12.受肉に向けて~魂の在り処~
ドクターカオスとの相談のあと、ボケてきたら使ってくれと、帰り際に文珠を数個渡したが、結局のところ対処療法でしかない。
冗談半分でドクターに電脳化でもしたらどうですかと話を振った。
どんな物なんじゃとドクターは興味がありそうだったので、アニメの世界の話ですがと前置きして、電脳化がどんなものかを説明した。
ナノマシンを使用して、脳神経細胞とナノマシンを結合させ、電気信号の信号送受信をすることによって、義体を動かしたり、ネットに有線または無線を使ってアクセスできる。そうして記憶も外部装置に保存しておき、いつでも参照できるようになると、概要だけ説明しておいた。
「お主霊能力はどうやって発生しておると思う?」
「詳しくは知りませんが、以前は脳の一部が変化を起こし霊能力が使えると思っていました。でも今は霊能力は魂の力だと感じています。事実妙神山では霊格の上昇により霊能力も力を増しました。」
突然ドクターが神妙な顔をしてそんな事を聞いてくるので持論を話した。
この世界に来る前そして霊能力が使えるようになる以前は、霊能力も超能力も脳の一部が変化を起こして使えるようになっている。
つまり霊能力=超能力だと考えていた。
しかし、この世界で霊能力が開花し、実際に使えるようになると霊能力と超能力は似ているが別のもので、霊能力は魂の力だと実感を持って理解するようになった。
そして超能力は脳の開発をした結果だろうと思っている。他にも要素はあるだろうと想像はできる。
「まぁそうだな。その意見は的を射ていると思う。ではその魂はどこにあるのかな?」
その問い掛けにすぐには答えが出なかった。
魂の在り処、魂とはどこにあるのだろうか、古代文明の中には心臓を神に捧げる儀式があるように心臓に宿ると考えていた文明もある。魂とは心臓に宿るのだろうか?
それとも意識が脳にあるように、魂も脳に宿るのだろうか?
はたまた、魂とは肉体に宿るものなのだろうか?
「ドクターカオス、魂が人のどこに在るのか、考えたこともありませんでした。
古代文明では心臓に宿ると考え、生贄として捧げました。
今は意識を生み出すと言い方は違うかもしれませんが、脳にあると考えます。
いや、もしかしたら身体に宿るのかもしれません」
「そうじゃな、お主が脳に魂は宿るという考えはわかる。
実際、精神を抜き出すときに頭を殴るという行為をするだろう。あれは肉体と霊体の両方に作用するようにできておる。そして意識を飛ばしたほうが霊体が出やすいので頭を殴っておるわけじゃな。
ワシの長年の観測の結果から推測するに、魂とは物理世界と精神世界の間、両方の世界に属している半次元とでもいったところにあると思われる。
だから、生命活動が停止すれば魂は精神世界に戻り、アストラルの海に戻る。
地縛霊などは物理世界に縁をつないでおるから存在できるのじゃ、悪霊が力を持つと物理世界に影響を及ぼすにはこのためじゃな。半分属しているから影響がでるのじゃ。」
「ドクターお話は理解できますが、なぜ推測なんでしょうか?
この世界には会える神もたくさんおります。彼らに聞けば早くありませんか?」
「はぁ、お主は日本に住んでおるからそう思うのだ。この国は多神教、そして余りにも日常に神々が溶け込んでおる。悪いことをすればお天道様が見ておるとか言うじゃろ。この国の人間は特に意識せずに、生活習慣や考え方に深く根付いておる。
そしてこの国では形こそ多少変わるが他の神々も平気で受け入れる、この寛容さは滅多にないぞ。
話を戻すが、他の国では一神教が多いゆえな、なかなかお会いする機会はないのだ。」
なるほど、日本の常識は世界の非常識というが、こういう面もあるのだな。
「話が長くなってしまったな。生まれた赤子が前世の記憶を持っておることがある。それは魂に刻まれた記憶だ。つまり人形に身体を移す場合、なんの準備もせずただ移動させれば、記憶の欠損を起こすことも考えられる。
むろん、魂に刻まれるような強烈な体験は覚えているだろうがね。
最初にでた、電脳化というのはいいアイデアかもしれない。他にも神仏に頼るのも一つの手だろう。
肝心の霊能力だが、魂に付随するから身体が変わっても使えるだろうが、霊力を流す経路に元の体との違いがあると、力が落ちるかもしれんな。
生活費を得てしばらく落ち着ける。少し考察と検証を勧めてみる。」
ドクターカオスと相談して大きな3つの項目をクリアする必要があることがわかった。
1つ目は移す先の人体の用意。これは当然だな。
2二目は魂を欠損させず、雑霊などつけず完璧に移動させること。
3つ目は記憶の保持だ。この体は元々忠夫君のもの、彼の記憶は脳に保存されているだろう。
では自分の記憶は魂にあるのかもしれない、しかしここで過ごした日々の記憶はこの脳にもあるはずだ。この記憶がないと生活に支障が出るかも知れない。
まぁいい。問題が多いことも、大変だということもわかった。あとは一つ一つ実行していくだけだ。
今日のところはこれで帰ろう。頭が痛くなってきた。
帰宅し夕食を食べ終わり、しばらくたった後不意に呼び出しのブザーがなった。
この家に来る人なんて、横島夫妻以外思い当たらないが、無視するわけにも行かず来客を迎える。
ドアを開けるとメイゼル博士とマーガレット女史だった。
「優君、夜分遅くにすまんな。改良したAMスーツとオリハルコンナイフ、あとはオプション装備を持ってきたよ。なかに入れてもらえるかね?」
わざわざ装備一式をもって来てくださったようだ。
「連絡を頂ければ、こちらから受け取りに行きましたのに、わざわざすみません。」
「いやなに、妙な胸騒ぎがしてな。早く渡そうと思って持ってきたんじゃ。
さて、これを見てくれ改良したAMスーツじゃ、前回から耐久性は大幅に向上しておる。
雷を使ったと言っておったから、不導体処理も完璧じゃ。
頭部保護のヘッドギアも持ってきたぞ。無線も付けておいたから通信もできる。
そしてナイフだが、要望通りナックルガードをつけておいた。硬度も前回より数段高くなっておる。そうそう折れることはないじゃろう。
あとオプションでワイヤーアンカー付きのアームパッド、これなら無手でも刃物を捌ける。
それと拳銃と弾丸各種、これは霊銃として登録してあるから持ち歩くときはGS免許を携帯するように。
銃を収めるホルダーとベストじゃ、これに銃とマガジン必要なら御札もしまえるようにしておいた。各種のポーチは移動もできるから自分で調整してくれ。」
博士が持ってきてくれた装備は一人で小銃こそないがテロくらいは簡単に起こせそうな装備だった。
前回よりもすごくというか酷くなっている。こんなの着てこの平和な日本のどこでドンパチするんだ。
いや、でも博士が胸騒ぎがあるといって持ってきてくれたくらいなんだから、ASEの仕事のときでも着ていくようにしよう。
「博士ありがとうございます。これで敵は宇宙人だけですよ。」
頑張ってこいよ。といって博士は帰っていった。
しまったお茶くらい出せば良かった。
また、学校帰りに厄珍堂に向かう。
精緻精巧な人体と同じ人形を作る技師はいないか裏の世界の話を聞くために向かう。
そして良ければ紹介してほしい。
「こんにちは、厄珍さん。早速ですが前回もう一つ調べてくれるという約束をさっそく使わせてもらいにきました。
人の魂が宿るくらい精巧な人形を作る、人形師を探して紹介して欲しいです。」
「坊主何を作る気ね。ダッチワイフなら私も欲しいあるよ。」
さすが厄珍さん、エロ方面にはぶっ飛んでいるな
「いえいえ、今回はエロ方面じゃないんですよ。」
「まぁ坊主との約束あるからね。調べてあげるよ。でもちょっと時間が欲しいね。」
調べが付いたら連絡してくださいといい店を出る。
さてあとは厄珍さんの調査能力を信じるだけだな。
魂の在り処として魂はどこに宿っているんだろうという事を書きましたが
なんの根拠も無い創作です。
諸説ご意見はあるかもしれませんがさらっと流して頂ければ幸いです。