元医者は転生して大航海時代へ   作:皐月の王

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第2話:シャボンディ諸島にて

数日の航海の後にシャボンディ諸島に到着した。名前の通りにシャボン玉が至る所に浮いている。そして大きな樹木ことヤルキマンマングローブが並んであるその樹木には番号も書かれている。

 

「凄い!シャボン玉がいっぱいだ!大きい樹木…ヤルキマンマングローブ凄い!!!」

 

私は年相応にはしゃぐ。本当にすごいと思ってるし。お父さん達はその様子を見て大笑いする

 

「ハッハッハ!!!年相応の反応できるじゃねえか!!!」

 

「全くだ、背伸びしてただけか!!!」

 

「むぅー」

 

私は膨れる、それは火に油を注ぐだけになり腹抱えて笑われる始末。ひたすら笑ったあと、お父さんは私を連れて歩き出す。

 

「それで、どうしてレイリーさんなんだ?」

 

「お母さんが、『私の師匠だから、海に出たら鍛えてもらいなさい』って言ってたからかな。それに海賊は引退してるんでしょ?」

 

「なるほどな……リンなら言いそうだな。そうだツバキ、肩車してやろう!」

 

そう言うと無理矢理右腕だけで肩車するお父さん。正直に言うととても恥ずかしい歳的にも、精神年齢的にも

 

「お父さん恥ずかしいよ!」

 

「いいじゃねえか。硬いこと言うなよ」

 

そういう事じゃないと言いたいが、せっかくだから楽しむことにした。肩車の時、いやあった時からの疑問をぶつける。聞き辛いが聞かないと行けない気がしたから。

 

「そう言えば、お父さん。左腕どうしたの?」

 

「ああ、友達を助けるにな、近海の主にくれてやった。友達の命に比べたら安いもんだ」

 

友達のためとはいえ腕を犠牲にするなんて簡単じゃない。思い出した、確か、モンキー・D・ルフィを助けるために腕を犠牲にしたのだったその後お父さんは麦わら帽子をルフィに預けたんだったんだ。お母さんの言っていた通りの人だ仲間想いの人だ。この人が私のお父さんでよかったと思える

 

「そうだツバキ、服を買ってやる。幾ら何でもその格好はダメだよな」

 

「え?………そう言えば」

 

私の服装は村の襲撃以降変わらない変えがないのは辛い。着飾るつもりは無いし、動きやすい服があれば十分だ。

 

「じゃあ、お言葉に甘えて」

 

レイリーさんの所へ行く前に服屋による事になる。私は簡単に歳相応の動きやすい服を選んだ。そして着替えた。赤を基調とした服で袖元は黄色で黒い短パン、ベルトは赤で淵は黄色、中のシャツは黒だ。

 

「ありがとう、お父さんこれいいよ!」

 

「気に入ったのならいい。そんじゃレイリーさんのところ行くか!」

 

そしてレイリーさんがいると言われるコーティング屋に辿り着く。外には白い髪に白いヒゲ、メガネをかけた老人がいた。

 

「レイリーさん」

 

お父さんが声をかける。レイリーさんと呼ばれた老人は静かに立ち上がり

 

「シャンクスか元気そうだな!東の海で腕を失って来た以来か。うん?そこのお嬢さんは?」

 

レイリーさんは私を見る、懐かしい者を見るようだったそれも誰かに面影を重ねているようだった。

 

「俺とリンの娘だ。なんでもレイリーさんに鍛えて欲しいとの事だ。俺達の事を考えてか、航海の邪魔をしたくないという始末だ。だからレイリーさんツバキを鍛えてやってくれ」

 

お父さんは頭を下げる私も頭を下げてお願いする

 

「レイリーさん、これからお願いします!」

 

「うーん」

 

レイリーさんは考えているようだ。

沈黙がしばらく続き

 

「良いだろう。リンの子なんだろう?なんとも鍛えがいがあるじゃないか。こちらとしても良い刺激になる」

 

レイリーさんは快く引き受けてくれた。

 

「助かるよレイリーさんありがとう。今から仲間達を連れてくる。宴しましょう」

 

お父さんはそう言うと、船を止めた方へ行く。私はここで待つことにした。

 

「それじゃあ、改めて自己紹介だ。私はシルバーズ・レイリー。コーティング屋さ。昔は君のお母さんと同じ船で副船長をしていたさ」

 

「スメラギ・ツバキです。これからよろしくお願いします!レイリー師匠!」

 

私は"オッス"って感じで挨拶する

 

「ハッハッハ気が早いが、やる気は十分のようだね」

 

「はい!」

 

そして夜になりお父さん達が来て

 

「野郎共!宴だァああああ!!」

 

お父さんの号令で宴が始まる。因みに宴をしている場所はバー『シャッキー'S ぼったくりBAR』と言う場所である。シャクヤクさんの店である。各々楽しんで飲んでいる。私はシャクヤクさんにジュースを貰いそれを飲んでいる。

 

「貴女レイリーさんに鍛えてもらうのよね?」

 

「はいそうです」

 

「どうして強くなりたいと思ったの?話を聞いたら数日前に海賊に村を焼かれたと聞いたわ、それで赤髪のシャンクスにつまり君のお父さんに助けてもらったと」

 

「はい、確かに私はあの日、村を海賊に焼かれました。普通なら海賊が憎むのでしょう……でもそれ以上に私は自分の無力さを恨みました。それに海賊の中には仁義を通す人達もいるとお母さんから聞いていました。『海賊は世間から見たら悪だけど、全部が全部悪い人じゃないわ、中には縄張りとして守ってる海賊だっているのよ』と聞かされてましたから」

 

シャクヤクさんは驚いたように私を見る。そんなにおかしいかな?いや多分おかしいのだろう。自分でも、おかしいとは思うけど、あの時感じたのは紛れもなく "自分への情けなさの怒りだ" それを爆破させたのが海賊達だ 。復讐を考えるのが普通だけど相手はどこの海賊なのかもわからない。どのみち海に出るならそれなりの実力は欲しくなる

 

「強くなりたいんです。強くなって自分が信じる道を進みたいんです。私の運命を変えれるのは私だけですから」

 

私が知る『頂上戦争』の運命を変える為に。私は決意し刀の柄を握りしめて言う。シャクヤクは手を肩にポンと置き

 

「頑張りなさい、自分の道ならどうにでもできるわ」

 

そう言いレイリーさんのところに行きました。その後はみんなの輪に混ざり、お酒を飲まされました、すぐに酔いつぶれましたよ。

 

レイリーside

 

今日はシャンクスが娘を連れてきた、一目見てリンの見習いの時の姿を幼くした感じだった。だが凛としていて幼いながらもしっかりした印象だった。 聞けば、シャンクスとリンの娘だと言い、私に鍛えてほしいと言ってきたのだ。私の返事は勿論受ける。ロジャー海賊団が解散し隠居をしてから世界を見守ってきたが老け込むにはいささか早い気がした。そこにこの話だ、この娘、ツバキを鍛えるのは良い刺激になるし、何より久方ぶりに昂る心が喜びを感じたのだ。私は少し考えるふりをして、二つ返事でその話を承諾した。

 

 

 

 




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