君を探して   作:茜崎良衣菜

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初めまして茜崎良衣菜です!
これから主にBanG_Dream!の話を書いていきますので宜しくお願い致します!




第一章  一年越しの再会
捜索1


 

 

それはいつものようにバンドの練習が終わり帰りの支度をしている時、唐突に今井さんが聞いてきたことがきっかけだった。

 

 

 

「ねえ紗夜。初めて会った時からずっと思ってたんだけど」

 

「なんですか今井さん」

 

「紗夜が付けてる月の形のペンダントすごく可愛いし紗夜らしいよね。どこで買ったの?」

 

「え?」

 

「あっ!それあこも気になってました!」

 

 

 

今井さんに便乗する宇田川さんの目はキラキラしていて眩しい。

そんな2人の眼差しから目を離し一度胸元を見た。

 

 

そこにあったのはシルバーの三日月型をしたシンプルなどこにでもありそうなペンダント。だが私にとってはとても大切な物で常に肌身離さず持っている物でもあった。言ってしまえばギターなんかよりも大切だ。

 

 

 

「‥‥買ったわけじゃないの。貰い物よ」

 

「そうなの?でも練習の度に着けてるってことはよっぽど大切なんだね」

 

「誰から貰ったんですか?」

 

「紗夜がここまで大切に持ってるってことは日菜からのプレゼントとか?」

 

 

 

いくら日菜と仲直り、というか和解したからといって彼女から何かを貰った覚えはない。それに日菜から貰ったからって毎日着けることもしないだろう。

 

ただあの人から貰ったからってだけ。

 

 

 

「日菜は関係ないわ」

 

「えー。じゃあ誰からなんですか?」

 

「もしかして恋人とかー?」

 

 

 

今井さんがニヤニヤしながらこちらを見てくる。それに続くように宇田川さんも私に視線を向けていた。

予想もしていなかった質問に思わず固まってしまって、そのせいで今井さんが目を丸くする。

やってしまったと思った。

 

 

 

「え、マジ?」

 

「いえ違います!」

 

「そんな焦った声で言われると信憑性が増しちゃうと思うんですけど‥‥」

 

 

 

色々やらかした。そう思わざるを得ない。よりにもよってこの二人に知られてしまうなんて。

 

 

 

「へぇー。まさか紗夜に恋人がいるなんてねー」

 

「それじゃあそのペンダントも恋人さんから貰ったんですね!」

 

「‥‥違いますよ」

 

 

 

私は思いのほか素っ気ない声が出て少しだけ後悔。けど勘違いをそのままにしておけるような内容でもないため仕方がない。

 

恋人、ね。そう呼べる人が隣にいてくれたらどれだけ幸せなのでしょうか。私にはわからないわ。

 

 

 

「私に恋人なんていませんよ。変な勘違いはしないでください」

 

「えーでもさっきの反応的に」

 

「今井さんの発言に驚いただけです。すみませんが私はこれから予定があるのでお先に失礼します」

 

 

 

これ以上詮索されないようにまとめていた荷物を持ってスタジオを出た。何か言っているような気がしたけど無視しておいた。

 

スタジオから出れば蒸し暑さが私を支配する。そんな帰路を汗だくになりながら帰った。

頭をよぎった彼の姿は消えてほしいのに汗の様に流れてはくれなかった。

 

それはきっと今日があの日に近いからだ。

 

 

 

 

彼がいなくなったあの日は一年経った今でも忘れられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♢♢♢

 

 

 

 

 

 

 

「ひーなー」

 

「ん?どうしたのリサちー?」

 

「聞きたいことがあるんだけどさー」

 

 

 

昨日の紗夜の様子がおかしかった。

アタシの質問に氷川紗夜は一瞬だけど固まった。まさか紗夜に恋人、とはいかなくても想い人がいるとは。

紗夜の口から聞くことはできなかったけど妹の日菜なら何か知っているんじゃないか。朝から日菜に声を掛けたのはそう踏んでのこと。アタシの予想では紗夜の情報は日菜には筒抜けだろうし。

 

 

 

「何?一時限目でやる小テストの範囲?」

 

「え、なにそれ」

 

「先週数学の先生が言ってたよー」

 

「忘れてた‥‥ってそうじゃなくて!」

 

 

 

どうしよ。一時限目テストあったんだった。完全に忘れてた。しょうがないこの話が終わったら教えてもらおう。

 

 

 

「紗夜のことで聞きたいことがあるんだ」

 

「おねーちゃんのこと?何?」

 

「紗夜っていつもペンダント着けてるでしょ。あれって誰から貰った物なの?」

 

 

 

いつもの何気ない会話と同じようなテンション感だったと思う。何か変なことを聞いたつもりはない。それのはずなのに。

 

日菜は目を見開いて何とも言えない顔をしていた。高一の頃から仲のいい彼女だけどこんな表情は初めて見た。

 

 

 

「待ってリサちー、それもしかしておねーちゃんにも聞いたの‥‥?」

 

「う、うん。何かマズかった?」

 

「マズいに決まってるじゃん!」

 

 

 

突然の大声にアタシだけでなくクラス内にいた全員が驚く。みんなの視線は日菜に向いていた。そんな本人はそのことに触れるつもりはないのか、または気づいていないのか、はたまた両方かもしれない。アタシしか見ていなかった。

当のアタシは日菜の大声の理由がわからなくてただ混乱していた。

 

 

 

「なんでそんなこと今更!今まで聞いてなかったのになんで今聞いちゃったの!?」

 

「な、なんでってただ気になったから‥‥」

 

「だからって!なんでよりにもよってこのタイミングで‥‥」

 

 

 

日菜は苦しそうに俯いた。アタシは彼女の言いたいことがわからなくて頭を抱える。同時に確か紗夜もこんな表情してたっけ。やっぱり双子って似てるなって他人事のようなことを思った。

 

 

 

「ひ、日菜、あの。何をそんなに」

 

「リサちー」

 

 

 

アタシの言葉は日菜によって遮られた。

そして聞いたこともないようなトーンで告げられた。

 

 

 

「おねーちゃんの前でその話はしないで。ペンダントのことは一切触れないで」

 

「なんで?」

 

「いいから!」

 

 

 

怒っているというか焦っている。どうしてかはやっぱりわからなかったけど日菜がこれだけ念を押して止めに入るってことは重要なことなのは間違いないだろう。

 

だからアタシは日菜の声に頷いてそれ以上のことは何も聞かなかった。

 

 

 

そして紗夜のペンダントがどれだけ大切な物なのかアタシにはまだ理解することができていなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







一話いかがだったでしょうか。
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