くれない探偵社の「濱汰探偵事務所」は営業中。
次の仕事にむけて、少女探偵魔羽とアシスタントの砂生田貞夫は
事務所で打ち合わせをしていた。
「先生、久しぶりですね。休暇ありがとうございました。
しっかり休めました」
「貞くん~。おみやげありがとうね~。私これ
だいっすきなんだよね~ひとりでひと箱食べられちゃうよ~
貞くんもお食べ。1個ね」
「えええええ?たったの
い、一個ですかあ?僕が持ってきたのに・・・・」
「いいじゃん。食べたければ自分で買えばいいでしょ」
「そりゃそうですけど・・・・」
「私は滅多に買いにいけないからっ!しかも
仕事上エネルギーいるから。甘いものは必須なのよ」
「まあ・・・そうですね。今回も新しいお仕事入ってますよ。
前に事件を解決したとこのお客様からの依頼ですが、小学校の学習タイムで
こどもたちに法律のことをわかりやすく説明してほしいんですって。」
「ああ、最近は未成年への処罰も厳しくなっているしね。
倫理観がめちゃめちゃになりつつあるからね。
まあ、それって本来は親の問題なんだけど、親の基準が
おかしいからね・・・」
「そうそう。まさに、それをおっしゃってました。
先方様。それで、先生は子供たちに年も近いし、わかりやすい言葉や
図示などで、興味をひいてくれるんじゃないかと、期待されているようです。
私学なので、金額は言い値でいいとおっしゃってます」
「まあねー。いいところのお坊ちゃまにはねー、とくに
しっかりしてほしいもんだよね。公立も要望があれば、ボランティア価格でも
いんだけどね。そういう社会貢献なら」
「ええ。私学で成功してひろまれば、公立でも要請があるんじゃないかと」
「そうね。こういう依頼は大歓迎よ。貞くん。申し入れがあったら
しっかり対応しといてね」
「かしこまりました。尽力いたします」
「じゃ、資料の作成おねがいね。貞君、PP使い上手だからさ。
データもつくっておいてくれる?私のデジカメにも画像や動画があるから
それ使っていいから。個人がわかるような場合は、加工もお願い」
「お安い御用です!」
「貞君、ほんとPCいじり好きだよね~。水を得た魚のようだわ」
「ははっ。でも、自然も好きですよ~。キャンプ用品一式持ってますから」
「あー、そうだったね!こんど、ねえねえ達と秋キャンプしようと
計画してるから、貸してもらえる?もちろん貞君も出席で
いいよ。」
「あー、あのヤンデレなおねえさんですか・・・」
「直球だねー。彼氏にはやんやんだけど、仕事はちゃんとするし
友達思いなんだからねっ。」
「せっかくだから、おねえさんのお友達なんかも
来てもらったら嬉しかったりして・・・・」
「あのさー、合コンじゃないんだから。
ま、でも、資料スライドがんばってくれたら、そのプランも
ありかもね」
「うぉーーーーーっしっ!!!!!俄然やる気でた。
先生、ひとつよろしく!!!!」
「まあ、多少の餌は必要かもね・・・・・」
資料のスライド作りを終え、魔羽がデータをチェックする。
データをみながら、プレゼンの時間カウントとMCの
タイミングを数分で考え終えて、準備が整った。
「いやあ、先生ってやっぱ、天才ですね。
僕も一応時間を考えてスライドを作りましたけど
それをぱーっとみただけで、表示時間としゃべる内容を
すぐに把握しちゃうんだもんなあ・・・・僕にはできません。」
「貞くんが、時間考慮入れてくれるからできるのよっ。
あとは、子供たちの反応みながら、話をふくらませたり
ネタ入れこんだり、アドリブもいっぱい出すからね」
「先生、そのうちテレビ出演とかきちゃうかもしれませんよ」
「あーーーー、あーゆーのはむり。スポンサーがどーちゃらとか
こっちの伝えたい意向より、あっちがやってほしい内容を
むりやり作らされるでしょ。そーゆーのやなのよ」
「確かに・・・・。今回は、こどもたちに法律をわかってもらおうっていう
純粋な動機の元、先生の手腕が発揮されるわけですからね」
「そうだよ。子供は宝だからね。大切にしないと
バチあたるよ」
「先生って若いのに、たまに昭和のばーちゃんみたいなこと
言いますよね」
「ばーちゃんっこだったからね~。ママが忙しかったから。」
「古い思考と新しい感覚を持ちあわせた先生って、素敵ですよ。
まさに、温故知新ですね」
「貞君が褒める時って、邪満載なときだよね。
仕方ないなー。ねえねえに口きいといてあげるわ。こんな
すごい資料作ってもらったからね。」
「はいっーーーーーー!!!!てか、あ、
褒めたのは本心ですからね!!!先生の旦那さんになる人は
幸せだと思いますっ!!!!」
「貞君も料理上手だし、いい嫁がくるよ。がんばんな」
「!!!!じゃ、先生、車出しますね。エンジンかけときます!」
砂生田と魔羽はリクエストのあった小学校に向かった。
小学校ではやんちゃキッズ達が、魔羽の到着を今か今かと待ち構えていた。
次のお客様は小さいお友達。
どんなやんちゃ砲弾を浴びせられるか?
また、それをどうかわすか?
少女探偵、濱汰魔羽の手腕の見せ所である。