柚奈の家で起こった出来事は
果たして事件なのか・・・
休日返上で事件の解決を試みる
16歳少女探偵の活躍をご覧ください
ー数日前の午後(回想中)ー
「ねえ、莉依沙。仕事どうなの?」
「んー、順調といえば順調かな・・・」
「部署変わったんでしょ?」
「うん。前よりはよくなったかな」
「莉依沙、前はヘロヘロになってたじゃん?
大好きなケーキバイキング行ってても虚ろでさ。
心配したんだよ」
「うん。体重も7Kg減っちゃって、ジムの鏡みて
びっくりしちゃった。ジム行かない方がよくね?って」
「精神的にやられてたね~。今はちょうどよい感じだよ?
血色もよいし、こうやって又、スィーツしてるしね!」
「うん。おかげさまで。今も、問題がないといえば
ウソになるけど、前に比べればぜんぜんマシ。発展性のある
悩みだからね。がんばりがいがある」
「よかった!莉依沙が元気ないと、あたしまで凹んじゃうよ」
女子談笑中に、一人の男性が近づいてきた。
「あれ?柚奈?あ、莉依沙さん、こんにちは!」
「あら!柚奈の彼氏さんの翔真さんね!お久しぶり!お仕事?」
「ええ、近くで商談があって。今、休憩中だから
コーヒー飲みにきたんですよ。」
「ああ~。二人のいきつけのお店ってここだったのね。
柚奈が良いお店あるっていうから、ついてきたのよ。」
「そうなんですよ。ここのスィーツおいしんですよ。
今度、みんなでスィーツパーリーでもしますか?」
(ん・・・・なんだか視線が突き刺さるんだけど・・・
オレ、なにかやらかしてる???)
「あら!いいわねえ!ね、柚奈?」
「・・・・・・・・・・」
「あれ?柚奈どうしたの?」
「翔真君、あとで話があるわ。仕事終わったら
連絡頂戴」
「あ、ああ。もちろん。いつも通り速攻で連絡するよ」
(毎日連絡してるのに、なんでわざわざ言うのかな・・・(汗)
「じゃ、莉依沙さん、柚奈、ごゆっくり!」
「翔真さん、それじゃまた!」
(あのあと・・・冷たい仕打ちにあったのは、言うまでもない。
たんなる社交辞令でスイーツパーリーと言ったことが、柚奈の逆鱗に触れ
オレは尻を猛蹴されたんだっけ・・・柚奈のケリははんぱなく痛くて
オレは悶絶しながら、許しを請うた・・・
いやあ、まいった・・・柚奈の親しい友達だから、感じよく接しようと
思って言ったつもりだったのに、それが仇になってしまった・・・)
翔真は数日前の出来事を回想しながら、今目の前で倒れている女性の
安否を気遣った。
しばらくして、恋人の従妹である探偵魔羽が別荘を訪れた。
「ねえねえ!どうしたの?携帯連絡しても出ないから、心配になって・・・
え?誰か倒れているけど・・・・すぐに救急車呼ばなくちゃ!」
「魔羽!友達の莉依沙よ。脈はあるみたい。すぐに救急車呼んで!」
「わかったわ。」
数分後、救急車が到着すると、柚奈が付き添い倒れていた女性は病院に
搬送された。
呆然と立ち尽くしていた翔真に魔羽が話しかけた。
「ねえ、にいにい、いったいどういうこと?説明して」
「いや・・・あの・・・・まさか」
「なんなのよ!奥歯にものの挟まった言い方して!
ちゃんと説明しなさいよっ!」
「あ、はい・・・・かくかくしかじかで・・・・」
(回想シーン早送り)
「ふーん。なるほどね。で、ヤンデレなねえねえの事を
にいにいは疑ってるわけ?一服盛ったんじゃないかとか」
「え゛???いや・・・そんな・・・・疑うなんて・・・・」
「なによ。疑ってんじゃない。ねえねえが病むほど
にいにいを愛してるからって、ほんとうにブチ殺すと思ってんの?
バカじゃないの?ねえねえはそんな女性じゃないからねっ!」
「あ・・・え・・・まぁ・・・・・」
「まあじゃないわよっ!今の今まで、ほんとーに
ぶち殺したことある?ぶち殺すかわりに、にいにいが
フルボッコされてるだけでしょ!頭動かしなさいよ!」
「そ、そう言われれば、そうだよな・・・おれが殴られてるだけで
他にどうこうってないよな・・・でも・・・莉依沙が好みだったわけ?
とか、言われちゃったから・・・もしかして・・・って」
その時、魔羽の携帯が鳴る。
「魔羽、莉依沙が大量の睡眠薬を飲んでたらしく、今
胃洗浄をして、一命はとりとめたわ。しばらく意識は戻らないようだけど
安静にしていれば大丈夫らしい」
「わかったわ。ねえねえ。なにがあったか調べとくね」
「頼むわ」
携帯を切ると、莉依沙が倒れていた周辺を調査する魔羽。
すると、莉依沙の所持品らしきポーチが落ちていた。
中身を確認すると、「サプリ使用法」というメモ書きがあった。
「莉依沙さんは誤飲したのね」
「え?魔羽ちゃん、どういうこと?」
「莉依沙さん、大量の睡眠薬を飲んでショック症状で倒れたらしいけど
胃洗浄をして命はとりとめたらしいわ。」
「す、睡眠薬・・・?」
「そう。おそらく、サプリと間違えたのね。サプリを複数飲んでいるタイプの人は
まぜて一つの入れ物に入れたりするから。莉依沙さんはひどい近眼で、コンタクトを
しないで、出かける用意をしたのよ。ほら、アクビューの入れ物があるでしょ。
まだ使っていないわ。その代わり、眼鏡ケースがある。
倒れていたときも、眼鏡をしていたわ。おそらく、急いでいたかなにかで
コンタクトをせずにここに来たのね。彼女、定期的になにかをしないと
気が済まない性格らしいわ。そこで、急いでサプリを飲んだのよ。
手帳をみて。予定の行動と時刻まで書いてある。」
「ほ、ほんとだ・・・・几帳面すぎるな・・・」
「神経質な所があるようね。だから、サプリを入れようと
あせって、睡眠薬を入れてしまったのね。前の仕事のときに服用していたんじゃ
ないかしら。ねえねえからきいていたけど、部署が変わる前は
そうとうきつくて、痩せてしまったって言ってたから。」
「そうか・・・・そうだったんだ。でも、なんでここに
急いできたんだろう?」
ポーチの中をさらに詳しく調べると、一枚の券が出てきた
「あ、これ・・・・ベルマール戦チケットの引き換え券だわ。
今日が締め切り日ね。おそらく、これを渡そうとしたんじゃないかしら。
メールかなにかしなかったのかな?」
「あ・・・俺たちずっとしゃべってて、そのままここにきたから
柚奈は携帯チェックしてないと思う」
「おそらく、メッセージかなにかしたけど、返事がないから
直接来たのね。その方が早いと思って。莉依沙さんって律儀なヒトだから
ねえねえに助けてもらったことの恩返しがしたかったんじゃない?
前部署のときの相談にも親身になって話きいてあげてたようだし」
「そうだったのか・・・・。ちょっとでも疑ったりして
悪かったよ・・・・」
ボスっ! 鈍い音が響く。
「い、痛っ・・・・・」
「ねえねえの代わり!こんなけなげな恋人を一瞬でも
疑いやがったな!お仕置きだ!」
「ヤンデレ従姉に猟奇的な従妹って・・・すごい一族だ・・・」
「えーい!うるさい!!!とにかく、ねえねえが戻ってきたら
精いっぱいケアしてあげないと、あたしが許さないからね!!!」
「わ、わかりました・・・・妹よ・・・・」
数日後、莉依沙の意識が戻り、つきそっていた柚奈は
翔真と合流し、2人で別荘に戻った。
「ねえねえお帰り!お疲れさまでした。莉依沙さんの様子は?」
「うん。食欲も出てきて、順調よ。間違って服用したことを
恥ずかしがってたわ。」
「ねえねえに恩返ししたかったのね。」
「私もそのことを知って、嬉しかったのと同時に、悪いことしちゃったなって。
わざわざチケットを届けに来てくれたなんて・・・
携帯チェックしてればこんなことにならなかったのに・・・エアコンつけないで
窓を全開してたから、着信音が聞こえなかったのよ。」
「仕方ないよ。でも、大事にならなくてよかったね。
ねえ?にいにい?」
「え゛?・・・・あ・・・・そ、そうだね」
「翔真君どうしたの?顔色がよくないよ?」
「にいにいはね、ずっとつきそってた柚奈ねえのことを
心配してたんだよ。」
「そうだったのね。翔真君、連絡もしないでごめんね」
「いや・・・イケメンの医者がいたんじゃないかとか・・・」
「ぐわっ!ねえねえより、にいにいの方がジェラり度
高かったりして~!!!お似合いですわ。お二人」
「翔真君も焼くの?知らなかった」
「案外にいにいの方が怖いかもしれませんよ?」
夜は別荘でバーベキューをして談笑した3人だった。
事件も一件落着。高級肉に舌鼓をうちながら、大人二人は
用意したサーバーから生ビール、未成年少女はジュースで乾杯。
今度こそゆっくりできそうな少女探偵の夏休み最初の夜だった。
少女探偵、プライベートでも大活躍ですね。