少女探偵先生は小玉スイカを頬張る。
「うまっ・・・・ぶほっ・・・
いやぁ~生きてるって気がする!貞君もおたべ!」
お客さんからいただいたスイカをほおばりながら
助手の砂生田にも勧める少女探偵濱汰魔羽。
「せ、先生・・・机がびしゃびしゃなんですけど・・・」
「細かいことは気にしない!そんなの拭いたらいいでしょ!
まずは、旬のモノをいただかないとね!
初物なんだからーーーーーーーー冷たいうちに早く食べなさい!」
「はぁ・・・・なんかこう、強引かなーって思うのは
気のせいかな・・・・・お茶入れてきます。先生も
飲みます?」
「んぐっ。お茶と言ったらスィーツね。冷蔵庫に
アイスミルクバーあるから、持ってきて。貞君もテキトーに
とってきていいから」
「スイカ食べて、アイスですかぁ?お腹こわしちゃいますよ・・・」
「とにかく好きにしなさいよ。あたしは、お茶のんだら
甘いモノ食べたくなるの!ついでだから、持ってきてよね!」
「はぁ・・・・わかりました」
助手の砂生田貞夫は、抹茶入り高級煎茶を入れると、冷蔵庫から
アイスを1つだけ取りだし、書斎に向かった。
部屋のソファはイタリア特注の革製品であるのにも
関わらず、魔羽は無頓着な性分故、スイカやらアイスやらが
飛び散っても気にならない様子。
自分のものでもないのに、汚れが気になる砂生田は
すかさずソファの汚れを拭き取った。
「貞君~!!!そんなこといいから、冷たいうちに
食べなさいよぉ~!!!」
「いや・・・シミになりますから・・・・」
「そんなこと、どーーーーーでもいいのよっ
早く、次の相談依頼持ってきて!」
「食べろって言ってみたり、相談もってこいっていってみたり・・・
はぁ・・・うちのご主人様は、ほんと無茶ぶりだなぁ・・・」
砂生田は、一旦書斎のPCに向かい、相談内容をプリントアウトしてから
それを魔羽に手渡し、ソファに座って、先割れスプーンで
スイカを丁寧に食べ始めた。
「ほごっ・・・うわっ・・・このスイカ、おいしいですね!」
「そりゃそうよ。鈴木さんスイカ農家だもん。
一番おいしいところを下さったのよ。前の相談、おまけして
あげたからねーーーーーー」
「そういえばそうでしたね・・・先生、次は、おこさんの件らしいですよ」
「あー、これね。ふーん。見積もりの返事はいつまで?」
「今日中ならいいかと」
「今日中って深夜12時まで?」
「いや・・・・それは常識外かと・・・・」
「んなら、ちゃんと時間いいなさいよ!
それに合わせて見積もり出すから!」
「んもーーーー、先生ってなんでそう
デジタルなんですか・・・。アバウトって言葉が
辞書にないんですか?そのくせ、食べ方とか汚いし・・・」
「うーーーるーーーーさーーーーーーーい!!!!
6時なら6時に出すわよ?いいね?」
「はぁ・・・・6時なら問題ないかと・・・・」
「じゃ、それまでに出すから、電話しといてねーーーー」
【相談内容】
うちの子は、気になることがあると
ずっとそのことばかりに夢中になるんです。
先日もアゲハチョウをみつけたら、蝶々をおいかけていって
山の中まで入って行ってしまったんです。
その時に、持たせていた手帳を無くしてしまって・・・
それにはうちの子が大事にしていた押し花が
貼ってあったんです。
それがないといって、今、大変なことになっています。
見つかるまで学校に行かない、今から山に行くと言って
きかないんです。
とりあえず、主人に探しにいかせていますが
もう、飛び出しそうな勢いで興奮しています。
なんとか、お力を貸してください。
「ちょーーっとーーーーー!!貞っ!
あんた、これ6時とか言ってるけど、緊急じゃん!
なんで、そうのんきなのっ!!!!
すぐに電話するからねっ!!!!!」
「はぁ・・・・すいません」
(トゥルル・・・・・・)
「もーしもーしーーーーー
あたくし、先程ご依頼いただいた濱汰探偵事務所の
濱汰魔羽ですぅ
今から、そちらにお邪魔しますので、よろしいですか?
本日中に事件解決いたしますから。とにかく伺いますね!」
魔羽は食べていたスイカを残して、事務所を飛び出した。
「せ、先生、アイスは・・・・!」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!早く
車出しなさい!」
砂生田は、魔羽の即断の速さに、おろおろしながら
車のキーを取り、駐車場へと向かった。
さて、今回も時間内に解決できるのでしょうか?