仲良し遠月第90期生(更新停止)   作:(TADA)

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アニメ第1期のブルーレイボックスを購入して視聴し終わり、ネタが浮かんだので投稿。変わらずに酷いキャラ崩壊です。


美食議論

 「すまんな、ノッブ。助かった」

 「気にするなよ、冬輔。俺も儲けが出るから商品を融通しただけだからな」

冬輔と信興は学校の廊下を歩く。今回は冬輔の知り合いのラーメン屋が素材に困ったところを冬輔に泣きつき、冬輔はクソ外道だが流通ルートは確かな信興に素材の卸を依頼したのだ。信興は鬼畜で外道だがお金には素直である。だから利益が出るなら仲間達の依頼は受ける。利益が出ない上に投資にもならなかったら仲間の依頼だろうが容赦なく蹴り飛ばすのも確かだが。

冬輔と信興は学校での屯場所である『第一席執務室』に普通に入室する。何せ瑛士以外の十傑は自分の執務室より瑛士の執務室にいることの方が多い。たまには自分の執務室にも行く。なにせ溜まっている書類を瑛士の机に運ばなければならないからだ。いくらフリーダム十傑だからと言って仕事をしないわけではない。運ぶという仕事くらいはするのだ。

冬輔と信興は勝手に置いたテレビの前で口論する竜胆と綜明がいた。

 「だからぁ!! 今日は『はぐれ刑事純情派』を見るって言ってるだろ!!」

 「ならぬ!! 藤田ま○と作品だったら『必殺仕事人』に決まっている!!」

どうやら休み時間に何を見るかで争っているらしい。どちらも見はじめたら学校の休み時間で見終わるのは不可能だ。2人は入室してきた2人に気づいたのか今度は冬輔と信興に話題を振ってきた。

 「お!! 冬輔は『はぐれ刑事純情派』だよな? 人情系だし!!」

 「ノッブは『必殺仕事人』だな!! 何せ殺される側で出演してもおかしくない外道だからな!!」

 「お? 綜明は速攻で俺に喧嘩を売ったな? バカめ!! 俺がバレる悪事をするわけがないだろう!!」

 「「「ツッコミどころはそこでいいのか?」」」

信興の言葉に思わず3人は同じツッコミを入れてしまった。しかし、その後に『確かにノッブはバレる悪事はしないな』という共通認識を持ったのも確かだ。原作キャラのオリ主に対する信頼は厚い。

冬輔は呆れながら戸棚に入れてあるDVDBOXを取り出す。

 「まぁ、落ち着け。ここは間をとって『北の国から』にしよう」

冬輔の言葉に3人はゲンナリとした表情になった。

 「なんでトースケはこの部屋にも『北の国から』のDVDBOXを用意してるんだよ」

 「共有スペースには当然として、拙者達の部屋にも置いていくのは勘弁してほしいのだが」

 「『ラッキードラマだ、よくみるがいい』じゃねぇよ。お前はどれだけ北海道が好きなんだよ」

竜胆、綜明、信興が順番に文句を言うが冬輔はそれを華麗にスルーして『北の国から』のDVDをセットしようとするが、3人の合体攻撃によって阻止されてしまった。

 「やっほ〜」

 「下賤な輩よ!! マスターももの登場である!! さぁ、平伏すが良い!!」

とりあえずももと一緒に入ってきて早々に失礼な発言をしたぬいぐるみは即座に硫酸の溜まった水槽に沈められた。

 「遅かったな、もも」

 「うん。ちょっと可愛い写真を撮ってSNSにあげてた」

 「ほう。今回はどんなものだ?」

ももの言葉に綜明は興味深そうに尋ねる。ももの写真は同世代の女子から絶大な支持を受けている。繊細な技術と華やかな美的センスは学園の中でも圧倒的だ。美的センスが高すぎて稀に常人には理解できない地雷を作り上げるという事実も存在するがそれは遠い棚に放り投げておく。

 「今回はこれ」

自信満々にスマホで撮った写真を見せるもも。4人もとりあえず地雷かどうかの確認をする。

そこには明らかにSAN値直葬な物体が存在していた。コメント欄も阿鼻叫喚で大変なことになっている。

4人は耐性があるから大丈夫だが、一般人には発狂する代物なので信興が責任を持ってアカウントを乗っ取り削除した。これで地球の平和は守られた。

 「……あれ? 写真が消えてる」

 「きっとももの才能に嫉妬したやつが消したんだろうなぁ」

竜胆の言葉にももは不満そうな表情になる。

 「あれは完成した後にどっか行っちゃったからもう写真撮れないのに」

 「ノッブ」

 「ちょっと待て。今情報を……あ!! 四宮先輩のお店にダイナミックお邪魔しますしてやがる!!」

謎の物体Aの行方を確認した信興は持っていたノートパソコンをそっと閉じた。

 「悲しい……事件だったね……」

 「四宮先輩は犠牲になったのだ……可愛いの犠牲にな……」

 「さらば四宮先輩」

信興と綜明と冬輔がフランスの方向に向かって敬礼すると同時にプライドが高くて毒舌家の先輩の怒声が聞こえた気がしたが3人は聞こえなかったふりをした。

それからしばらく5人で適当にテレビ番組を流しながら駄弁っていると部屋の主人が難しい表情をして帰ってきた。

 「おお、イケメンが難しい表情をしていると気持ちいいな」

これは信興。

 「うむ。普段からスカした表情が多いから悩んでいる表情をみると気持ちがいいな」

これは綜明。

 「どうした瑛士。お前の顔に考え事など似合わないぞ」

気遣いに見せかけた罵倒を飛ばしたのは冬輔。

 「お〜。エーシはついに誰かに刺されることになったか?」

遠回しの死ね発言が竜胆。

 「Nice boat.案件……」

地味にやばい発言がもも。

そんな温かい罵倒を無視しながら瑛士は自分の執務机に座り、ゲントウポーズをとる。その行動に全員は真面目な話だと理解したのかそれぞれが用意されている椅子に座ってゲンドウポーズをとる。

そして瑛士はゆっくりと口を開く。

 「みんな、『美食』ってなんだと思う?」

 「難しい質問だな」

瑛士の言葉に表情をしかめながら答える綜明。

 「それぞれ好みがあるからな」

同じく難しい表情をした冬輔。

 「『絶対にこれ!!』って答えはないんじゃねぇの?」

あっけらかんと言い放つ竜胆。

 「ももは興味ない。ブッチー、お茶を用意して」

興味を失ったのか、硫酸の中から必死に出てきた下僕に命令を出すもも。

 「ふむ、それで瑛士はなんでこんな質問をしたんだ?」

根本的なことを尋ねる信興。

それに瑛士はゲンドウポーズを解いて口を開く。

 「午前中から仕事頼まれて学園外に行ったんだけどさ。その帰りに色白の肌に白のメッシュ入れて黒のコートきた『あれ? その年で厨二病かな?』っておっさんに話しかけられたんだ」

 「「「「「食卓の白騎士(ターフェル・ヴァイスリッター)」」」」」

 「やめろぉぉぉぉ!!!!」

全員で瑛士の古傷を抉ると瑛士は床を磨くモップに変身した。

しばらく悶絶する瑛士を嘲笑っていたが、ブッチーの気付の当身によって正気に戻った瑛士は元の位置に戻って言葉を続ける。

 「『美食に興味はないかい? 今の腐った料理界を救済したくないかい?』って誘われたんだ。とりあえず返事は保留にしてきたんだけど……」

 「お!! それ新興宗教の勧誘だろ!! リンドーさん知ってるぞ!!」

 「とりあえず竜胆の発言は無視するけど、みんなはどう思う?」

瑛士の言葉に全員が『う〜む』と悩む。この姿が学園の教師陣に見つかった場合はロクでもない集団がロクでもないことを考えているという理由で即座に厳戒態勢が敷かれるだろう。

 「よし、それじゃあ第50125回の議題はこれだな」

そう言いながら信興は部屋に備えつけたホワイトボードに文字を書いていく。そこには今回の議題が書かれていた。

 《異性のどこに性的興奮を覚えるか》

 「待って。美食の美の字も入ってない」

瑛士の当然の言葉も仲間達には届かない。

 「難しい質問だな」

先ほどよりも深刻な表情をしながら呟く綜明。

 「それぞれ好みがあるからな」

腕を組みながら顔を顰める冬輔。

 「『絶対にこれ!!』って答えはないんじゃねぇの?」

普段には絶対に見せないクソ真面目な表情をする竜胆。

 「ブッチー。これから激論を交わすから熱いお茶じゃなくてお水ね」

先ほどまでの一切興味なし状態から論戦モードに入るもも。

 「待って。さっきより真面目度が上がってる。お願いだからその状態でさっきの真面目な議題に戻って」

 「まぁ、落ち着け瑛士」

瑛士に言い聞かせてきたのは爆弾を放り込んできた張本人である信興だった。

 「いいか、瑛士。俺たちはちょっと特殊な学校に通っているが盗んだバイクで走り出してもおかしくない年頃の若者だ。その若者が真面目に議論するのがどちらの議題が正しいか考えてみろ」

信興の言葉に腕を組みながら眼をつぶって考える瑛士。そしてすぐに結論が出た。

 「俺が間違っていたね。すまない、こっちの議題で話を進めよう」

ここに『神の舌』を持つ少女の父親の野望は若者のリビドーによって消え去った。

 「でもよ、これは本当にみんなバラバラだろ。性癖なんだから。試しにノッブとソーメイとトースケの順番に言ってみろよ」

 「太もも」

 「うなじ」

 「腰」

竜胆の言葉に即答する信興、綜明、冬輔。見事にバラバラだった。それから3人がそれぞれの信仰をかけたガンのつけあいが発生したがブッチーの波動拳によって正気に戻された。

 「それだった竜胆とももはどこなんだよ?」

信興の言葉に竜胆は立ち上がって元気よく答える。

 「リンドーさんは『緩めたネクタイとワイシャツの第一ボタンを外した時に見える鎖骨』だな!!」

 「「「なんでそんなに限定的なんだよ」」」

えらく限定的なフェチシズムを発表した竜胆に信興、綜明、冬輔から総ツッコミが入る。

 「ふ、笑止」

明らかにキャラが違う言い方をしたももに視線が集まる。その視線に答えるように不敵な笑みを浮かべながらももは口を開く。

 「ももはみんなみたいに外見に騙される女じゃない。大事なのは心だよ」

 「ほう。心持ちは立派だな。して、本心はなんだ」

綜明の言葉にももは堂々と言い放つ。

 「ももはももをチヤホヤしてくれる人だったら誰でもいいよ」

 「オタサーの姫にでもなってろ」

ももの宣言は信興によってあっさりと切り捨てられた。

そこからは喧々囂々の論陣の張り合いである。時折手が出たり刃物が出るとブッチーの拳によって頭を冷やされる事態が続いた。

そこで冬輔が何かに気づいたかのように瑛士に問いかけた。

 「瑛士、お前は異性のどこにリビドーを覚えるのだ?」

 「そういえば瑛士とこういう話したことなかったな」

 「え? それは無理な話だろ」

首をひねりながらの信興の言葉に答えたのは瑛士ではなく竜胆だった。それに綜明が不思議そうに口を開く。

 「なぜだ? 生物であるのだから性的興奮を覚えるのは当然だろう?」

 「いや。エーシは『異性』に性的興奮しないよ。こいつホモだもん」

竜胆の言葉に信興、綜明、冬輔の3人は即座にケツの穴を抑えながら座席から立ち上がる。

それを見ながら瑛士はゆっくりと口を開く。

 「まず、落ち着いて欲しい。確かに俺は竜胆の言う通りホモだ。それは認める。だけど俺は男だったら誰の穴でもいいわけじゃない。好みがあるんだ好みが。お前たちみたいな外道の穴はお断りだよ」

 「ノッブと同列に語られるのは腹立たしいが安心したぞ」

 「うむ。ノッブと同列に語られるのは不本意だが、これで瑛士を簀巻きにして出荷しなきゃいけない事態は回避できたな」

 「冬輔と綜明は流れるように俺を罵倒するなよ。だが、これで瑛士が行方不明になる事態は回避できたな」

 「……あれ? さりげなく俺は命の危機だった?」

瑛士の呟きは全員の微笑によって流されることになった。

ブッチーが入れたお茶を飲んで一息ついたところで信興は何かに気がついた。

 「あれ? ひょっとして瑛士が欠片の興味もない『美食』について返答を保留して帰ってきたのって……」

信興の言葉に全員の視線が瑛士に集まる。すると瑛士は照れ臭そうに頬を染めながら口を開く。

 「えへへ。その男性がストライクど真ん中でさ」

瑛士以外の全員が見たこともない男性のケツの穴に十字を切ったのだった。

 




榊信興
太もも好き

女木島冬輔
腰フェチ

斎藤綜明
うなじスキー

小林竜胆
緩めたネクタイとワイシャツの第一ボタンを外した時に見える鎖骨大好き

茜ヶ久保もも
オタサーの姫志望

司瑛士
ホモ

薙切薊
第一席に狙われるケツ



前書きにある通りに食戟のソーマのアニメ第1期ブルーレイボックスを購入したので書いてみました。え? 第1期に3年生組は出てこない? ちょっと何を言ってるか理解できないんで美作くん風に言ってもらえますか。

司先輩のホモ設定は作者が司先輩を見た時の第一印象が「何こいつ、ホモくさ」と言う印象を使ったためです。異論は認めますがこの作品で司先輩はホモになります。ひょっとしたらバイに進化する可能性はありますが。そして書いているうちに流れ弾を食らった四宮先輩。超頑張れ。

それと今後の展開ですが、ネタ小説でストーリーを考えるとか超めんどさいんで、ストーリーは原作準拠に進みます。原作の流れにイかれた先輩がようこそするってことですね。次の予定では宿泊研修に先輩達が乗り込む予定。おそらく四宮先輩の胃がマッハ。

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