18.そうだお礼参りに行こう。2
先日、六道婦人のお礼という名目のお茶会にお招きされ美味しいケーキとお茶を楽しんでいると、後からやってきた冥子さんが式神の暴走させるハプニングが発生。
なんとか魂鎮めをして式神が大人しくなった。
何か作為的なものすら感じるがさらにお礼として伊勢までの旅費をいただいてメイドさんに家まで送ってもらった。
霊感なのか直感なのか、伊勢に行ったほうがいいような気がするんだよなぁ
せっかく旅費をいただいたので、週末に伊勢神宮にお参りに行くとしよう
~ 東京駅 -> 伊勢 ~
東京駅から東海道新幹線で名古屋に向かう。
そういえば、前世では指定席をネットで予約して券売機で受け取るシステムからブラシュアップされて最終的にはICカード2枚で新幹線に乗れるようになったし便利になったよなぁ。
たまにグリーンポイントでグリーン車に乗れるのがなんか贅沢に思えたな。
さて、券売機でも乗車券を買えるのだが、今回はみどりの窓口で乗車券を購入する。
結構期待していたけど、期待通りグリーン車の引換券だった。
さすがは六道家だな。いや今ならそれくらいの金額は出せるのだがどうしても、グリーン車に乗ると言う発想が出てこない。
ありがたく頂戴してまずは名古屋駅を目指す。といっても列車番号さえ間違わずに乗ってしまえば寝ていても安全快適に運んでくれる。大目に見て約2時間の列車だ。
東京を出発して、持ってきた小説を読んでいるが、エアコンの効いた車内環境とこの絶妙な揺れが眠気を誘う。
新横浜を超えたので次は名古屋に止まるのだが、寝過ごすと次は京都、新大阪までいってしまう。
三河安城を通過したというアナウンスで目が覚めることを期待して朝が早かったしちょっと寝てしまおう。
結局、三河安城より手前の豊橋で目が覚めた。そのまま名古屋で下車することができた。
前世は名古屋に住んでいたこともあり何か懐かしい感じがする。
そうだ、帰りに住んでいた辺りを探索するのもいいかもしれない。どうなっているか、どんな違いがあるのか楽しみだ。
よし、このまま近鉄にのって伊勢を目指す。
近鉄って確か近畿日本鉄道だったよな、うろ覚えな記憶が確かなら日本最大の民営鉄道会社のはずだ。
昔は会社の先輩から大阪出張に行くときは近鉄のほうが安いからそっちに乗って、新幹線の差額をもらったほうがいいぞとか言われたこともあったなぁ
あまり前世でも余り乗ったことがないからすごく楽しみだ。
名古屋駅から乗り換えもなく五十鈴川駅に到着することができた。
正直ここからはどうやっていいのかわからない。徒歩で30分くらいだったような気がするが土地勘がないから正直つらいところだ。
今回は潤沢な資金があるからここは一つゴージャスにタクシーで内宮を目指すことにしよう。
~神宮(内宮)~
内宮のタクシー降車場についた。ここからは徒歩で向かう。
内宮への入り口、五十鈴川にかかる宇治橋の手前に大鳥居がある。
ここを超えた瞬間から神域への入っていくのだが、霊能者でなくても空気感が変わるのだ。
もっといえば宇治橋を超えたあたりから清浄な空気になっていくのが肌で感じられる。
玉砂利の感触を楽しみながら右手に折れ歩いていく、途中で手水舎により俗世での穢れを祓い、心を清めていく。
内宮という場所には天照様をお祭りするだけではなく、食事を作ったりする関連施設が沢山あるのだが今回はまず天照様のいらっしゃる正宮を目指す。
折角ここまで来たのだから天照様にも一目お会いしたかったが、連絡の方法も知らないうえに、アポイントもとっていないので、一般参拝者と同じように正宮前にて、心中で天照様に忠夫も復活できましたとお礼の言葉と深い感謝の意を込める。
一頻り、感謝の念を込めたところで帰路につくかと振り向くと、必死の形相で神職の方が走ってこちらに向かってくる。
なにか大事でもあったのかと思いつつも、一般人の自分には関係ないかと思い道を譲る。
しかし、神職の方は譲った道を塞ぐように、こちらに向かってくる。
こちらまで走ってきた神職の方に横島優さんですか?と尋ねられた。
そうですが、なにかありましたか?と問えば
天照大神が貴方に会いたいので、連れてきてほしいとお願いされました。是非お時間あればお願いしたい。
もちろん、自分も天照様にお会いできるなら、是非ともお願いしたい、連絡の取りようもなく途方にくれていましたとお答えすると、こちらにどうぞと正宮の中に通された。
通された一室に妙神山でもお会いした天照様がいらっしゃる
妙神山の時よりも神々しい感じがするのは、ここが彼女のホームだからだろうか
それにしても、日本の最高神なのに近所の美人のお姉さん感が強いな。相変わらずとてもお綺麗だ。
「お久しぶりです天照様。お招きありがとうございます。」
「お久しぶりですね。横島さん、今は横島忠夫さんもいらっしゃるから優さんとお呼びしたほうがいいのかしら、それに以前に天姉様で良いと言いましたのにそう呼んではいただけないのですか?」
「すみません、以前妙神山でお会いした時よりもなにか神聖な空気感というのでしょうか、輝いて見えると言えばいいのでしょうか、そんな雰囲気になりました。」
「あら、優さんったらお上手ですね。ここ神宮は日本の神社の最高位、毎日多く人々が訪れる祈りの場、そういった念を敏感に感じ取っているのでしょうね。」
そう言って、コロコロ笑う天照様
そうそう、これだけは忘れてはいけない。
わざわざ伊勢まで来たのは天照様にお礼を言いに来たのだった。
「天姉様、ご加護をいただけたおかげで、横島忠夫君をこの世に再度受肉させ、復活をさせることができました。本当にありがとうございます。
その際、私の身体は人のものとは違いますがこれまで通り、天姉様とお呼びしてもよろしいでしょうか?」
「私は天姉様と呼んでくれないのかしらと最初に言いましたよ。ずっと八咫鏡を通して見守っていたのですもの、その魂や心は変わっていないと分かっていますよ。
こう言っては貴方に悪いかもしれないけれど、私は長い時を生きる者になってくれて嬉しいわ。
それに人の世に暮らしづらくなれば、ここに来ればいいわ。この日本には八百万の神々がいるのよ。私が人形の神であると宣言をして、祀られれば神格も付くし、言い方が悪いけれども今更動く人形が増えたところで大差はないわ」
異国の神ですら受け入れる、なんとも日本らしいというか、大らかとでもいえばいいのか
受け入れて貰えている様で安心した。後ろ盾もできたし、自由に生きれば良いとのお墨付きも頂戴した。
「ありがとうございます天姉様。しばらくの間は自由に過ごさせてもらいます。」
「それでいいのよ優さん。私も八咫鏡で貴方のことをいつでも見守っているわ。
困ったことがあれば召喚しなさい。分霊だけど直ぐに駆けつけてあげるわ。
こう見えても私結構強いのよ」
フンスと拳を握り力を籠める。その姿は可愛いを通り越して尊い。
なにかあっても、絶対に天照様は助けようと思ってしまう辺り、さすがは日本最高峰の神様なんだと変に実感した。
「さぁ優さん、せっかく東京から来たのですもの、お茶くらいお持て成しさせていただくわ」
機織りや農耕など労働は美徳であるという価値観の神様だけあって、天照様が自らお茶を入れてくださる。
その後は、和やかにお茶をいただき、忠夫君復活の経緯などをお話しした。
そんな中で天照様が手慰みだが今後の未来がどうなるか占いをしてくださった。
天照様曰く私には未来予知のスキルはないらしいが、なにかと良く当たるとのことだ。
もう占いとかいうレベルではなく、それは予言や神託の域なんじゃないだろうかと思うが・・・・・・
「そうですね。1~2年以内に大きな騒動が起こる気配があります。あなたはそこで大きな決断を迫られるかもしれません。
あとは、直近というにはあまりに近い数日以内だと思いますが一人の女性と出会うようですね。
そこでも彼女の今後を決めるような選択に迫られるでしょう。
あとは、そうね。横島忠夫さんが大なり小なり関わってくるようだわ
彼の動向に注意を向けるといいかもしれないわね
簡単だけどこんなものね。という天照様
しかし、今の話を聞いて心当たりが有りすぎる。
大きな騒動とは魔神アシュタロス事件のことだろうし、本来の物語の主人公は横島忠夫君だ。
これから彼を中心にイベントやハプニングが巻き起こるのだろう。
自分の知っている原作知識がこの先どうなるか分からないが、多少なりとも原作通り進むのなら霊能力が使えるだけの一般人枠の自分は相当厳しいだろうな
しかし、ある意味でこんな未知を体験できる機会なんて、元の世界では絶対に有り得ない
かなり好奇心を刺激される。
先ずは直ぐに出会うという女の子の未来が幸せになるような選択を探そう
NGシーン
私が人形の身体だから、私が優さんのことを用済みだとでも思ったのかしら
そう、あなたのことをずっと見守っていたのよ。
この世界に召喚されてしまい独りぼっちになってしまった貴方は私を責めなかった。
それどころか貴方は私のことを姉と呼び慕ってくれた。
本当に嬉しく思った。そう私は貴方の姉であり、この世界に繋ぎ止めた母でもあるのですもの
弟の、そして子供の成長と生末を見守るのは当然だわ
ずっとずっと見守ってあげるわ、太陽が昇らない日は無いように何かあれば必ず駆けつけてあげる。