調べて間もなく分かったのが、つい最近(と言っても10年以上も前だが)忍界大戦があったということだ。
そして、現火影とうちはサスケなる人物を中心に多くの忍が活躍していたようだ。
「他の奴らは何してたんだ…?」
しかし、弟がどうなったのかという事実には辿り着けない。この大戦で死んでしまったのか、そうではないのか。
この大戦について調べるか、もっと前の歴史を調べるか少し悩んだが、すぐに決めた。
(私が去った後のうちはまで遡るか…)
大戦で死んでいるのであれば死者名簿のようなものを見なければならないかもしれない。できればそうであって欲しくなかったので女は読んでいた図書を閉じると、また別の資料を探し始めた。
少年は全力で走っていた。
少年の名はボルト。いつも通りいたずら(やや度がすぎているが)をして、逃亡の真っ最中である。
逃亡率は5割五分ぐらいだが、今回は成功したようだ。
後ろを振り返ると
「へっへーん!やってやったってばさ!」
満足げにそういうと、道を離れた。
他の仲間は捕まったかは分からない…が、多分大丈夫だろうと思い。歩き出す。
「…腹減ったなー」
なんとも自由すぎる少年である。
空腹に任せて、飲食店を探しに大通りに戻っていくのであった。
(そんなバカな…)
女は真実に辿り着いた。いや、辿り着いてしまった。
女の一族はとうの昔に、1人を残して全滅していたのだ。その時の被害名簿には、ばっちり家族の名前も載っていた。
女の胸中には様々な思いが巡る。
あの時逃げ出したから弟は死んでしまったのだろうか。
それとも、自分がいたところで抗えないものであったかもしれない。
だが、あの時の決意を保てていればもしかしたら…。
いや、上忍もやられているのに関係ないのでは…。
いやしかし、逃すぐらいできたのでは…。
しばらく茫然としていた女であったが、図書を全て閉じると元にあったところに戻し、図書館を後にした。
せめて墓参りぐらいにと、うちはの集落へ…いや、うちはの集落跡地へふらふらと向かうのであった。
「待てボルト!」
考えなしであったと言わざるを得ない。大通りに出て間もなく、木の葉丸に見つかってしまったボルトは、慌てて来た道を引き返していた。
「やべぇッ!」
このままだと追いつかれてしまう。
だが今日は本当についていた。ちょうど電車が目の前を通り過ぎようとしていた。だが列車は長く、飛び乗ったところで木の葉丸も同じ電車に飛び移れるので捕まってしまうのが目に見えた。
ボルトはスピードを緩めずに、体の前で指を十字に交差させた。
「捕まえたぞコラ!今日という今日は許さねーぞ!」
電車にのったと見せかけて、そのまま電車を飛び越して逃げようとしたボルトはあっさりと捕まってしまった。
だが、反省の色は見られない。どころか妙に得意げだ。
「オイ…反省してんのかコレェ!」
思わず口癖が出てしまったが、気づかない程度には怒っていた。アカデミーで買ったばかりの来客室の壺に落書きをするのはこれで3回目だ。安くないので怒るのも当然か。
「…へへーんだ!今日は俺の勝ちだってばさ!」
一方のボルトは相変わらず得意げだ。どころか勝利宣言ときたものだ。
「何を…」
ポン!
突然ボルトから煙がでた。いや、ボルトが煙になった。
影分身だ。後に残ったのはワナワナと肩を震わせる木の葉丸だけであった。
「やったってばさ!」
電車の屋根の色と同じ色の布をめくりボルトがひょっこりと現れた。電車に乗るか、乗ったふりをするかで迷ったが木の葉丸の怒り様をみていけるのでは、と思ってやってみたのだが面白いくらい上手くいった。この時代にえらく原始的な方法が通用したものである。
「よっ…と!」
頃合いをみて電車から降りると、空腹であったことに気付くが、また大通りに近づく気にはなれない。
少し離れて様子を見ることにした。
住宅街を1人の少女が歩いていた。
少女の名はうちはサラダ。赤メガネの似合う凛々しい少女である。
今日は羽根を伸ばして休もうと、日課の修行を早めに切り上げて帰路についていた。
「…?」
あまり見かけない人が歩いている。
全身黒づくめで正直ちょっと怪しい。
しかも足取りも妙だ。
いつまであれば気味が悪いと避けていたところだが、この後家で退屈するのもどうかと思ったため、少し尾行してみることにした。ついでに隠密の修行にもなるだろうと思ったのだろうか、結構本腰を入れて隠れた。
(どこに行くんだろう…)
しばらく様子を見ていたが、何かを探しているようだと気がついた。しきりにキョロキョロとし、時折手元の紙に目を落としているようだ。
この辺は住宅街で、これといった店はない。誰かに用事でもあるのだろうか。普段であればこの時点で追尾をやめているのだが、どうも帰り道が被っているためやめ時が見つからない。
女の足が止まる。横に顔を向け、目の前の住宅を見つめている。
(…そこ私の家なんだけど。)
声をかけるか迷っているうちに玄関まで近づいてしまった。と思えば表札に目をくれた後、何食わぬ顔で離れて、今度は持っていた紙に目もくれず歩き出した。
(気味が悪い…)
ようやくいつも通りに戻ったサラダは追尾をやめ、母親に相談することにした。
(ひょっとしたらママの知り合いかもしれないし…)
気になるので、母親に確認することにしてさっさと家に入る。
「ただいまー」
「早かったわね。お帰り」
「ママ、あのさ…」
「ん?」
「さっきそこでね…」
思いつくまでは書く