ひこうじょう PPP編   作:くにむらせいじ

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 まえがき

 くにむらせいじ(別名『SEY_Y』又は『SAY_Y』)です。

 これは、以前書いたSS『ひこうじょう(通常版)』の別視点版で、PPP(ぺパプ)を中心にしたおはなしです。特にフルルに重点を置いています。

 『ひこうじょう(通常版)』と、『ひこうじょう PPP編』は、表裏の関係になっており、どちらを先に読んでも構わないです。ただ『PPP編』は、『通常版』の裏側で起きていたおはなしなので、『通常版』を読まないと分からない部分があります。その逆もちょっとだけあります。

 文章が下手なうえに無駄に長いです。内容はあらすじに書いた通り、「“見る側”の物語」で、需要がほとんどない作品だと思います。
 「“見る側”の物語」以外の要素もけっこう入っています。一応終盤は盛り上げたつもりです。

 筆者は飛行機が好きなだけの素人です。いろいろと間違っているかもしれません。




第1話「飛べる鳥」

 

 黒い巨大セルリアンとの戦いのあと、かばんたちを島の外に送り出すための代替案を探していたツチノコは、島の海岸にある飛行場の格納庫に、ヒトが残していった飛行機(双発のプロペラ機)を発見した。 ※1

 

 

 

 飛行機が発見されてから数日後。飛行場の管制塔の2階(窓のある最上階)。

 

 壁際の床に、アルミ製の箱が置いてあった。それは低い椅子ほどの大きさで、肩掛け用のひもがついていた。箱には、何かのシンボルマークや文字のステッカーがいくつか貼られていた。

 ツチノコのピット器官の透視映像では、箱の中にごちゃごちゃしたものがぼんやり映っていた。

 ツチノコが箱の蓋の二つの止め金を外して、蓋を開けた。

 

 ツチノコは目を見開いて驚いた。

 

 箱の中には、デジタル一眼レフカメラや交換レンズ、一脚などの撮影機材※2 が詰まっていた。

 

 

 

 ツチノコは飛行機を飛ばせるように修復と調整をしようとしたが、かばんたちの出発には間に合わなかった。

 

 かばんたちが島を旅立った後も、ツチノコは飛行機を飛ばすことをあきらめず、飛行機を飛ばすこと、それ自体を目的として、島のフレンズたちに協力してもらい、飛行機の修復を続けた。

 アフリカオオコノハズク(はかせ)とワシミミズク(助手)の協力で、図書館の本と、格納庫に残されていた整備マニュアルから知識を得た。アメリカビーバーの設計、タイリクオオカミによる図面の作図、オグロプレーリードッグの工作、その他多くのフレンズたちが協力して、劣化や損傷した部品の代用品の調達や製作、機体の調整などが行わた。

 

 飛行機は、飛行可能な状態に近づいていた。

 

 修復後の初飛行時の機長はツチノコ、機上整備員はオグロプレーリードッグとアメリカビーバーに決まった。しかし副操縦士が決まっていなかった。多くのフレンズたちに声をかけて、副操縦士選抜試験と、操縦訓練が行われることになった。

 

 

 ステージの楽屋。

 

 楽屋にはPPP(ぺパプ)のメンバーと、マーゲイがいた。

マーゲイ   「というわけで、みなさんに副操縦士選抜試験、ならびに操縦訓練に参加していただきたい、とのことです」

コウテイペンギン(コウテイ) 「それって、すごくむずかしいんじゃないか?」

マーゲイ   「参加は強制ではありません。もし興味があって、スケジュールの都合が合えば、とのことです」

イワトビペンギン(イワビー) 「おもしろそうじゃねーか。受けてみようぜ」

ロイヤルペンギン(プリンセス)「PPPのPRになるかもしれないわね。でも、一回の訓練に丸一日くらいかかるのよね? スケジュールは調整が難しいんじゃないかしら」

ジェンツーペンギン(ジェーン)「しばらく大きいイベントはないですから、レッスンを削ればなんとかなるんじゃないですか?」

マーゲイ   「最初のシミュレーターの試験だけなら、スケジュール的には問題ありません。ただ、その先は難しいかもしれません。あまり危険なことはしていただきたくないですし……」

 

フンボルトペンギン(フルル) 「もぐもぐ……空を飛んでみたいよねー」

 

 ジャパリまんを食べていたフルルが突然言った言葉に、他のPPPのメンバーとマーゲイはハッとして、驚いた。

 

プリンセス  「PPP(ぺパプ)が空を飛べるのよ! やってみようじゃない!」

 

 

  [ 操縦訓練 第1回 ]

 

 操縦訓練と試験には、温泉宿 ※3 のシミュレーター(ゲーム)が使用された。

 

 温泉宿の玄関前に、キタキツネとギンギツネがいた。それに加えて、操縦訓練を受けに来たフレンズや、ギャラリーが15名ほどいた。

 

ギンギツネ 「中に入りきらないじゃない……」

 ギンギツネが遠くを見た。

ギンギツネ 「なんかあやしい恰好の子たちが来たわね……」

キタキツネ 「あの子たち、ぺぱぷだよ」

ギンギツネ 「まさか。アイドルがこの訓練に参加するわけないでしょう」

フレンズA 「あの毛色は……ペンギン?」

フレンズB 「ぺパプ? ぺパプが来たの!?」

フレンズC 「本物だ! 5人そろってる!」

フレンズD 「顔についているものはなんだろう?」

 PPPのメンバーはサングラスをかけて、マスクをつけた格好で温泉宿にやってきた。

プリンセス 「ばれてるじゃない!」

 PPPのメンバーの声は、マスクのせいでくぐもった声になっていた。

マーゲイ  「なんででしょう? はかせたちが 『(はかせの声色で)サングラスとマスクを貸してあげるのです。これをつければ目立たずに行動できるです』 『(助手の声色で)完璧な変装なのです。われわれはかしこいので』 とおっしゃっていたのですが……」

コウテイ  「むしろ余計に目立っている気がするぞ……」

イワビー  「息苦しいし良くみえねー……こんなの取っちまおうぜ」

マーゲイ  「せめて中に入るまでは付けていてください」

 PPPのメンバーが温泉宿に入り、サングラスとマスクを取ると、中にいたフレンズたちから歓声があがった。それと同時に、強い閃光(フラッシュ)がPPPのメンバーに当てられた。

イワビー  「おわっ!」

プリンセス 「なに!」

コウテイ  「目が……」※4

ジェーン  「なんですか!? いまの!」

フルル   「ぱぱらっちだね」

イワビー  「フルル、わからないことば使うんじゃねーよ」

マーゲイ  「撮影は許可をとってからおねがいします!」

 

 

 フレンズたちが代わる代わるシミュレーターの座席に座り、短時間ずつの操縦訓練を行った。  ※5 教官役はツチノコだった。

 

 

  ---- ト キ ----

 

 シミュレーターで、トキが飛行機を操縦していた。しかし、飛行機はふらふらと左右に旋回を繰り返していた。

ト キ   「動きがにぶい。思うようにいかない。それに、気流が読めないわ」 ※6

ツチノコ  「やはり鳥系はダメなのか……」

 

プリンセス 「つぎはわたしたちの番ね」

ジェーン  「鳥の子たち、みんなうまくいかないみたいですね」

コウテイ  「わたしたちにできるだろうか……」

プリンセス 「そんなの、やってみなけりゃわからないわ」

フルル   「むこうにジャパリまんいっぱいあったよー」

イワビー  「緊張感のかけらもねーな……」

 

 トキの訓練が終わり、トキがシミュレーターから降りてきた。

ショウジョウトキ「これ、なんか気持ちわるいですよね」※7

ト キ   「なんでこんなものに乗るのかしら」

フルル   「飛びたいからだよ」

 

ト キ   「シンプルな答えね。じゃあ、なんで飛びたいの?」

 

 

 

 つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

※1 飛行機と飛行場の詳細は、第1話のあとがきに書いてあります。

 

※2 撮影機材の詳細は、「あとがき・設定」(第10話扱い)に書いてあります。

 

※3 「温泉宿」と書いていますが、あそこは宿ではなく入浴施設だけなのでは?とも思います。「温泉」だけだと「源泉」と混同しそうなので「温泉宿」の表記にしています。

 

※4 室内でサングラスを取った瞬間に、強力なストロボ(フラッシュ)を正面から当てられると、網膜を痛めるかもしれません(特に夜行性のフレンズは危険かも)。そこまでいかなくも、赤目になる可能性が高いです。今回は、廊下の角に隠れていたカメラマンが斜め横からフラッシュを当てたのですが、コウテイはたまたまそっちのほうを見てしまいました。

 

※5 本当はひとりずつしっかりと時間をとって訓練したかったのですが、人数が多すぎたため、短時間ずつの操縦訓練になりました。それでも一日では終わらず、「操縦訓練 第1回」は、三日間にわたって行われました。その後は回を重ねるごとに人数が減っていき、「選抜試験 第2回 兼 操縦訓練 第4回」で、ひとりに絞られました。

 

※6 シミュレーターの設定は無風になっています。従って風を読む必要はないのですが、鳥系のフレンズは、体で空気の流れを感じられないと飛びにくいようです。

 

※7 「ひこうじょう(通常版)」でも思ったことですが、ショウジョウトキの喋り方は、登場時はですます調でも、この頃にはくだけた喋り方に変わっているのではないか?とも思います。でもアニメではセリフが少ないので、よくわかりません。

 




 あとがき

 読んでいただきありがとうございます。


 以下の設定は、以前書いたSS『ひこうじょう(通常版)』と同じです。

 使用機体の設定

 中古の ビーチクラフト キングエアC90(C90GT) に、ラッキービーストとリンクできる改修を施したものです。主にパークの職員の移動用に使用されていました。塗装は塗装は白と青のツートンカラーで、後部胴体側面とエンジンナセルに、けもフレのシンボルマークが入っています。垂直尾翼の右側には青緑色の羽、左側には赤い羽のマークがあります。
 コックピットはグラスコックピットではありませんが、計器の一部がディスプレイになっています。
 元々は3機あり、1機が島を去って、予備機が残され、残りの1機は本土の整備工場にあります。機番は、予備機がJA83JP、島を去ったほうがJA82JP、整備工場にあるのはJA81JPです。

↓こんな感じです。

【挿絵表示】
ビーチクラフト キングエアC90(C90GT) ジャパリパーク仕様

 本当は軍用機、戦闘機が好きなんですが、なぜこんな地味な飛行機を選んだのかというと、「ジャパリバスの飛行機版」にしたくて、「6~10人乗りで、扱いやすくて、小さな飛行場でも運用できて、比較的生産数が多く、現在国内で使用されていて、今後も使用され続けるであろう機種」を選んだ結果、この機体になりました。
 けもフレはファンタジーなんだから、オリジナルの飛行機でもいいじゃないか、とも思ったのですが、それだと映像を思い描くために「デザイン(設計)」をしなければいけないので、こうなりました。


 飛行場の設定

 公式設定では、多分飛行場は存在しないと思います(私が知らないだけで、実はあるのかも)。 この飛行場は海岸にあるという設定です。明確な位置の設定はありませんが、アニメ1期12話の、船が沈んだあたり(キョウシュウの東側?)に近いと考えています。
 ここの海岸に作られた理由は以下の通りです。
 ・フレンズのいる陸地の上を低空飛行するのを避けるため。
 ・島の中央部の山岳地帯への衝突、山岳地帯のおこす乱気流を避けるため。
 ・サンドスターの影響による気候や現象(強い日差し、強風、砂嵐、降雪など)を避けるため。
 ・長い平坦な土地が確保できるため。
 ・港に近いため。
 ・向かい側にゴコクエリアがあるので、波が弱い(かもしれない)ため。
 欠点は、潮風により設備や航空機が痛みやすいことと、津波が来たらアウトなことです。(防波堤はありますが、低いです。)
 滑走路は、海岸線に平行に走っていて、平坦な砂浜を利用し、少し海を埋め立てて建設されました。長さは1200mくらいです。滑走路番号は01/19です。 飛行場の位置が曖昧なため、海岸線と滑走路の関係がおかしいかもしれません。滑走路が短いため、ジェット機の運用は困難です。滑走路の海側に、簡単な防波堤があります。滑走路と平行にのびる誘導路は無く、エプロンと滑走路が直結しています。

 格納庫は、キングエアC90GTが2機入って少し余裕がある大きさです。ホイストがあります。格納庫裏の少し離れた所に燃料貯蔵タンクがあります(傷んでいましたが、中身は無事でした)。
 エプロン(駐機場)は小型旅客機(737クラス)が2機駐機できるくらいの広さです。
 管制塔は最小限のもので、格納庫と繋がっています。レーダーや無線設備もありますが、故障して機能していません。
 電源は、温泉の地熱発電や、太陽光発電が利用できました。

↓飛行場の設定画(地図)です。物の大きさの比率は、いい加減です。トラフィックパターンが書いてありますが、SS本編と矛盾するかもしれません。内容的に、この通り飛ぶ必要はないと思います。

【挿絵表示】




 [ 初投稿日時 2018/06/02 19:00 ]
 
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