博麗の兄   作:エンゼ

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異変とつにゅー


喧嘩九回目

「だ──か──ら──!!絶対団子はあんかけでしょ!!」

「い─や、団子はみたらしだ。異論は認めん!!」

「...どうやら実力で分からせる必要があるようね」

「お、やるか?弾幕ごっこ以外ならウェルカムだぞ」

「じゃあ弾幕ごっこね」

「よしわかった、殴りあいな」

「はぁ......なぁ、あんかけとみたらしが二個ずつ両方ともあるやつがあるだろ?あれでいいじゃねぇか」

「「いや、あれは邪道だ(よ)」」

「なんなんだよお前ら!!」

 

いつものような喧嘩、いつものような息ぴったりなところに私はため息をつく。

行方が分かんなかった霊華が戻ってきてから霊夢が落ち着いてから安心していたが...喧嘩を見ると面倒くさいと本当に感じる。これがこいつらの日常とはいえ、なぁ...

 

「まあ、今日はちょっといつもとは違うな」

 

そういって私は赤い霧が出ている空を見上げた。

今、幻想郷は赤い霧によって包まれているのである。

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

「ったく、なんで俺まで...」

「いいから来なさい馬鹿兄貴。博麗の巫女からの命令よ」

「へーへー了承でさぁ巫女サマ」

「...むかつくわね。異変解決の前に退治しておきましょうか?」

「お前ごときに遅れを取る俺じゃないぜ?返り討ちにしてやらぁ」

「まったくお前らなぁ!!こんな時位大人しくしろよ!!」

 

現在、幻想郷に発生した謎の赤い霧。これは人体や農作物等に被害があるため、これを解決するために博麗の巫女である霊夢──と何故か霊華と魔理沙が来ていた。

霊華は何故か...本当に何故か霊夢から来いと言われてしぶしぶ来ていた。それを見た魔理沙が『二人で行かせたら絶対にぐだぐだするぜ...』ってことで...まぁ謂わば仲裁役として着いてきた。苦労人である。

 

「にしてもだなぁ...今回の異変、初めてのスペルカードルール採用なんだってな。何で俺連れてきたんだよ霊夢...俺スペルカードなんて一枚もねぇぞ?」

「だからこそよ。いざと言うとき身代わりに出来るでしょ?」

「ひでぇなおい」

 

そんな会話をしつつ霧の元凶...は、まだよく分かってないが、あの辺りじゃね?って方向へ向かう三人。

道中に常闇の妖怪やら氷の妖精やらを瞬殺しながら進んでいく。

 

「空飛べるってすげぇなぁ...」

「いや、飛んでる私達にジャンプで着いてきてるお前の方がすげぇからな!?」

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

「おー...あの湖越えてからなんか霧が濃くなってきたな」

「そうね...この先にこの異変の元凶がいるのかしら」

「周りにあるものも人工物のようだしなぁ...なぁ、マジで俺帰っていいか?」

「くどい」

「さいですか...」

 

露骨に表情を歪めて立ち止まる霊華。そんなことは知らねぇと言わんばかりに霊夢と...完全に異変の発生源に興味をそそらてた魔理沙が先へ進む。

 

「...しゃーねぇ、いくか」

 

 

と、ある程度霊華が進んでいくと止まっている二人を見つけた。どうやら...話をしているようである。

話をしている相手は...派手な色の服を来た長い赤い髪を持つ女性だった。その佇まいから格闘家のように見える。

そして後ろには霧の発生源であろう謎の赤い館...言うなればこの女性は門番のようだった。

 

「...ん?」

 

霊華はすぐ感じ取れた。

 

「こいつ...武道派か」

 

するとその門番も霊華の方を向いた。相手も気付いたようだ。霊華が武道派だと。

 

「...霊夢、ここは俺に任せちゃあくれないか。こいつは俺がなんとかするからさ」

「...まぁ、最初からそのつもりだったわ。行くわよ魔理沙」

「え!?...霊夢の兄貴は弾幕ごっこ出来ないんだろ?大丈夫なのか?」

「えぇ大丈夫よ。だって、今から馬鹿兄貴がやるのは弾幕ごっこじゃないもの」

「...はぁ?」

 

霊夢はササッと後ろを振り返らずに館の方へ進んでいった。魔理沙はまだ納得してない様子だったが、館への興味が勝ってしまい同じく館の方へ行った。

残ったのは霊華と門番のみ。

 

「...随分あっさりと通してくれるんだな?」

「お嬢様から受けた命令はただ一つ。『博麗の巫女とスペルカードルールで戦って負けろ』です。最初からここを通すつもりでしたよ」

「なるほどね...」

「...ですが、私はあなたを通す訳にはいきません」

「出来れば霊夢のやつを見守りたいんだがな...それは命令なのか?」

「いいえ、私の個人的な話です。あなたのような一目で強いと分かる人なんて初めて見ました!...さぁ!!ここを通りたければ、私と戦いなさい!!!」

 

門番はさっきまで無かった殺気のようなものを垂れ流して霊華に浴びさせる。しかし霊華はこれに動じず続けた。

 

「そうかい...なら、通してもらう為には戦わなきゃ駄目ってことか...実は俺もな、お前みたいな相手と戦うのは初めてなんだよ。基本人外だったしな...だから、正直お前と戦えることを期待してた!」

 

霊華は門番に向けて清々しい顔で叫ぶ。

 

「名を名乗ろう!!俺の名は『博麗霊華』!!当代博麗の巫女、『博麗霊夢』の兄貴だ!!」

 

それに応えるように門番も叫んだ。

 

「私の名は『紅美鈴』!!この紅魔館の唯一無二の門番です!!」

 

お互いの自己紹介が済んだかと思えば二人は同時にニヤッと笑った。

 

 

 

 

 

「いざ尋常に!!!」

「勝負です!!!」

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