GS美神の世界でサバイバル   作:京太郎

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24.GS資格受験 ~清姫 強化(狂化?)~

さて、所属先を妙神山と書いてもいいか、まずは小竜姫様にお墨付きを

頂かなければいけないだろう。

 

忠夫君にも内緒にしているが、このマンションと妙神山は、ゲートで繋がっている。

もちろんこの先も人に話すつもりはない。

 

決められた手順に沿ってゲートを起動させ、妙神山に移動する。

小竜姫様もこちらに来れればいいのだが、大義名分が無いとそう簡単にはこちらには

来ることが出来ないようだ。

 

僕の気配を感じたのだろう。小竜姫様がこちらに歩いてくる姿が見えた。

 

「あら、旦那様いらっしゃいませ。本日はどうされたのですか?

私に会いに来てくださったのですか?」

 

小竜姫様に会いたかったのも有りますが、と前置きをして、GS免許を取るために

どこかの事務所に登録する必要があり、妙神山所属としても良いか聞きに来ました。

 

「妙神山所属と名乗るのは構いませんが、私は俗世のことには疎いので

管理監督はできませんよ。それに私はGS資格を持っていません。

あくまでも私は武神、戦うことと戦う術を教えることが本分です。」

 

「旦那様が所属しているエースという、会社は所属先足りえるのではないですか?」

 

そうですね。いつもご指導をいただきありがとうございます。小竜姫様

一度戻ってASEや他とも比較検討することにします。

お礼をして、帰ろうかと席を立とうとした時、小竜姫様に呼び止められる。

 

「GS試験に出るとなれば、当然清姫も式神として出るのでしょう?

旦那様は術者として後衛にいて、いざとなれば前後が入れ替わり前衛も務める。

 

さて、清姫さんは神話も付き、英霊に近くはなっていますが、しかし元は豪族の娘

武芸は嗜む程度しか、知らないでしょう。

どうです?ここで修業をしませんか?異空間での修行なら、旦那様は数分お待ちいただく

だけで終わりますよ。」

 

清姫は僕のほうをチラリと見てくる。

戦わせるために連れてきた(憑いてきた?)訳ではないが

確かに小竜姫様の言う通り、前衛で相手を足止めしてくれれば、僕も陰陽術を使いやすい。

いざとなれば、前後スイッチして僕が前衛になればいいし。

確かに悪い話ではない。清姫は嘘を増悪している。

本心から思っている事を話す。

清姫、僕は君に戦ってほしくはなかったが、GS試験では文珠や如意宝珠を隠すため

式神使いとして出場したい。

それに今後、除霊の場に立つときも共に戦えれば嬉しいし、安心できる。

小竜姫様と修行をして、戦えるようになってくれないだろうか?

 

「畏まりました。ご主人様、わたくしも乙女として、武芸は一通り嗜んでおりました。

しかし、わたくしのようなか弱い細腕の女では、戦場に立つご主人様のお役にたつことも

ままならないと悔しく思いましたが、ご正室様にご指導いただけるなら

この清姫、ご主人様の為ならば例え火の中、水の中!

今、見つめ合っただけで、この清姫は理解致しました。確信致しました!!

わたくしたちの心は繋がっていると。この信頼と愛の前では何も心配もいらないのだと!!」

 

清姫に握られている腕が軋みをあげている。

流石はバーサーカークラス、どこが女の細腕なんだと突っ込みたいが

男は黙って我慢、清姫に頑張ってと応援する。

 

小竜姫様も清姫にご正室様と呼ばれているで、むしろ気分よく隣室の襖を開け

清姫を誘う。

 

「旦那様、これより先は清姫さんの修行の場となります。

決してこの襖を開け、覗いてはなりませんよ。」

 

そう告げて、小竜姫様と清姫は隣室に移動していった。

何をしているのか興味はあるが、童話鶴の恩返しの如く、約束を守れず

鶴を失うのはあまりにも惜しすぎる。

言いつけを守り、ここで大人しく待っているとしよう。

 

 


 

 

~小竜姫side~

 

清姫さんと共に異空間にやってきました。

清姫さんは横島優さんを安珍の生まれ変わりと思いこんでいる節があります。

今はいいかもしれませんが、将来そのことに気が付き、旦那様に嘘を付かれた

などと勝手に思い込み、致命的なすれ違いをしてしまうかもしれません。

 

このことを知れば、旦那様は名の通りお優しい方です。きっと止めに入るでしょう。

しかし例え、恨まれ疎まれようとも優さんを危険にさらす存在を

そのような危険な女は、この小竜姫が許しません。

 

だいたい、旦那様と同居しているだけでも、羨ましいのに

先ほども、旦那様の腕を絡めて仲睦まじい姿を見せられて、ご正室様などと

持ち上げてはいますが、寵愛は私にあると、まるで見せつけるようではありませんか

 

えぇえぇ、これは決して私怨などではありませんとも。

あくまでも、旦那様の身の為なんですから、仕方ありませんよね。

 

「さて清姫さん、修行を始める前に解決しておくべき問題があります。

私も武神の端くれ、持って回った言い方は好きではありません。

優さんは安珍という方の生まれ変わりではありません」

 

きょとんとした顔をした清姫さんは

「ご正室様は何をおっしゃいますの。わたくしを揶揄うならやめてくださいまし

ご主人様、安珍様は熊野の地まで約束を果たして

わたくしを迎えに来てくれたではないですか

安珍様とご契約をしてからは夢のような世界で、優しくしていただいて

わたくしは安珍様のためにお食事を作り共に頂き、陽のある時は常に傍に寄り添い

安珍様がご就寝されたら、わたくしも同じお布団にはいり、時々お情けも

頂き、朝を迎えれば安珍様を起こして差し上げているのに

 

知っていました?安珍様は一度寝てしまうと朝まで起きませんのよ。

安心してくださいまし、お子はご正室様が最初というのは理解していますわ

安珍様はいまだに女の身体を知らぬ身ですよ。

わたくしは、たまに精を啜らせていただくだけですわ。」

 

そんなに羨ましいことをしておいて、この程度しかしてないですから

大丈夫ですよって、その態度!ますます許しておけません!!

 

いや、違います。やはり優さんと安珍を混同していましたか

真実を突きつけ、狂ってしまうならば、やむを得ません。

慈悲の心で、神剣の一撃をもって葬って差し上げましょう。

 

「再度告げます。

優さんは安珍という方の生まれ変わりではありません。

貴女自身が竜と成り、道成寺の鐘に籠る安珍を魂諸共焼き払った最後を、

覚えていないとは言わせませんよ。」

 

「ご正室様、嘘をおっしゃらないでください。ご主人様は安珍様の生まれ変わり

それでいいではありませんか」

 

「いいえ、安珍は貴方に嘘つき、迎えにはきませんでしたが

優さんは貴方を思い誠実に嘘をつかず、生活してきたのではないのですか」

 

清姫さんは俯き、その表情を隠してしまいました。

そしてぽつりと呟くように、そして段々とその激情が露わとなりました。

 

「えぇそうですとも、分からない振りをしておりました。

 

安珍様が愛しくて、恋しくて、愛しくて、恋しくて

でも、安珍様に裏切られて

悲しくて悲しくて悲しくて悲しくて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて

憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎

 

だから、魂諸共焼き殺しました。」

 

 

「あの時、わたくしの未練も焼き尽くしたと思っていましたが、熊野の地で優様にお声がけ頂いた時に、あぁこの方が安珍様だったらと何度思ったことか

 

そしてまた、未練が沸きました。

だんだんと、優様を安珍様の生まれ変わりと思うようになったのです。

 

そして、優様には既にご正室様がいらっしゃいました。

何故、わたくしではないのかと、出会いの差だけで正室と側室が別れるのであれば、せめてご寵愛だけは全てわたくしのものとしたかった。」

 

なるほど、まるで当て付けるかのようなと思っていましたが、本当に当て付けでしたか

 

自覚しているならば、私とて武神ではありますが、1人の女、好いた男性に裏切られる悲哀とその激情は分かります。

そうならば慈悲と寛容を持って接しましょう。

 

「分かりました。では自覚をしているならば、これ以上はいいません。

ただ、この先優さんと安珍を混同し優さんを悲しませることがあれば、私は貴女を打ちに行きますからね」

 

さて、それでは本題の修行に入りましょう。

 

貴女に合いそうな武器をまずは見つけなければいけません。

 

まずは刀を始めとする刀剣類を振ってみましょうか・・・・・・

 

妙神山にある武器を一通り振っていただきましたが、薙刀と変わった所では

鉄扇に適正がありそうですね。

 

あらあら、清姫さん一通り振った程度でばててはいけませんよ。

これはまだ適性を見ているだけなんですから、ここからが本番ですよ。

 

決して意趣返しとかではないですからね。

さぁ優さんのために頑張ってください。

 

 

 


 

 

 

お、襖が空いて小竜姫様が戻ってきた。

けど、清姫が戻ってこないな、小竜姫様、清姫はどうしたんですか?

 

「清姫さんなら修行で霊格があがり、礼装が変わってしまったので

少し恥ずかしがっているようですね。

慣れれば自由に礼装を交換できるのですが、しばらく練習が必要かもしれません。

また、清姫さんは薙刀と鉄扇に高い適性があったのでそちらを修行しました。

 

彼女自身は嗜み程度と言っていますが、十分に実戦で通用します。」

 

 

 

襖の影から清姫が顔だけをひょっこり出し、こちらに確認をする。

 

「ご主人様、わたくし、はしたない恰好をしておりますが、嫌わないでくださいませ」

 

大丈夫、どんな格好でもきらわないと言うと、襖から出てきてその礼装を見せてくれる。

 

 

和服に水着、有りだね。

清姫かなり着やせしていたのか、小竜姫様には敵わないが

それでも立派なたわわです。

 

水着には詳しくないのだが、黄色のビキニにたれ袖のある着物をまとい

ところどころに、水着と同色のリボンを配置している。

 

控え目に言って最高としか言えない。

これほどのものを持っていたとは、清姫、恐ろしい子・・・・・・

 

「あのご主人様、何かいってくださいまし、わたくし恥ずかしくて死にそうです。」

 

羞恥心から顔を真っ赤にしている清姫、これはこれでいいものだと思う。

 

ごめんなさい。清姫が魅力的過ぎて見惚れてしまいました。

GS試験の会場で他の男に見せたくないとそう伝える。

 

「ご安心くださいませ、清姫は身も心もご主人様のものですから」

 

一度は言われてみたい、セリフランキング上位の言葉を聞けるとは思わなかった。

しかしこれは、こちらが思わず赤面してしまう。

 

お互いに顔を見合わせてクスクス笑い、清姫は安心したのかいつもの和装に戻った。

 

「いつもの礼装に戻れたようですね。しかし薙刀を使うときには、先ほどの礼装のほうが動きやすいと思うので、そこは適宜判断してください。」

 

そう、小竜姫様が清姫に伝える。

 

「畏まりました。ご正室様。」

 

あぁそうだわと言って、清姫が小竜姫様の手を取り隣の部屋に移り内緒話を始める。

 

写真のような物を渡しているようだが、何が移っているかまではわからない

微かに聞こえる単語は、寝顔、入浴、・・・・・・・

 

何が写っているか、わかってしまったがわからない振りをする。いいね。

それにしても、修行といって離れている間に仲良くなって良かった。

 

よく目を凝らせば、天照様も一緒にいるではないか

見間違いかと、目をこすればもうその姿はなく、僕の隣にいた。

 

「ふふふ、清姫さんには良い物を貰ってしまいました。

どうやら清姫さんは薙刀、槍をお使いになるそうなので、天沼矛を貸しましょうか?」

 

いえ、神話の、しかも国生みの矛をポンポン貸さないでください。天姉様

借りたところで、僕の霊力では支えきれません。

 

「それもそうですね。清姫さんが自身で持っていた薙刀も、年月が経っているので、

十分な神秘を蓄えていますよ。」

 

それだけいうと、次の瞬間にはいなくなっていた。

 

まぁとりあえず、清姫の武器も用意しなくてよくなったのでいいことにするか

あまり深く考えてはいけない領分だと思う。

盛り上がっている、小竜姫様と清姫の姿を見て、今しばらく待つことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 




清姫は優のことを安珍の生まれ変わりだと思い込もうとしていたところ
小竜姫様に軌道修正された話でした。流石はご正室

FGOでは安珍殿を一途に思うという描写があり
優を安珍と勘違いさせたまま、月日が経ちやはりこの方は安珍様ではない
と暴走するのも有りかなぁと思いましたが、バーサー可愛い清姫を
書きたかったので、今回で安珍殿は手打ちにしたいと思います。


優が寝てしまった後にナニをされているか、詳細は書きませんので
想像力で補っていただければ幸いです。

では、また次回


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