口にも道具が付けられ呻き声すら逃がさない。

その妖怪達の周囲は誰もいないように見えるが、実は数人の妖怪が隠れている。どの妖怪も手練れであり、まったくと言っていいほど妖力を感じさせることができない。それもそのはずここで隠れている妖怪は隠蔽能力だけなら地底のどの妖怪よりも優れている者たちである。

音がほとんど出ず周囲に人気がないとして人質が暴れるのは面倒であり彼らにとって不都合である。そのため騒ごうとするたびに隠れている者の一人が妖術をぶつけ黙らせているのだが、いつまで経っても静かにならない妖怪が一人いるせいで彼らは定期的に妖術を使わないといけないことになった。

 

「~~!!!」

「いい加減黙れ」

 

隠れていることが分からないように限りなく無音に近い声量で話す。

 

「やはりこの妖怪だけは少し違うのか?」

「でもこいつって…」

 

地底某所。彼らは疑問が解けないまま隠れ続ける。上の者が動く、その時まで…

 

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