くもりのち晴天   作:coltysolty

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うだるような暑さにて
急遽休業となったくれない探偵社


ヤンデレさん

【猛暑中につき休業中

※復帰次第お知らせいたします。詳しくはHPにて】

 

少女探偵が活躍している

「くれない探偵社」は、もともと母親の小説がきっかけで

始めることになった探偵社だった。

 

従って起業名義は母の和子となっている。

しかしながら、実際に業務を行っているのは

娘の魔羽であり、業務全般すべて彼女ひとりで

取り仕切っている。会計処理も昨今はオンラインでできるため

税理士などは雇っていない。

 

休業などの取り決めも特に相談なく

魔羽の一存で決めることができる。

 

「ねえ、貞くん、こんなに暑いとさ

調査中にぶったおれちゃうこともあるんだから

しばらく休業にするからね」

 

「あ、ああ・・・そうですね。僕もこんな中

調査に出ろって言われたら、正直へたっちゃうだろうな

って思ってたんですよ・・・・いちおうクールなミストは

ダースで注文しといたんですけども・・・」

 

「あ、あれね。まあ、あったらあったでいいから

キープしといて。で、この休業案内、貼っておいてね。

 

HPは更新しといたから、相談事案がきたら、目だけ通しておいてね。

で、わざわざ出社しなくていいから、温泉にでもいっといで。

ちょっと早めのお盆休みってことで、休業にします。

 

あたしの一存で休みにするから、基本給は払います。

だから、いつもと同じぐらいの給料は出すから、心配しないで」

 

「うぉおおおお!!!!先生っ!愛してます!」

 

「あ、それはいらない。君の愛はいらないよ」

 

「わかってますよぉおおお!!!!うれしさの表出です

気にしないで下さい!!!休み中もPCは持ってでますから

事案だけはまとめておきます」

 

「まあ、来たばかりのころは、頼りなくて、こいつ大丈夫かな?

って思ったけど、成長したもんだわねえ」

 

「・・・・・年下の先生にそう言われると、ちょっと

複雑ですけど、悪い気はしません。とにかく、お休み中

しっかりデータチェックしながら、休息させていただきます!

 

実家帰っちゃっていいですよね?海沿いなんで、泳ぎたかったんですよ~」

 

「あー、貞君とこ、めっちゃ海沿いだったもんね?

おみやげはとくにいらないけど、ひばりの卵、買ってきてね」

 

「は?それ、お土産って言うんじゃないですか?

ま、いいです。それぐらいお安いご用ですから・・・」

 

「はいはい、じゃとっとと帰って。この暑さじゃ、エアコン切れないから

電気代もったいないからね。連絡事項あったら、メールしといて」

 

「はいっ!!!!じゃ、お先します!!」

 

「う~ん、お疲れ!」

 

砂生田が帰ると、魔羽も戸締まりをして家に帰ろうとしていた。

いつもは自転車だが、この暑さではしんどいと判断し

タクシーを利用することにした。

 

 

魔羽は家につくと、エアコンつけ、PCを起動し、いとこの

柚奈(ユナ)にメールを打ち始めた。

 

年の離れたいとこの柚奈は江ノ島近くに別荘を持っている。

休業期間中、別荘を貸りて、勉強しようと考えていた。

すでに法律知識は豊富にあるものの、弁護士資格も取得しようと

考えていた魔羽だった。

 

『柚奈ねえ、ひさしぶり!元気だった?暑いけど

体壊してないですか?こちらは、この暑さで、臨時休業にしました。

それで、ねえねえんとこの別荘を貸してもらえないか、伺いメールを

しました。お返事急ぎませんので、よろしくお願いします。』

 

魔羽がメールを送った頃、柚奈は携帯修理のため、OUショップを

訪れていた。手際がよいショップでの対応を快く思った柚奈は

上機嫌で、待っていた恋人の車に乗り込んだ。

 

「ここのショップって、とてもかんじがよくて、

手際がいいのよ。あっという間に終わっちゃった。代替え機種も

貸していただいたわ。なにより、店員さんの女性が

みんなきれいなの!」

 

柚奈の彼氏である翔真(しょうま)が運転しながら答える。

 

「へえ~!じゃ、オレ今度、そこ行こうかな!」

 

「・・・・・・・・(ジト目)・・・・・・」

 

信号が赤に変わった瞬間に、柚奈の平手が

翔真の顔面中心にヒットした。

 

「(ドバシッ!!!!)・・・・うぐっ・・・・・」

 

一瞬目から火花が飛び散ったかと思うほど

激しい平手打ちが翔真の顔面を襲った。

失神しそうになりながら、懸命に踏ん張りぼやけた

視界を元に戻そうと、素早くかぶりをふる翔真。

 

信号が青になる直前、ルームミラーで顔を確認すると

手のひら模様に、顔面が赤くなっていた。

 

「うわっ・・・・こりゃひでぇ・・・・」

 

「・・・・・(無言でジト目)・・・・・」

 

「じょ、冗談だよ・・・・行くわけないでしょ。

携帯屋さんに用事ないしさ・・・」

 

「ジョーダンでも、ゆるさん・・・・

一瞬でも美人を見に行きたいといった

そなたの心が気にくわん。

 

あやうく、あのかんじのよい美人さんたちを

秒殺してしまうところだったでしょ。

 

私を犯罪者にしないでよ」

 

「ご、ごめんなさい・・・・以後、言動には

注意します・・・・くれぐれも・・・・はい」

 

「わかればよろしい。茶龍のホイコーローが食べたいから

今すぐ奢りなさい」

 

「はいっ!!かしこまりました!!!!

(そんなもんで済むならいくらでも奢ります・・・)」

 

この相当なヤンデレっぷりな女性は

くれない探偵社を運営している濱汰魔羽の父方の

従姉妹である。気だてがよく、基本やさしいのだが

ヤキモチだけは半端ない。

 

それまで穏やかに話していたと思ったら、

一瞬にして豹変し、ヤンデレ化する。

 

普段は業務機器メーカーでエンジニアをしているため

くれない探偵社のPCセットアップ作業を

手伝ったりしたことがある。

 

陰ながら魔羽を助ける頼もしい助っ人だ。

 

「あら?魔羽からメールが入っていたわ。

携帯が故障していたから、気づかなかった。

翔真君、ごめんね。ちょっと返信しておくね

 

食事終わったら、海が見たいからドライブしない?

もし、疲れてるなら、私が運転してもいいし。

別荘にちょっと寄っていくわ。魔羽が使いたいようなの」

 

魔羽からの依頼に応えるために

柚奈は別荘の設備点検に行こうとしていた。

 

そこでまた新たな事件が起こるとは

このときは誰も予想だにしていなかった。

 




濱汰家のキャラって強烈なんですね。
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