10.帰宅
連休の三日間で基礎を習い帰宅するはずが、アクシデントが多発して学校は無断欠席してしまうし、家には連絡できないし、ASEにも連絡がしたい。その為に早く帰宅する必要がある。
そのことを老師と小竜姫様に告げる。
「今回のことで理屈理論は知らずとも霊力の制御は身体に叩き込んだゆえ、身体能力の向上も霊力を循環することも出来ているはずだ。お主は人の枠には入ってはおるが、そして人間というものは異端の存在に容赦しない。
日本はまだ八百万という多神教の概念が息づいておるからまだ良いが他の地では、そうも行かぬ所が多いのもまた事実。
今のお主ではスーツを脱いだほうがその力を発揮できるかもしれんが、不意を突かれての遠距離攻撃からの防御とその力を抑制するために着ておくとよい。
そのスーツがあれば、多少力加減を間違えても、スーツの力と言えるだろう。
まぁ何かあれば、妙神山に来るとよい。」
「横島さん、私のことを忘れては嫌ですよ。油断せぬよう気を付けてお帰りください。」
鬼門の外まで見送っていただき、オフロードバイクに乗って山道を下る。
特に何の問題もなくASEに到着した。
車両課の課長が作業していたので、オフロードバイクの返却をする。
そのまま課長と立ち話で、龍神様と立ち合ったら、AMスーツを壊し、ナイフを折ってしまい。あげく立ち合った龍神様と結婚するかもって話すと、完全にどん引きしていた。
「おい、優 何しに行ってんだよ。お前はそうでもないと思っていたが、やっぱり霊能者ってやつは変わっているな。
そうだ、メイゼル博士が来てるから直接謝っておけよ。」
分かりました。と返事をして博士に会う。
「すみません、殴り込みのつもりはなかったのですが、相手は宇宙人以上でした。AMスーツも筋線維断裂してパワーが出せません。ナイフも折れてしまいました。
大変、申し訳ありません。」
「おぉ優君、これはまた派手にやってきたなぁ、まさか壊れて返ってくるとは思わなかったよ。まだまだ改良の余地があったか。頑丈にするのは当然だが、なにか追加してほしい機能はあるかな?
ここまで性能を引き出して壊してくれたんだ。このまま君を専属のテスターとしてお願いするよ。」
ならばと、スーツの応答性の向上と頭を守るヘッドギアの作成、ナイフにはナックルガードが欲しいとお願いをする。
ASEでの用事も終わったので、課長に帰ると声をかけて帰宅する。
玄関のカギを開けて、ただいまーと声をかけるが返事はない。
リビングまで行くと、ソファーに百合子さんと男性がいた。恐らく大樹さんだろう。
男性がこちらに振り替える。
「百合子から話は聞いているよ。忠夫ではなくて優君らしいね。忠夫の父親の大樹だ。
責めている訳ではないが、君が三日で帰宅するはずが、帰ってこれなかったことで百合子がだいぶ参ってしまっていてね。今ようやく寝たところだよ。
君相手には気丈に振舞っていたようだが、やはり一人息子を失ったことは深い悲しみだったようだよ。やはり腹を痛めて生んだ我が子は違うのだろう。
黒崎君から聞いているが、百合子の君へ甘えるようなあの態度もまるで中身が変わってしまいどうすればいいのかわからない反動だったようだ。
百合子に謝りに来てみれば、君が帰ってきたと玄関まで走ってきた百合子の姿だった。
でも私を見てひどく取り乱したよ。忠夫が帰ってこないとね。
優君、君も霊能者だろ、降霊をして忠夫の姿を一目見れないだろうか?」
「わかりました。僕の能力を使えば降霊は出来ると思います。ただ一点間違っていることは横島忠夫さんは昇天しておりません、守護霊となって背後にいらっしゃいます。
百合子さんが目覚めてから始めましょう。」
日も落ち、辺りが暗くなってきた頃、百合子さんが目を覚ました。
そして僕を見つけると抱きしめてくれる。そしておかえりと言ってくれた。
「では、大樹さん、百合子さん始めましょうか、横島忠夫さんの降霊を」
文珠を二つ取り出す。{現}と{伝}の文字をセットする。
文字通り忠夫君が現れ、意思を伝えることを意識して文字を込めた。
忠夫君が現れ、その意思が伝わってくる。
「親父、お袋、ごめんこんな姿になっちまって
今は優の守護霊になって、優と一緒にいるよ。」
その言葉を感じて、百合子さんは積もり積もったものが爆発したのか、ついには泣き崩れた。
その肩を抱き、大樹さんが支えている。
「忠夫、親より先に逝く奴があるか、今になって心底ナルニアに連れて行けば良かったと思っているよ。」
大樹さんが後悔を滲ませそう呟く、そして百合子さんは忠雄くんに質問していた。
「忠夫、あなたその体でなにか不都合はないのかい?」
「大丈夫だよ。お袋。心配してくれてありがとう。霊体は暑さや寒さ、飢えには無縁なんだ。それに優の守護霊になっているから祓わることもないよ。」
お互い、言葉が少ないながらも言葉を交わしてく。
そして、文珠の効果が切れてきたのか、忠夫君の身体がだんだん薄くなる。
「親父、お袋ごめん、今回はここまでのようだ。
親父、馬鹿なことをしてお袋を悲しませないようにな。
どうせなら、本当に弟か妹を作っちゃえよ」
そう言い残して消え去る。
「ありがとう、優君。少ない時間だが忠夫に会えてよかったよ。
未練が残るが、ナルニアに仕事を残していてね。戻るしかない。
百合子は日本に残そうと思っていたが、憔悴している様子を見るとね。どうしても残しては行けないよ。自然が多いナルニアの方が、心の治療にいいだろう。
本当に馬鹿なことをしたよ。息子を亡くし妻の異変にも気づかない。最低の父親だ。」
忠夫君は両親の不仲を心配していた。
「忠夫兄さんの話を聞いていましたが、本当の弟か妹を望んでいたようですよ。」
「あぁ、忠夫に言われたとおり、二度と悲しませるようなことはしないさ。
明日にはナルニアへ百合子と帰るが君もくるか?」
「いえ、僕は日本に残ってやることがあります。」
そう、僕にはやる事がある。これを成さねば死んでも死にきれない。
「良ければ、何をするか聞いてもいいかな?」
「はい、霊体の受肉。つまり忠夫兄さんの復活です。もちろん成せるかどうかわかりません。ただ挑戦します。」
横島夫妻は驚きの表情を見せる。そして2人でうなづき合う。そこにどんな思いがあるか僕にはわからない。
「そうか、ではこのマンションはそのまま使ってくれ。家賃と生活費は少ないかもしれないが毎月振り込む。頼んだよ我が息子よ。」
今思えば、偶然とは言い難いことが積み重なり過ぎている。
人が亡くなればその魂はアストラルの海に還り溶け合い、輪廻転生の環をめぐるのだ。
しかし、横島忠夫の魂は守護霊として、まだこの世に留まり保持されている。
そして極めつけは如意宝珠だ。小規模の願望機なんてどう考えても偶然の産物ではすまされない。僕は此処にいることさえ、全ては横島忠夫の復活のための駒のようではないか。
世界意思は横島忠夫を諦めていない。そう感じて仕方がない。
ならば、世界を巻き込み、宝珠に願えば横島忠夫の復活も叶うだろう。
世界意思すら落とすとは流石は人外キラーの本領発揮といったところか
だが、まるでかの鋼の錬金術師のようではないか。
兄弟の役割が逆ではあるが、弟の僕が兄さんを絶対に復活させる。
物語はハッピーエンドが好きなんだ。
NGシーン1
よっしゃー自由への脱出だー そもそも妙神山に来ること自体間違っていた。
うっかり雰囲気に流されて、自殺しそうになったり、神様と結婚しそうになったり
どう考えても死亡フラグだから、そんなんありえないし。
小竜姫様の巨乳はおしいけど、忠夫君とちがって乳に自分は命を懸けられん
ひゃっはー!一気に山道をくだって行く。
タイヤのスポークに何か刺さり空中に身体が放り出される。
地面に叩きつけられ痛む身体のまま、振り向くと小竜姫様が立っていた。
「横島さん、貴方のことを信じていたのに・・・ 来世では幸せになりましょうね」
DEAD END
NGシーン2
玄関の鍵を開け、ただいまーと声をかける。
奥から百合子さんがおかえりなさい。心配したのよと出迎えてくれる。
妙神山はどうだったと聞かれたので、可愛い巨乳のお嫁さんができたと。靴を脱ぎながら答える。
ドス
そんな鈍い音が背中から聞こえた。
後ろに手を差し出し手に当たる感覚で背中に包丁が刺さっている、そのことを脳が認識した瞬間から背中から灼熱の熱気を感じ
そして、だんだん血が抜けて体が冷えていった。
私の可愛い優はそんなこと言わないわ。この優は偽物なのよ。
DEAD END
すみません。ヤンデレ分が足りなかったので、ちょっと追加しておきますね。