異世界での暮らし方 小ネタ集および番外編   作:磨殊

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小ネタ集1

01.橙の場合

 

 今オレの膝には橙が丸まって寝ております。つまり、今こそ長年の疑問を解決する時也!

 まずはしっかり寝ているか確かめてみよう。具体的には頬を突っついてっと。

 

「んー、藍しゃまー、まだ眠いですよー」

 

 どうやらぐっすりと寝ているみたいやね。しかし、まだ安心は出来ん。だって猫だもの。野生動物を侮ってはいかんのよ。

 そんな訳でくすぐってみる。

 

「んにゃ……」

 

 よし、これなら大丈夫。では、ネコミミがある人型は人間の耳がある場所はどうなっているのか確認させてもらおうやないの!

 そろりそろりと髪の下に手を伸ばし。

 

「……!!」

「イッテェェェェ!」

 

 予想以上に猫でした!

 伸ばした瞬間に手を噛まれたわ、アイタタタ。

 

 

 

 

 

02.お燐の場合

 

 今度はお燐が膝の上におります。前回はちと野生が残りすぎてる猫やったから、もうちょい大人しい猫で試そかと思います。それでは、ちゃんと寝てるかの確認をば。

 

「ん……んにゃ」

 

 よし、突っつくぐらいやと起きへんな。でも、この前の猫もこれぐらいやと起きへんかったから油断は出来へん。次行ってみよか!

 

「ん゛~」

 

 身を捩って逃げました。結果膝の上で余計に丸まってます。あ、あかん。反応がいちいち可愛いわ。

 橙は橙で可愛いんやけどね。あんだけ威嚇されてたんが、ついに懐いてくれた時ときたらもうっ!

 よし、落ち着こう、思考が暴走しとる。

 

「ん……すぅ」

 

 お、なんか落ち着こうとしてついついお燐の頭撫でとったら、気持良さそうな顔して寝とるなぁ。そうか、前回はくすぐったからちょっと目を覚ましかけとったんちゃうか?

 なら今度こそいけるやろ。レッツトライ!

 

「……!!」

「何っ!?」

 

 え、避けられた? 手を伸ばしたら予備動作無しで避けられた!?

 

「あは、あたいの耳に触れようだなんて100年早いよっ! 猫の危機察知能力のナメたらダメだよお兄さん」

「この猫も予想以上に猫でした!」

「どうしても確かめてみたいなら――捕まえられたら触らしてあげるよ!」

「こんにゃろ、人間ナメたらあかんぞ!」

 

 

 

 

 

 会長、副会長。人間は猫に敵いません。

 

 

 

 

 

03.藍の場合

 

 今、オレは藍さんの膝の上にいます。いわゆる膝枕をされている状況ですね。なんでこうなったんや。

 

「こら、動くんじゃない。危ないじゃないか」

「す、すんません」

 

 おまけに耳掃除されてるんやけど、ホンマなんでこうなったんや。

 猫は諦めて、大人しくて理性的な藍さんやったらいけるかもと思ったんやけど、よく考えると藍さんって簡単に人の膝の上ですやすやと眠るようなキャラちゃうよね!

 

「まったく、どれだけ放置してたらこうなるのか。少しは自分で耳掃除ぐらいしたらどうだい」

「いや、いざとなったら自分を『浄化』すればいいかな、と」

「はぁ、そういう所は紫様とそっくりだな。ほら、反対向きなさい」

「え!?」

 

 反対を向くということはつまり藍さんの体の方を向くという訳で。流石にそれは小っ恥ずかしいわっ。

 と思っていたら、待ち切れなかった藍さんの尻尾と腕によって強制的にひっくり返されました。

 

「……流石に、これは恥ずかしい」

「はいはい。いいから大人しくしてなさい。こら、動くんじゃない」

「む、むぅ」

 

 結局、両耳とも綺麗に掃除されました。あれやね、格が違うわ。

 至福のときやったから、また今度お願いにいこ。

 

 

 

 

 

04.星の場合

 

 そういえばネコミミはもう一人おったことに気づいたんで、その人に会いにきました。

 

「寅さん寅さん」

「おや、秋さんじゃないですか。あなたが聖のいるここに来るなんて珍しいですね。またお説教されますよ?」

 

 寅さんは笑ってそんなこと言うけど、聖の説教の長さは笑い事ちゃうんやけど。なんせ我が麗しの母上と同じぐらい長いからな、あいつの説教。

 

「いや、最近は変なことやってへんから大丈夫なはずや。そうやなくてやね、実はネコミミある人は人間の耳がある場所は――て、あぁ!!」

「ど、どうかしましたか?」

 

 あかん、寅さんネコミミ生えてへんやん! おかしい、以前生えてるの見たことあんのに、なんでや!?

 

「と、寅さん、ネコミミは?」

「見られていたんですか!?」

 

 ヤバいという顔をする寅さん。なんか、見られたらマズイもんやったんか?

 

「ほら、虎の耳が生えていたら私が妖怪だと人間にバレてしまいますから」

 

 だから普段は耳は隠しているそうや。オレが見た時は、周囲に人がおらんと思って気ぃ抜いてたんやろね。しかし、そうなると、また今回も失敗、か?

 

「そんなに絶望したような顔しなくても。あの、そんなに見たいですか?」

「うん?」

「あなたにはいつもお世話になってますし、寺を建てる時も人里の責任者と話をする場を設けてもらいました。あなたがどうしてもというなら、……周りに人が居なければ見せてもいいですよ。えと、その、ネコミミを」

「……!!」

 

 

 

 

 恥ずかしそうに顔を俯かせながらも、こっちを上目づかいで見てくる寅さんが最高に可愛かったんで思わずハグしてもうたけど、特に嫌がられもせえへんかったんで、オレは悪くないと思うことにする。

 まぁ、聖が「人目を憚らず破廉恥である!」とお説教するまでハグして撫で続けてもうたんで、ネコミミ見られへんかったし、ネコミミある時は人間の耳があるところはどうなってるか確認出来へんかったんやけどな。失敗失敗。

 また今度ネコミミ見せてもらいに行こ。

 

 

 

 

 

05.鈴仙の場合

 

 そうだ、ウサミミがいるじゃないかと気づいたので早速実行してみようと思う。

 

「耳を触りたい? 何で触りたいのよ」

「いや、単なる好奇心なんやけどね」

「そんな理由で女の子の耳を触らしてもらえると思ってるの?」

「ですよねー」

 

 だからと言って鈴仙はハードル高すぎたんちゃうかな自分。

 

「人間だって、いきなり他人に耳を触らせたりしないでしょ?」

「いや、見せてくれるだけでもええねんけど」

「耳ならいつも見せてるじゃない。人間と違って、この長い耳は髪じゃ隠せないんだから」

「や、人間の耳があるところはどうなってんのかな、と」

「……」

「……」

「……それじゃまた会いましょうっ!」

「あ、逃げた」

 

 もう見えなくなりおった。さすが兎、逃げ足速っ!

 しゃーない、もう片方の兎に聞いてみよか。

 

 

 

 

 

06.てゐの場合

 

「なるほどなるほど。それで人間の耳があるところを見せて欲しいと」

「そういうこと。で、どうやろか」

 

 永遠亭に行く途中、竹林でてゐを見かけたので耳を見せてくれないかと交渉中。

 てゐはしばらく悩んでいたかと思うとニヤリと笑い、おもむろに手を差し出してきた。

 

「ん?」

「耳が見たいなら金をくれ」

「オイ。いや、予想してなかったかと言われるとそうでもないんやけども」

 

 しかも片手じゃなく両手を差し出してきてるってことは、それなりのお金を要求されている訳で。

 

「高ない?」

「人の秘密にしてることを教えるんだから高くないと思うよ?」

「……」

「……」

 

その価値、プライスレス。

 

 

 

 

 

07.早苗の場合

 

「おっ兄っさーん!」

「ん、こちゃーか。どないし……たぁ!?」

「えへへ、似合いますか?」

 

 振り向くとそこにはネコミミを生やしたこちゃーが満面の笑みを浮かべていた。な、何を言ってるのかわからねーと思うが(ry

 

「おい、何でネコミミ生えてんの!?」

「お兄さんがネコミミが大好きだと聞いたので」

「誰がんなこと言ってたんや!」

 

 たしかに最近ネコミミ、というかケモノ耳を触ろうとしてたけどさ。あれは好奇心に突き動かされただけであってだやな。別にケモノ耳が好きという訳では……訳では……スバラシイデスヨネ!

 

「あの天狗の新聞に写真付きで書いてましたけど」

「あんの出歯亀鴉っ!」

 

 いったいいつの間にか写真撮ってたんやあいつ。というか、どこから噂嗅ぎつけてきたんやあの天狗。

 腹いせに今度鬼っ娘連れて妖怪の山襲撃したろか。もちろん酒瓶片手にやけど。

 

「で、どうですか、可愛いですか、キュートですか、触りたくなってきましたか?」

「あー、えーと、非常に言いにくいんやけどな」

「はい?」

「別にネコミミ触りたい訳じゃなくって、ネコミミある場合の人間の耳がある所はどうなってるんかが知りたかったんよ」

「え……」

 

 あ、なんか目に見えて落ち込んどるな。何かものすごい罪悪感が沸いてくるんやけど。

 

「うん、なんというかすまん。で、でも可愛いんちゃうか、その耳。てか、本物かそれ?」

「あ、はい。ちょっと、そこらで猫の霊を捕まえて憑依合体してきました」

「それはむしろオーバーソウルちゃうかな?」

 

 というか何やっちゃってんのこの娘さん!? そんなことを思いつきでやって成功するか普通。持ってるポテンシャルは相変わらず高いなぁ、羨ましい。

 

「で、いつまでその耳生えてんの。その姿やったら布教行かれへんやろ」

「……あれ、どうやったら解除出来るんでしょうか?」

「こちゃー、何度も言うけどもうちょいよく考えるようにしよか。思い込んだら一直線だったり、周りに影響受けて突っ走ること多いぞ」

「うう、気をつけます。それでですね、お兄さん」

 

 反省したと思ったら、何かを期待してこっちを上目づかいで見てくるこちゃー。はいはい、分かってますよ。

 

「解除出来る方法思いつくか、時間来て解除されるまでうちの店におるとええよ」

「さっすがお兄さん、優しいですね!」

「はぁ。こんなんでも招き猫代わりになるか」

「あの、あまり見られたくないんでお客さんは来ない方が嬉しいんですが。代わりにご飯作りますよ?」

「文字通り猫舌なやつに料理の味見出来るんか?」

「猫舌にはなっていませんって。再現してるのはこの素晴らしい触り心地のネコミミだけですよ?」

 

 ええい、分かった、分かったから擦り寄るなくっつくな膝の上で丸まろうとすんなアホー!

 

 

 

 

 

 結局ネコミミが解除されたのは夕方になってからでしたとさ。ったく、懐き過ぎちゃうかあの猫。

 

 

 

 

 

07.射命丸の場合?

 

「や、文屋。相変わらず元気やなあ」

「おや秋さんがこの山に来るなんて珍しいですね。ではお茶菓子を持ってくるのでそこの椅子にでも座って待っていてくださいそれでは」

「ちょい待ちいや」

 

 普段はオレ相手には使わない敬語を使い、適当な言い訳して部屋の外に出ようとする文屋の肩を掴み捕まえる。

 幻想郷一速いと豪語する通り、この文屋の動きは素早いから捕らえるなんてオレには出来へん。ただ、今回は対策として左手に『掴めない物など何も無い』と書いてあるんで、速すぎて捕まえられないはずのこいつの肩を掴めた訳や。

 

「何や人の事をおもしろおかしく記事にしてくれたみたいやん? どこで知ったかは知らんけど」

「いやはや何の事やら。私は事実しか新聞に載せていませんよ?」

「オレはネコミミが好きなんちゃうんよ。ウサミミだって大好きや!」

「怒るとこはそこ!?」

 

 喚く文屋を無視してあぐらをかいて、その上に文屋をうつ伏せの状態で乗せる。

 さあ、イッツ・ショータイム!

 

「あの、秋? この状態は色々とマズくない?」

「お前の記事のせいでコチャーが暴走して大変やったんや」

「いや、そんな遠い目をして言われても。あなたの妹、行動力ありすぎじゃないかしら」

「せやからちとお前さんには痛い目にあってもらおうかと」

「人の話聞いてない!?」

「思う存分その羽根――モフモフさせてもらう!」

「ごめん、今回は私が悪かったから。今度からもう少し後先考えて記事にするから! あ、ちょっと、そんなとこ触ったら! だからと言ってそこはもっとダメー!」

 

 

 

 

 

「ふう、良い触り心地やった」

「うぅ、もうお嫁に行けない」

 

 何か戯言をほざきながら泣き崩れる文屋がおるけど気にしない気にしない。

 いやー、流石羽の手入れは念入りにやってるだけのことはあって、こいつの羽の触り心地は他の天狗よりもサラサラとしとるんよね。酷いやつになると触っても砂埃がついたままのやつとかおるけど、こいつのは枕にしたらすぐに寝られるぐらいふんわりとした手触りや。

 

「嫁に行く気があったとは驚きやね。記事にしたら?」

「酷っ!? 女性に対してそこまで言いますかこのなんちゃって非力な一般人!」

「れっきとした非力な一般人じゃボケぇ! 嫁に行く気があるならもうちょいそれらしい態度せんかい。周りに男の影ないやんけ」

「私の影すら踏めない情けない輩に興味はありません」

「ふーん」

「ちょっと、何その気のない返事。話を振ってきたのは秋よ?」

「いや、よく見ると羽のこのへんに小枝や糸くずがひっついとるな、と」

「嘘!? 早く取って! もちろん優しく扱うように」

「へいへい」

「その辺は鏡でチェックしにくいのよね」

「羽触らしてくれるなら偶にチェックするけど?」

「考えとく。あー、そこそこ」

 

 

 

 

 結局、一日中文屋の羽を堪能させてもらいました。

 そして、今後もゴミをチェックする代わりに羽を触らしてくれるそうな。

 文さんマジ天使。




足洗邸を読んでたら書きたくなったネコミミネタです。
見たいと言われたので久々にweb拍手の管理ページ開いてサルベージしてきました。
私は管理人ちゃんすごくモフりたいです。
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