帰郷   作:murakamiP

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過去編なんてなかった


一人祝賀会

センリが上機嫌で道を歩いていると、目の前に飲み屋が出てきた。センリがとった宿の目の前である。

「一人祝賀会と洒落込もうじゃないの。あのクズどものマヌケな死を祝ってよぉ!」

やはり上機嫌のまま店に入っていった。

 

 

 

サクラはうちはの総家系図を引っ張り出して件の墓の主を探していた。そして見つけた。四人家族のようだ。

この家族も「あの夜」の犠牲になったのだろうかと調べるが、どうもそうではないらしい。

九尾襲撃の日に3人が亡くなったようだ。残った一人もその日を境に行方知れずで、亡骸も見つかっていないとのことだ。恐らく死んでしまっているだろう。

となると、やはり分からないのはあの花を供えた人物だ。サスケも覚えているかどうかは分からないが、聞かないよりはいいと思い手紙をしたためる。

サスケは残念なことに、機械を受け付けてはくれないのだ。手紙を鷹の足に括り付けると、空へと放った。

 

 

 

日が沈んだころ、珍しく火影は早く仕事が片付いていた。

ちょうど火影室に用があったシカマルも少し驚いている。

 

「珍しいじゃねぇか。定時に帰れるなんざいつ以来だ?」

「やることが無いのが逆に不安だってばよ…。」

「まぁそう言うなよ。たまには早く帰って、家族のためになんかしてやれよ。」

 

忙しい状況が続くことに毒されてはいるものの、帰りたいと言う気持ちは変わらないのか、そそくさと二人揃って帰路につく。

 

 

 

外へ出て、程なくすると大通りの酒屋の前に黒い塊が落ちているのが目に入った。

 

「あーあ。めんどくせーことになってるなぁ。」

 

塊は人だった。外ですやすやと寝ているのを、店員が起こそうとしている。

「お客さん!こんなとこで寝てたら風邪ひきますよ!」

「うーん…」

 

「今日に限っては絡まれたくはねーってばよ」

早く帰りたいナルトはポツリと言った。

 

ずいぶん飲んだのか、ふらりふらりと立ち上がり、なよりなよりと歩き出す。不安そうに店員が見送る。

そしてシカマルと目があった。合ってしまった。

(ヤベェ!)

(バカ!ジロジロ見てるからそうなんだってばよ!)

 

黒服の女は焦点が合わない目をしながら声をかけてきてしまった。

「おぉー!ボルトくんでゃん!」

息子の名前が出てきてつい固まってしまった。

そう思った時にはすでに正面に回られていた。

 

(やっちまったってばよ…!)

(オメーもダメじゃねーか!)

激しく後悔するナルトたちをよそに、ジロジロと女は見つめてくる。

「んんー?」

 

そして唐突にナルトの肩を叩きながらこう言った。

「一日でこんなにゅい成長しるなんてぇ…。打倒お父さんも遠くわないねー!」

(この酔っ払いはボルトのなんなんだってばよ…)

微妙に呂律のまわらない女に辟易としていると、先ほどの店員が声をかける。

 

「お客さん!それ火影様です!不味いですって!」

大変慌てている様子である。

 

「んー?」

今度はさっきよりまじまじとナルトを見て、

 

「ボルトくんでゃん!」

 

(ダメじゃん!)

シカマルも頭が痛くなってくるような感覚に陥った。

 

「ボルトくんおぼゆぇとけ」

とうとう何を言ってるのか分からなくなってきた。

 

「おれのくそおやじはキュウリに潰されたけど、全滅した日にまた死んでるから!二度死ぬから!マジおもしれー!」

 

何を言ってるのかさっぱりである。そのまま座り込んでしまった。

どうしようもないと途方に暮れていると、そこへ頼もしい救援が見えた。医療忍者のスペシャリスト。サクラである。

「あ!サクラちゃん!…サラダと一緒か…ごめん!ちょっといいか!」

 

買い物帰りだろうか。袋を手に提げているサクラと、少し離れたところでショーウィンドウに目を向けるサラダを確認しつつも、ナルトがサクラに声をかける。

 

「どうしたのって…いいわよ。聞かなくてもわかるわ。」

「助かったな、ナルト。」

「本当にな…」

 

サクラが泥酔する女に声をかける

「ほら!しっかりして!」

「うーん…?」

「アルコール抜きますからね!」

 

そう言って掌にチャクラを集めていると後ろから声がかかった。

「ママ…その人…」

「え?」

声の主はサラダであった。

 

「今日家の前でウロウロしてた人…」

「え?この人が?」

 

サクラは目の前の人物に目を向ける、見た感じはただの呑兵衛である。格好は全身黒で少しボロの笠を後ろに掛けている。正直たしかに怪しい。

だが、酔っている今なら話が早いかもしれない。

施術しながら問いかける。

 

「あなた、今日お墓まいりした?」

直球である。そして女も隠す気は無いのか

「おーしたした。」

あっさりと答えた。

 

「…誰のお墓に?」

核心に迫る質問である。そしてここからが完全に問題発言であった。

 

「おー、あそこに弟がおったからさ、まいったわ」

(…!まさか!)

 

「あなた名前は?」

「んー?せんり!」

元気いっぱいである。

 

「センリさん苗字は?」

「今はねーよ!あんなクズどもの名前なんか捨てたわ!」

「…その人たちはなんて言う人なの?」

 

そして、これのせいでナルトとシカマルは帰れなくなってしまった。

「あぁ〜、うちはっていう仲間割れで滅びたマヌケどもだよぉ!」

 

「「「…はぁ!?」」」

 

「あっ…あんまりでかい声出さないで、いまアレが出そうだから…うっぷ」

「ちょ!ちょっと我慢しなさい!トイレまで我慢するのよ!」慌ててサクラが横に回り、トイレへ誘導しようとした瞬間、センリは汚い水遁の術を発動したのであった。

 

 




きたない
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