呪われ編集者と焼死作家の物語   作:AugustClown

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お久しぶりです。作品のAugustClownです。
ものすっごい久しぶりに書きましたが書けないもんですねぇ。
至らない部分があるかもしれないですが……それはほら、久しぶりという事で大目に見てやってください。


ではどうぞ〜


第四話

 

 

 

先生に連れられ着いた先は街中にある何の変哲もないビルだった。とても病院があるようには見えないが……まぁ嘘をつくメリットもないし此処で間違いないのだろう。

 

「ここの3階にある。エレベーターはないから階段であがるぞ」

「あっ、はい」

 

 

 

黙々と階段を上がり扉を開けると確かにそこは病院と言って差し支えない体相をしていた。正方形の形をしてるであろう部屋の左側には3人がけのソファが2つ横に並び、逆には受付員が居ない受付台が形ながら存在しており、奥の方には診察室と書かれた掛札が垂れ下がった扉が見て取れた。

 

「行くぞ」

 

先生はそう短く言うとお構い無しに進み掛札 のあった扉を三回ノックして返事も聞かずに扉を開ける。先生の遠慮の無さに驚きつつ私は後ろについて行った。そして扉の先には白衣を着た綺麗な女性(・・)が椅子に座っていた。

 

「あら〜あすくんじゃない♡お久しぶり、元気にしてた?……ってあら〜なになにあすくんが女の子連れてくるなんて珍しいじゃない♡︎彼女〜?」

「そんな訳ないだろ。っていうかあすくんと呼ぶなと何度も言っているだろ!彼女は俺の新しい編集者で"宿主"かもしれない女性だ」

「あ〜なるほど」

 

……先生、萌花ちゃんと翔真さん以外に喋れる人いたんだ!いや、そうじゃないなんか気になるワードが出た気がしたけどまずは挨拶だよね。

 

「初めまして月宮詩葉です。特異体質専門の方と伺っていたので綺麗な女性の方で驚きました」

「あらヤダ、あすくん聞いた〜?綺麗ですって!」

「突っ込むとこそこじゃないだろ!月宮、コイツは男だ」

「ふぁっ!?」

「驚かせてゴメンねぇ」

 

正直今頭の中が整理出来てない。見た目は髪も長く、声も高い。だが、男だ。顔も綺麗だし仕草も女性らしい。だが、男だ。……ヤバい私の中で男性という物がゲシュタルト崩壊しそうだ。私が頭を抱え唸っているのを見て焔原先生は腕を組み一つため息をつき、女性医者(偽)は手元に手を当てクスクスと笑っている。

 

「落ち着け月宮。まだ互いの自己紹介すら終わってないのにそんなんでどうする」

「焔原先生!先生は男性ですか!」

「馬鹿な事をほざくな!俺は男だ!そしてそこに座ってるのも男だ!」

「嘘だァァァ!」

「アハハハハハ!何そのやり取り!ヤバいお腹痛い!」

 

私と先生のやり取りがツボったのか先程口元にあった手とは逆の手をお腹に添え、大笑いする女性医者(偽)。少し経つと落ち着いたのか目尻の笑い泣きにより出来た涙を指で払い此方に顔を向ける。

 

「は〜面白かった!取り敢えず自己紹介ね。特異体質専門の医者をやってます、本名は名乗らない主義なのでDr.ナオと呼んでね♪性別は生物学上あすくんの言う通り男で合ってるわ」

「嘘だァ……」

「いい加減認めろ。本人がいってるんだから」

「うぅ……」

「私身体何も弄ってないからアレだって付いてるわよ?」

「何を言ってるんだお前は……」

「なに〜?あすくんは何を想像したのかな〜?」

 

そう言うとDr.ナオはニヤニヤと先生を見る。……そう言えば。

 

「あの、Dr.ナオはなんで先生を『あすくん』って呼ぶんです?」

「ああ、ただの渾名よ。飛鳥だからあすくん。ね?安直でしょ?」

「先生下の名前飛鳥って言うんですね」

「あら、知らなかったの?」

「ええ、私達知り合ってまだ一週間ですし……」

「別に下の名前なんて知ってなくても問題ないだろ」

「今度から先生のこと飛鳥先生って呼びますね♪」

「やめろ。それより早く本題に入れ」

 

しびれを切らしたあすくんこと焔原先生は無理矢理話を変える。いや、元々はこっちが本筋だったんだけど……。

 

「そう…ね。じゃあ詩葉ちゃん、椅子に座って楽にしてくれるかしら」

「は、はい……」

 

さっきまでのおちゃらけた雰囲気から急に真面目な表情に変わった為面をくらってしまった。椅子に座るとDr.ナオがじっとこちらを見つめる。何かな?仲間にして欲しいのかな?Dr.ナオが仲間にしてほしそうにこちらを見ている…的な。そんな馬鹿なことを考えているとDr.ナオの眼の変化に気が付く。さっきまでは日本人らしい茶色の眼をしていたのだがいつの間にかライトグリーンに色が変化していた。

 

「Dr.ナオ、その眼……」

「あら、驚かせちゃったかしら。この眼は妖精眼って言って、目に見えないちっちゃな妖精や、あすくんみたいな宿主の中にいる妖精の本来の姿を見る事が出来るのよ」

「それで、月宮は宿主だったのか?」

「ええ、間違いないわ。詩葉ちゃんの中にいるのはリャナンシーと呼ばれる妖精ね」

「リャナン…シー……?」

 

なんだその妖精は……私の中の妖精のイメージってちっちゃくて羽生えてるティン〇ーベルみたいなイメージしかないんだが……。なんか先生がうんうん頷いてるけど納得してないで教えてもらえませんかねぇ……。その目線を感じたのか若干面倒くさそうに先生が口を開く。

 

「リャナン・シー又はラウナン・シー、別名『妖精の恋人』……主にアイルランドで知られる女性の姿をした妖精で、彼女らの愛を受けいれた者達は詩や歌の才能を与えられるという。その代わり毎日精気もしくは血を吸われることからバンパイアやサキュバスの仲間と言われている」

「説明ありがとうございます。と言うか流石言葉の専門家私達は途中点入れませんでしたけど先生はちゃんと点入った言い方してましたね」

「当たり前だろ、俺が何で飯を食ってると思ってるんだ。それにしてもリャナン・シーか…月宮の呪いの正体が解明したな……いや、悪気があった訳じゃない」

「気にしてないんで大丈夫です。呪いです…か……まぁ間違いじゃないですよ。現に三人の作家が亡くなってる訳ですから呪いと呼ばれてもしょうがないです」

 

務めて明るく振舞ったつもりだが矢張り内容が内容だけに暗い空気になるのは仕方ない事だろう。私が原因であの先生達は亡くなったのかと思うと罪悪感が胸に込み上げてくる。リャナンシー…『妖精の恋人』……そんな物が私の中にいなければあの人達は今も生きられていたのだろう。

 

「別に月宮が悪いわけじゃない。気にするなとは言わないが気負い過ぎると良くないぞ?」

「気にしますよ…だって私が殺したようなものじゃないですか……」

「寧ろ俺からしたら良かったと思うがな」

「……っ!どうしてそんな事がいえるんですか!」

「何故ならそいつ等は"月宮詩葉"にその作品を愛されたんだ。人数がどうであれ、その読者がどんな境遇であれ、作家にとって作品を愛される事は何より嬉しく誇らしい事だ。それを無下にする作家など俺は作家と認めない!」

 

そう先生は何時もよりも何倍も強い口調で言いきった。だけど私には理解出来ない。だって…どんなに良い作品を残したとしても……。

 

「それでも死んだら意味無いじゃないですか……」

「いい作品が生み出されたという結果が大事なんだ。それに作家は基本半屍状態がデフォルトの生き物だろうに……。やれ締切だなんだと……」

「でも先生は締切破ったことないじゃないですか」

「締切一週間前に取り立てて来る阿呆がいるもんでね」

「あぁ、居ましたねそんな馬鹿も……」

「やっと何時もの顔に戻ったか」

「へぇっ!?」

「お前にそんな顔をされては俺が困るんだ」

 

不意打ちが過ぎませんかねぇ…この先生は……。ヤバい顔が熱いよ……。何故かお互いに顔を赤くして照れているとDr.ナオの方からわざとらしい咳が聞こえる。あっ、完全にドクターのこと忘れてた……。

 

「取り敢えず詩葉ちゃんの担当があすくんから変わらない限りは問題無さそうね。というかホントに会って一週間なの?会話の内容が付き合って半年のカップルみたいだったんだけど?」

「付き合ってません!というかなんで焔原先生は大丈夫なんですか?」

「それは俺がフェニックスの宿主だからだよ」

「そう、だからどんなに二人がイチャラブしようと詩葉ちゃんがあすくんに文才をあげようとフェニックスの特性で打ち消しちゃうってわけ」

 

ダメだこの医師…私達の事を完全に遊び道具として見てやがる……。

 

「前半部分は全く理解出来ないですが後半は理解出来ました」

「まぁそういうことだから漆山が自慢する程の手腕をぜひ発揮してくれたまえ」

「えっ?アイツそんなことしてたんですか?」

 

これは初耳である。漆山は基本愚痴は言うが褒めるという事は少ない。こと仕事において奴が褒めている所など一度も見たことがないくらいだ。マジか〜私アイツに褒められてたのか〜。

 

「あぁ、君が入った頃から話は聞いていたよ『いい後輩が入った。お前に合うかもしれないから一度あってみてくれ』と言われていたほどだ。まぁその時は会う気などサラサラなかったけどな」

「まぁ丸く収まりそうだし良かったわ。さ〜て午後の診察もあるしそろそろ良いかしら?」

「えっ?今営業時間じゃなかったんですか?」

「ランチタイムよ?診察ストップしてるに決まってるじゃない」

「これまたご迷惑を……」

「良いのよ。それにあすくんがあんなに表情を出すの久しぶりに見たしね♪」

「余計な事は言わなくていい。邪魔したな」

 

そう言うと先生は診察室の扉を開け、足早に出口へと向かっていった。

 

「わわっ!すいませんお世話になりました。失礼します」

「い〜え、お大事にね〜♪」

 

一礼しながら診察室を出て先生の背中を追う。小走りで行くと先に出ていた先生が壁によっかかって待っていた。

 

「待つくらいなら一緒に出ればよかったのに……」

「あんな所にいたら何話されるか分かったもんじゃないんでな。ほら帰るぞ」

 

そう言ってまた先生は足早に階段を降りていく。その背中を私は見失わないようについて行くのだった。帰り道、仕事の話をしながら帰っていると先生の家に向かっている下校の萌花ちゃんとあい、途中にあったケーキ屋さんでケーキを何個か見繕って(先生の奢り)先生の家へと戻ったのであった。

 

 

 

 

 




最後らへんやっつけになってる感は否めないですよねぇ……ええわかってます。分かってますとも。なのでもしかしたらこの後五話考えながら最後らへんを変えていくかもしれません……。
感想・批判どちらも待ってます。誤字脱字などもあったら知らせて頂けると嬉しいデス。

ではまたノシ
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