注意事項:安心のキャラ崩壊・キャラ口調の間違い多し・料理描写絶無・キャラ同士の呼び方変更・『動き出すブッチー』
上記が大丈夫な方のみ画面をスクロールしてお読みください。
司瑛士は遠月学園十傑評議会の仕事を終えて、仲間達と一緒に住む建物への道を疲れ切った表情で歩く。その表情は『ブラック企業で働き続けてスーパーエリート社畜へと進化したサラリーマン』のような表情である。
遠月学園十傑評議会。世界から料理人を目指す人々が集まる超名門料理学校である遠月茶寮料理學園において教師以上の権限を持つ10人のエリートで構成された評議会である。瑛士はそこのトップの第一席の地位にいた。他の仲間達も第二席から第五席まで独占していて、なおかつ料理の腕もアホみたいに良かったことから、十傑には入っていないが別の意味で超有名人な友人も含めて『第90期マフィア』とも呼ばれていた。
しかし、このメンバーはちょっと頭のおかしい集団の集まりだった。
まず第二席の小林竜胆。美人でスタイル抜群の美人だが、性格は完全に破綻しており『報告しない・連絡しない・相談しない』の三拍子が揃った超問題児だった。しかも頻繁に希少食材を探すために行方不明になる。そのために仕事をしてくれない。
第三席の女木島冬輔。背が高くて筋肉質。常に無表情で口数も少ない。勝負事は性に合わないとか言いながら売られた食戟を片っ端から受けた結果に第三席に上り詰めていた。望んで第三席になった訳ではないために仕事をしてくれない。
第四席の茜ヶ久保もも。人見知りが激しく目を合わせて会話が成立するまでに軽く1ヶ月はかかる見た目が幼女。口数は少ないのに毒舌家である。かわいいを追求することに忙しく当然のように仕事をしてくれない。
第五席の斎藤綜明。モヒカンと鼻の横一文字が特徴的な寿司職人。どう見ても日本刀を包丁と言い張る刀剣マニア。武士っぽくて正々堂々とか大好きな時代劇ヲタ。武士は書類仕事をしないとか言って仕事をしてくれない。
この通り第二席から第五席までが見事に十傑の仕事をしてくれないために、その仕事が瑛士の机に投げられる結果になっているのだ。そのために瑛士は毎日がデスマーチ。イベントが起こったりすると帰れないことが頻発する。
仲間達の中で唯一十傑に入っていない榊信興に頼むという手段があり、信興に手伝って貰えば一週間かかる仕事も一時間で終わるが、十傑の権力が信興に大きく奪われた事件が発生してから学園長から禁止命令が出てしまったのでその手段が使えない。
そのために瑛士は1人で仕事を片付けねばならなかった。
瑛士は仲間達と一緒に中等部時代に学園側から奪い取った建物に辿り着く。入り口には『全ての希望を捨てよ』と書かれた看板が出ている。書いたのは竜胆だ。
瑛士は扉を開いて中に入る。巨大なエントランスに人気はない。奥の厨房は明かりが点いているので仲間の誰かが晩御飯の準備をしているのだろう。竜胆と信興でないことを祈るばかりだ。あの2人になると竜胆は見た目ゲテモノが出てきてSAN値が削られ、信興の場合は『冒険』と称して命に関わる料理が出てくることがある。
瑛士は願掛けをしながら共有スペースの扉を開く。
「ただいま」
瑛士の視界に入ったのは仲間の内の3人。まず竜胆は共有スペースに置かれた200インチの大画面テレビでポップコーンとコーラを手にしながら『プラン9・フロム・アウタースペース』を爆笑しながら見ている。次に綜明は日本刀をウットリとした表情をしながら手入れしている。多分、新しく購入したのだろう。購入ルートは信興で間違いない。そして最後に見た目幼女のももがマジ表情をしながら割り箸でミロのヴィーナス像を作っている。それは可愛いではなく美しいではないだろうか。
瑛士の言葉に気づいたのか3人が瑛士を見てきた。
「おお! 瑛士、おかえり〜!!」
「ねぇ、竜胆。なんで君は好んでクソ映画を見るの? 時間の浪費とか思わないの?」
「バッカ!! クソ映画で2時間も時間を無駄にしてるのが最高の贅沢だろ!?」
「ごめん、俺には理解できない」
仲間達の中でも竜胆ワールドは強烈だ。なにせ理解不能なことが多い。
「うむ、確かに竜胆の時間の使い方には俺も苦言を呈したいと思っていた」
「なんだとぉ! ソーメイだって刀の手入れしてるばっかりだろぉ!! 料理人だったら包丁の手入れしろよぉ!!」
「これは刀ではない!! 包丁である!!」
どう見ても日本刀を包丁と言い張る綜明。そのまま竜胆と綜明がどうでもいい口論を始める。いつの間にか口論の内容が『フェチとは何か』にスライドしているが気にしない。仲間達との口論で内容が脱線するのは当然で、最初から最後まで一貫性のあったことなど中等部一年から高等部三年の現在まで一度もない。
「今日の晩御飯当番は冬輔かい? ノッブだったらちょっと用事を思い出すんだけど」
「今日はと〜にゃん。ノッブはなんか用事があるって外に出てった」
瑛士はとりあえず外食する必要がなくなったことに安心する。
「ところで、もも。それはなに?」
「? え〜にゃんは変な事を聞く。どう見ても『ミロのヴィーナス』でしょ?」
「うん。それはわかる。なんでかわいい至上主義の君が美しいの代表格の像を作ってるの?」
「ああ。それはノッブが『かわいいを理解するなら美しいも理解しなきゃな!! 試しに割り箸で作ってみよう!!』って言ったから」
どうやら口が上手い仲間に乗せられたらしい。まぁ、別に珍しくもない。なにせ信興は経営再建を任された店の影響を受けて経営不振に陥った店の経営再建を請け負って最初に店を経営不振にさせてまた仕事を得るという最悪の永久機関を作るような鬼畜なクソである。別の人間に任せた場合は慈悲もなく叩き潰して反骨心まで圧し折る外道である。現在の第九席の叡山は特に被害を受けているそうである。そんな経営の天才である信興は口が上手く、詐欺師が天職と思っているのは仲間達の総意である。
「オイスー」
「「「「あ! ノッブがインしたお!!」」」」
竜胆と綜明のどうでもいい口論を聞き流しながらももと一緒にモナリザを割り箸で作っていると、信興が帰ってきた。ちなみに「オイスー」という挨拶で入室した場合は「あ!! ○○がインしたお!!」と返さないといけないのはこの建物のルールである。違反した場合はWGO執行官の試験を受けなければいけないことになっている。ちなみにすでに全員が一等執行官の資格を持っている。ちなみに試験資格とかは信興がどうにかした。
「お〜、まだ晩飯にはなってなかったか」
「ふむ、ノッブはどこに行っていたのだ? 昼間の授業から抜け出していたようだが」
「おいおい、綜明。抜け出すとか人聞きの悪いこと言うなよ。自分より能力の低い人間の授業を受けるとか時間の無駄とか思わないか?」
「「「「料理の腕前」」」」
「ここではリントの言葉で話せ」
信興の料理の腕前は常に落第スレスレである。もちろん遠月で生き残れているので常人より上手いが、残念ながら仲間達の中では一番の小物である。
「おう、全員揃っているな。トースケが晩御飯の準備ができたから食堂に来いだってよ」
信興が帰ってきたことで会話が罵倒と煽り合いにシフトしていたところに、渋く透き通り、落ち着いた印象のある声が入ってくる。
「あ、ブッチー」
「うむ。マスターの相棒・ブッチーである」
その正体はブッチーと呼ばれるネコのようなぬいぐるみである。二足歩行したり会話したり料理もできるがぬいぐるみである。信じられないことにぬいぐるみである。
だが、今更このメンバーは気にしない。だって改造した張本人達だからだ。一番の黒幕である信興と竜胆は「なんか閃いたアイディアを全部詰め込んでたら二足歩行して喋れるようになった。原理はわからない」と供述している。
しかし、サポート能力はバカみたいに高いので料理の時に重宝される。そしてマスターであるももの手伝いの時には腕を捥がれて断末魔が響き渡る。
共有スペースから出て食堂へと全員で向かう。
「晩飯はな〜にかっな〜!!」
「いや、冬輔の時点でラーメンだろ」
「うむ、ラーメン以外ありえぬな」
「ラーメン以外だったら偽物を疑うよね」
竜胆の言葉に信興、綜明、瑛士の順番で答える。
「なんだよ〜。もしかしたらうどんかもしれないだろ〜」
「……それでも麺類」
竜胆の言葉にももがウンザリした表情で呟く。それも仕方ない。なにせ一緒に暮らし始めて今まで冬輔が食事当番の時は絶対にラーメンだ。ラーメン以外は認められないとばかりにラーメンだ。圧倒的ラーメンだ。そして他の仲間がラーメンを作ると改善点を述べてラーメンの腕前をあげようとするラーメン狂だ。全員で食堂の扉を開けて中に入る。そして全員の思考が停止した。
食堂の机に置かれていたのは洗面器ほどのドンブリ。そした山のように積まれたモヤシとチャーシュー。食欲を唆る良い匂いであるが、量が酷い。どう考えても一人分とは思えない。
「む……遅かったな」
そこにキッチンから巨漢の冬輔が現れる。
「……と〜にゃん。あれ、なに?」
ももの現実を受け入れたくない問いに冬輔は不思議そうに首を傾げた。
「当然、ラーメンだが? ああ、量が足りないのか。待っていろ、すぐに追加を作る」
「待て、冬輔よ。まずは出ている分を食べてしまおう。お代わりを今から作ってしまっては麺が伸びてしまう」
綜明の言葉に納得して食卓へと向かう冬輔。ちなみにラーメンを残すと普段は滅多に怒らない冬輔はブチギレてデンプシーロールを叩き込まれる。この罰は容赦なく女子である竜胆やももにも適応される。
「おお、うまそうだなぁ!!」
「ああ、今回は最近流行っているラーメン屋に食べに行って参考にした」
量とかを一切気にしないで『旨ければいくらでも食べれる』と言い張る竜胆は素直に賞賛しているが、他のメンバーは割と絶望している。
なにせ食卓につくとそのボリュームに圧倒される。大型本屋で平積みされる売れ筋の本のような高さがある。どう考えても1人分ではない。
「それでは食ってくれ。ちなみにお残しは許さんぞ」
冬輔の発言によって完全に退路を絶たれ、竜胆以外の面々は死刑囚のような表情でモヤシとチャーシューに口をつける。
チャーシューはもちろんモヤシにも味が染みていてとても旨い。瑛士はもちろん全員の共通認識だ。だが
『なぜ麺が出てこない!!』
おそらく瑛士、綜明、信興、ももの4人の気持ちが一致した瞬間である。モヤシとチャーシューをいくら崩しても麺が出てこない。むしろモヤシの下からキャベツが出てきて軽く絶望した。
「っか〜!! 旨かった!! トースケ!! もう一杯!!」
「ああ、任せろ」
恐るべきことに竜胆は完食した上にお代わりを要求していた。この短時間であの量を食べたという事実に冬輔以外の全員が戦慄する。
手ぬぐいを頭に巻いてキッチンに入っていく冬輔を見送る。するとももが口を開いた。
「ブッチー。ちょっと来て」
「ム? どうしたマスター。水のお代わりか?」
全員の水のお代わりを準備していたブッチーがもものところにやってくる。そしてももはブッチーの口を無理やり開く。
「な、なにをするマスター!! さてはエロイ事をする気だな!! エロ同人みたいに!! エロ同人みたいに!!」
「うっさい。いいから食べて」
「ゴバババババ!!!」
無理矢理ブッチーの口の中にラーメンを流し込むもも。ブッチーはしばらくビクンビクンしてから動かなくなった。
「毎回思うけど、もものそれ汚いよね。ブッチーに流し込むとか反則でしょ」
「ももとブッチーはSINYUだからいいの」
「そのSINYUは機能停止しているようだが?」
瑛士の言葉にももが自信満々に答えると綜明が突っ込んだ。だがももはそれを笑顔でスルー。
「なんだ、ももは食べ終わったのか」
「うん。美味しかったよ、と〜にゃん」
「おかわりはいるか?」
「絶対にいらない(迫真)」
戻って来た冬輔の言葉にマジ表情で答えるもも。
冬輔の用意したお代わりの器が洗面器からバケツに進化していることに竜胆以外が恐怖しながら食事を続ける。
「そういえばノッブ。遠月グループ乗っ取り計画はどれくらい進んだの?」
瑛士は必死にラーメンを食べ進めながら、信興が行おうとしている『料理業界の薙切一強時代崩壊作戦(別名・遠月グループ乗っ取り計画)』の進行状況を聞く。目の前のラーメンから現実逃避をしたかった事実もある。信興も同じ心境だったのか、ラーメンを崩しながら答えて来た。
「あ〜、ようやく七割ってところかなぁ」
「……うん? 確か半年前に六割だっただろう。ノッブには珍しく時間がかかっているな」
信興の言葉に『ラーメンを食べる時は無言で食する』を信条にしている冬輔が思わず口を開く。なにせ信興は1ヶ月もあれば大企業も破産に追い込んで乗っ取る事ができると知っているからだ。
「それが残りの三割が学園長のジジイの信奉者でな。なかなか切り崩せない」
「ノッブだったら何か汚職を見つけて追放するのではないか?」
さりげなく竜胆のバケツにモヤシを投げ込みながら綜明が質問する。それに信興は箸を振って答える。
「ムカつくことにそういう連中に限ってクリーンでな。一応、周辺も調べてみたが小さな汚職をしている奴もいない」
「ハハ、ダッセェの!!」
「うっさいよ、竜胆。なんかきっかけがあれば一気に行けるんだがなぁ」
信興のボヤキを聴きながらも全員で一心不乱にラーメンを食す。そしてやっとの思いで瑛士は食べ終わる。その時には全員が食べ終わっており、いつの間にか復活していたブッチーが淹れたお茶を飲んでいた。
瑛士もブッチーが淹れてくれたお茶を飲もうとしたら、ももがポツリと呟いた。
「え〜にゃんから、ご馳走さまが聞こえない」
その言葉に瑛士の背筋が凍り、全員の眼がキラーンと光った。
「大将。あちらのお客様がお代わりをご所望のようだ」
「やめろノッブ!!」
「ふむ、拙者からの奢りだ。大盛りにしてやってくれ」
「嫌がらせはよせ、綜明!!」
「エーシは1人で食べるのが寂しいのか? 仕方ねぇなぁ!! リンドーさんが一緒に食べてやるよ!!」
「絶対に善意じゃないだろ、竜胆!!」
「待っていろ、瑛士。すぐに特別大盛りを用意してやる」
「冬輔、やめて!!」
瑛士の嘆きは当然のように無視され、出て来たお代わりの器がポリバケツだったことに瑛士は絶望し、他のメンバーは爆笑したのだった。
司瑛士
遠月学園十傑第一席。フリーダムな仲間達に今日も振り回されるが、こいつも割とキチってる。原作と違って美食に特に拘りはない。『食卓の白騎士(ターフェル・ヴァイスリッター)』は厨二病を患った時に自称したのを仲間達によって広められた結果。本人はそれで呼ばれると悶絶する。そしてそれをみて仲間達は爆笑する。
小林竜胆
遠月学園十傑第二席。原作以上にフリーダム。そしてトラブルメーカー。希少食材マスターで、最近は台所に住むGの調理方法を研究している。
女木島冬輔
遠月学園十傑第三席。ラーメン大好き女木島さん。基本的に仲間達のストッパーだが、ラーメンに関することだと暴走する。
茜ヶ久保もも
遠月学園十傑第四席。幼女先輩な『かわいいのカリスマ』。人見知りのくせに毒舌家。そしてブッチーに対して容赦はない。自分に都合が悪くなると「ももはこどもだからむずかしいことわかんない」とロリ化して逃げる。なんか原作だと格下相手にアダ名をつけるっぽいですけど、この作品では仲間達全員をアダ名呼びです。
斎藤綜明
遠月学園十傑第四席。刀マニアな寿司職人。今解体した過去最大級サイズは竜胆に頼まれた『シロナガスクジラ』。どうみても日本刀を包丁と言い張る。そして十傑の力で包丁と称した日本刀を買う。
榊信興
遠月学園3年生。オリ主。料理の腕前は落第スレスレだが、それ以外の分野は天才的。遠月グループ乗っ取り計画を中等部時代から進行させている。愛称は『ノッブ』。ちなみに極星寮の榊涼子の実兄。
ブッチー
意思を持つぬいぐるみ。ももに腕を捥がれたり燃やされたり沈められたり猛獣に投げつけられたりするたびにノッブによって改造されているうちに二足歩行や会話、果ては食事まで取れるようになった。CVは若本さん。口癖は「黙れ下衆!!」
ノッブの遠月学園グループ乗っ取りのキッカケ
ヒント:薊の学園長就任
ご馳走さまが聞こえない
無茶振りはやめよう!! 作者との約束だ!!
前書きにある通り、これは作者が原作を読んでいて『3年メンバーって仲良いんじゃね?』っていう妄想が超新星爆発した結果です。1人1人の口調が覚えられないので間違いがあっても広い気持ちでスルーしてください。
ちなみにタグにも入ってますが料理描写は絶無です。これは作者が『作るくらいなら食わぬ!!』の精神のためです。料理嫌いのくせに料理漫画を読む作者。ちなみに作者が1番最初に読んだ料理漫画はクッキングパパ。
更新は超不定期で、ネタが浮かべば投げると思います。こち亀に日暮熟睡男が出てくるくらいの珍しさでお待ちください。